がめらのフィールドノート

人と自然との出会いの中から湧き上がった想いや音楽、エピソードなどを、紹介します。

清里で3泊4日=第2弾!~登山編~

2009年09月04日 | アウトドア
今日は、三ツ頭(標高2,580m)への登山の日。天女山(標高1,600m)からのチャレンジです。

実は、昨年の登山(県界尾根・小天狗)では、途中から小雨が降り出し、尾根に吹き荒れていた強風により、体感温度は真冬なみ。尾根道からはずれ、風下側の斜面に緊急避難しました。みんなでおしくらまんじゅう状態に固まり、スタッフが持っていたポットのお湯をわけあいました。低体温症によって動けなくなってしまう子どもが出てしまうことだけは、避けなければなりません。結果、登頂を断念しました。全体のルートの半分にも届いていませんでした。


今年こそは、と強い思いで登り始めました。空は曇り。中腹は雲の中です。気温も高くなく、登りやすいコンディション。かなりいいペースで、三ツ頭の前衛峰である前三ツ頭に到着。

しかしながら、非常にガスが濃い状態。次の樹林帯に入るまで10分間、ほとんど目印のないガレ場を通過しなければなりません。子どもたちの疲労度によっては、登頂断念を決定してもおかしくないガスの濃さでしたが、昨年、登頂を断念した子どもたちに、卒業の年にどうしても登頂させてあげたくて、前後差を詰めて全体の列をコンパクトにし、先頭から最後尾が目視できる状態で、進みました。10分が30分にも感じました。

やっと樹林帯に入るあたりで、左手奥の方から「ゴロゴロゴロ」という低い鈍い音。雷です。
(マズイ)
「急いで前に詰めろー」

ここから先のルートでは、樹林帯と縞枯帯が交互に出てきます。縞枯帯にいたら、雷のえじきです。もちろん、このタイミングでガレ場を引き返すわけにはいきません。もっと危険な状態に陥ってしまいます。全体をギューっと詰めて、態勢を低くして、じっとさせます。昨年の緊急避難の情景がフラッシュバックします。

雷の音は、大きくないものの、数回にわたって鳴ったあと、とりあえずおさまっている様子。登山道の先の空は、雲が薄く、明るくなっています。
「少し待てば、行けるか?」
と一瞬、希望的観測がよぎったものの、携帯で気象情報を確認。

“11時6分、山梨県全域に雷注意報。昼から夕方にかけて、雷、ひょう、突風に注意”

雷注意報が出ている中、集団登山を敢行するのは、自殺行為です。山の掟には逆らえません。

こどもたちに状況を伝え、途中下山を決定しました。

さっきよりガスは薄くなり、雷の音も聞こえなくなりましたが、一列になってのガレ場通過は、まだ危険な状態。グループ毎に大人が一人ずつ付いて、間隔をあけてガレ場を一気に通過。「下山時は走らないで」なんていう状況じゃありません。
「ついてこい!」
前三ツ頭の樹林帯まで、ものの数分で駆け込みました。

結局、2年連続で、登山プログラム登頂できず。無念です。

下山中、私のすぐ後ろを歩いていた子が訊いてきました。
「山の危険ってどんなのがあるの?」

「うーん、そうだなぁ。数え上げたらキリがないけど、寒さによる低体温症・雷は、君たちがナマで経験したね。あとは、道を見失って遭難したりガケから転落したり。熊やスズメバチも山の中の危険だね。がけ崩れや雪山のなだれもあるね。」

それは、引率ガイドしている自分自身にそのまま言い聞かせていたのは言うまでもありません。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿