絵本の会がらがらどん

絵本・紙芝居研究。毎年11月には小学校訪問があり、11月の記録にはその本のタイトルなどをアップしています。

聞き手選書型読み聞かせ レポート

2006年08月02日 | 資料
聞き手選書型読み聞かせの報告
                           H18.7.31
                               石倉恵子
          (絵本の会がらがらどん会員)(新潟かみしばいクラブ代表)
平成18年4月から7月までの様子をまとめました。

1 生涯学習センター ボランティアによるおはなし会(センター事業)
① 絵本の会がらがらどん(奇数月に、絵本のみ)
 毎回、数組の参加者がある。聞き手選書は1月から始めていた。本を並べた敷物を囲み、読み手は椅子に座らない。一冊読む毎に次の本を決めた月も、先に全部決めてから続けて読んだ月もあった。小学生と幼児が一緒の時も、順番に子どもが選んだものをみんなで聞いた。
 続けて聞けない子どもは、部屋奥に仕切られた遊び場で遊んだり、また戻って聞いたり自由に動いていた。ある本を読んでもらった子が、また別のときにやってきて、偶然別の会員が持ってきてあった同じ本をリクエストしたので、読んだこともあった。なお、何を読んだかは館に報告しない、という合意でやっている。
 会員の感想としては、
「自分で選んだせいか、子どもは興味津々でとても熱心に聞く」
「順番がくるまで本を大事に抱えていて、ほほえましい」「どれが選ばれるかドキドキする」
「部屋に持っていく本を棚から選ぶときは、自分が確実に読めそうな本を選ぶ」

② 新潟かみしばいクラブ(偶数月に、主に紙芝居)
 舞台設定は、机に乗せた高さで読む普通の形。敷物の上に聞き手が座る。読み手が数巻づつ持ってきて並べておき、順番に読み手が出て聞き手に選んでもらう。プログラムにはたくさん書いておき、読んだものに○をつけて館に報告。
 同会はほとんど常時この形でやるので、会員も慣れた様子。始めた当初から会員には好評だった。自分が選んだものを、おもしろかったと後で言いに来た子どももいた。プログラムを作ることが高いハードルになっていたが、これならば、だれでも、急な欠席者があっても対応できる。聞き手がどんな年齢でもいいよう幅広く持ってきておくことが大切。どれがいいか尋ねるときにちょっとおしゃべりもできる。拍子木をたたきたい子どもが多く、次の作品の始まりや読みが終わってからたたいてもらったりする。
 持って行くものは全て練習しなくてはならない。以前やったものを織り交ぜて持っていくと身についていて楽でうまくやれるということに気づいた会員もいる。ただ、他の訪問先で、事前の確認をせず1枚不足していたことに本番になって気づくということもあった。舞台に差し入れるときに紙芝居(カード)の順番を確かめることを徹底して防ぎたい。一つだけ練習してそれを長時間かけて披露するという感覚の会員は、他の理由もあり、退会した。
 会員の感想としては、「とても一生懸命聞いてくれる」「長いのばかり選ばれてやってしまうと、聞き手が飽きるし、時間不足で読めない人がでてくるので、気をつけなくてはいけない」など。


2 黒埼図書館おはなしのじかん(絵本の会がらがらどん)
① 偶数月(絵本のみ)
 床に絵本を並べたら気が散ったので、次月から選んだ本を棚に入れる形にした。看板も作った。おはなしの部屋突きあたりを背にして、椅子を使わず語る。説明しても、おはなしの部屋の外の普通の書棚から持ってくる子、会員が指定しない棚から取り出す子が多かった。    
会員の感想としては「選んで上の部屋に持って上がるセンターと違い、書棚がたくさん近くにあるという場所ならではの問題がある」「うんち系の本を持ってこられたこともあった。少し抵抗があったがそれを読んだ」「計算されたプログラムのおはなし会というより、適当に読んで、後でそれを記録しておく形と割り切ることだ」

② 奇数月(紙芝居も含む)
 形は偶数月と同じ。舞台は会のものを使う。
初めから「先生に頼みなさい」と親が子どもに絵本を持たせて部屋に入ってきたので、断れずそれを読んだこともあった。大型絵本の時は会員二人で支えて持ち、初見だったが、面白い本だねと言いながらゆっくり読んだ。
 つねに歩き回るタイプと思われる子どもがいて、紙芝居舞台や会員の鞄の中に盛んに手を出した。保護者は後ろで黙って見たり外の書棚を見に行ったりしていた。会員は鞄をよけて、子どもに舞台を触らせカードを動かし遊ばせた。他の子どもはすぐにいなくなった。
 7月は、指定した棚の中を探した子どもが不満そうだったので、紙芝居は紙芝居の棚から持ってきてもいいと言ったら次々と持ってきた。絵本も、指定の下の棚を一生懸命探しているのでそれでもいいよと言って読んだ。
本を持ってきておいて待っている間にいなくなる子がいたが、その本は読まなかった。読んでいる最中にいなくなった場合は、他の子がいれば最後まで読んだ。
感想としては「時間がないときにとても長い本を持って来られたら、最初の2ページ位読んで、あとはお家で読んでもらってねと言えばいいのではないか。」「セリフと演出事項を同時に目で追い、舞台で操作するという作業もする。紙芝居を初見で読むのは、慣れた人か、失敗してもいいと完全に割り切れる人でないとできないのではないか。」

3 つぼみの会(絵本の会がらがらどんの定期訪問先・沼垂幼稚園子育て支援)
未就園児親子連れ20組以上が、絵本の書棚に囲まれた10畳程度の部屋に入る。
 最初の頃は、絵本展示用のワゴンに用意した本を入れて、子どもに選んでもらった。椅子を使いわらべうたをした。ところが、みんなが選びたくて大騒ぎになり、わらべうた「ずいずいずっころばし」で当たった子や、誕生月の子に選んでもらった。自分の望みがかなわず泣き出した子もいた。園の先生の「思ったとおりにならないという経験も大切」という言葉もあった。
しかし、次月よりプログラムを決めて4冊程度で読み聞かせ会を終わらせ、その後、好きな本を持ってきて個別に読むという形にした。数組は本を持ってくる。車座になり、本を子どもの目の前にひろげ数人一緒に聞く。会員は2人いるので、輪が2つ出来たときもあった。子どもが「あの人に」と見覚えのあるボランティアを指定したそうな様子もあった。長い本(バーバパパ)を初見で読むことになった時は、つかえながら拾うように読んだが、子どもは食い入るように見ていた。

4 木戸っ子クラブ(絵本の会がらがらどんの定期訪問先・木戸公民館) 
 0歳児から参加している。始まる前におもちゃを片付ける。敷物を敷くことで絵本の時間として切り替える。椅子を使わず敷物の上に本を広げる。わらべ歌を必ず入れてやる。幼くて選べないときは親に選んでもらう。「前回選んだので今回は他の方に」と言った大人もいた。参加者が少ない時は一人一冊づつ選んでもらう。最初は聞いているが途中から歩き回る子もいる。ノンタンを持っていったら選ばれたので読み、みんなで聞いた時もある。
 わらべ歌の手の動かし方を自分の言葉で説明するので、その感覚で、本の合間にちょっと雑談ふうに本のことを説明したりすることもある。
会員内で「木戸方式」と呼び、聞き手の顔をみてプログラムを自由に変える形はこの場所から始まった。記念の場所である。

5 その他(プログラムのある読み聞かせについて説明)
① 自主事業「がらがらどんの部屋」(鳥屋野公民館・保育室・毎月第3水曜日午前)
 会そのものは7年ほど前からやっている。2年ほど前から、わらべ歌コーナーと、絵本をたくさん持込み親子で自由に選んで読んでもらうコーナー、おもちゃで自由に遊んだりするコーナーを組み込んだら、毎回5組以上の親子連れが参加するようになった。 
 毎月一度はプログラムを決めてやるのも必要だということで、この会は残してある。対象年齢も一定しているのでプログラムも作りやすく短い本を4冊程度読む。わらべうた「大風来い」で敷物をひらつかせながら敷くのも恒例になった。一人で聞ける子どもはそこに座って聞く。オルゴールを鳴らして始めるときもある。並べてある絵本をいじりに前に出てくる子どもも多く、そのつど適当に対応している。母親たちが子どもに話しかけたり自らキャーキャー笑いながら聞いている。
 図書館内では周囲の迷惑が気になっておちついて本を選べないのでは、ということで始めたコーナーだった。数組は、集めた本から手にとって親が子どもに読んできかせている。親同士が顔見知りだという様子の人もいるし、自分一人で選んできたという感じの人もいる。
 会員は親と雑談することもあるが、長くは相手をせず、自分たちの打ち合わせのため部屋の隅に集まって話し合いをしている。子どもがその集まりに紛れ込んで来る事もある。
 
② 子育て支援センター訪問(白山チューリップ、鳥屋野あいあい へ随時)
 大型絵本を使ったり、訪問先の先生がピアノを弾いてくださることもある。子どもが小さく多人数なので大声を張り上げなくてはならず、会員の中でもやり方についていろいろな意見が出ている。絵が大きく、とても単純な話でないとプログラムに入れにくい。実際に行く会員の気持ちを大切に、模索している。受け入れ先は「読み聞かせ系で、何かしてくれればいい」という考えのようだが、自分たちは「本の楽しみ方の紹介」のつもりもある。
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1 コメント

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はじめまして (ふくちゃん)
2006-09-01 18:14:57
こんにちは

図書館でこちらのブログアドレス見つけました

自分は絵本読みを始めたばかりなのでみなさんの活動とても参考になります。
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