絵本の会がらがらどん

絵本・紙芝居研究。毎年11月には小学校訪問があり、11月の記録にはその本のタイトルなどをアップしています。

初見の本を読み聞かせする

2006年03月06日 | Weblog
県立図書館児童サービスの講演会に行ってきました。県立図書館は児童サービスやってないけど、ボランティアや司書に教育してくれる。この先生はとてもよかった。ただ、園での読み聞かせなのでみんな知ってる子だ。歳も同じくらい。条件は私たちとぜんぜん違うね。
だいたい私も同意見です。ただ、初見で読むのは避けたほうがいい、と、それは私も同じ気持ちなのですが付け加えるなら「まちがったっていいじゃない」ということです。間違うのがはずかしいなら、ボランティアなどやらなくてもいいのでは。それほど状況は切羽詰っていると思います。

2月、つぼみの会でのこと。部屋に入る時から大切に一冊の本を抱えてきた子がいました。以前他の先生が紹介したのを聞いてすごく気に入って手放さないそうだ。「みんな終わったら読んであげるよ」と言ったときのうれしそうな顔。『かがくのとも』で字がぎっしりの本。おはなし会の時間中、物欲しげに私たちを見ていた。

おはなし会が終わり、本を下に低く持って読んでいった。字を拾うように読む、自分の子どもに読んでやったように読む。部分を指差しながら、間違えたときは「違った」といって言い直す。ちょっと早口だったかな。空き缶のことを説明した本だったけど、自分ではあんまり内容をつかむところまでいかず朗読マシンだったが、子どもは全身これ耳というふうでした。10分くらいかかったかな。
 途中から一緒に聞いていた子どもが「次これ」と『はけたよはけたよ』をもってきた。これは何度も読み聞かせで使ったので一安心。
 その間中お母さんはほかのおしゃべりに夢中。でも、それでいいのです。私たちは読み聞かせボランティアだから。お母さんどうぞお休みください。

私は、間違っても平気だけれど、どうもそれがいやなボランティアが多いらしい。長い児童書を教室で読む先生だっているでしょう。それって、事前に練習するか?全体のストーリーは知ってるだろうけど、部分的な流れはおぼえてないでしょう?けっこう間違えるじゃないですか。それでもみんな喜んで聞いてるじゃないですか。
「おけいこごとの発表会ではない」と昔の講座で習った。間違えないよううまくやることに気をとられ、発表会になっていることに去年気がついたのです。話が壊れるとか、内容を間違えて伝えてしまうことになるから、もちろん事前に分かっていれば一番いいのですが、それはたいしたことじゃない。その程度で壊れるような話などたいしたもんじゃない。

 間違えて言い直せば「マチガエテモ ヤリナオセバイインダナ」と子どもは思う。「オトナナンテ タイシタコトナイナ。コノテイドナラ オトナニナッテモダイジョウブダナ」と思う。完全ではない大人をみせることのほうがよっぽど大事だという気がしてならない。
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