絵本の会がらがらどん

絵本・紙芝居研究。毎年11月には小学校訪問があり、11月の記録にはその本のタイトルなどをアップしています。

ももたろうの絵本

2006年06月10日 | Weblog
絵本
絵本の会の人たちの意見も聞きました。ただ、ここに書いたのは管理者個人の意見が大きいです。

『ももたろう』馬場のぼる(こぐま社)
漫画家らしいユーモアがあって楽しく、今の子どもたちにもすっと溶け込める文だと思う。登場人物の性格がはっきりしている。三年寝太郎みたいに舟の中でも寝ているのがおかしいね。私が子どもなら、こういうのを読んでくれる大人と友達になりたい。いたずらしてもぼんやりしていても許してくれそうで。

『ももたろう』松井直/赤羽末吉(福音館書店)
集団読み聞かせのときは、これを使うことが多い。絵が遠目がきかないし、見るほうもつらいような気がする。近くで見ることを想定してつくられたのだろうけれど、とりわけ線や色がぼんやりした印象があり、どうしてそうなのかずっと考えていた。赤羽さんはやはり、ぼんやりイメージの桃太郎にしたかったのかな。

『ももたろう』松谷みよ子/瀬川康男(講談社→フレーベル館)
いつの間にか出版社が変わっていたんですね。人により好みがはっきり分かれる絵です。縁なしで見開きに書かれたページが2箇所あって、その絵が特に好きです。

『ももたろう』代田昇/箕田源二郎(講談社)
新しい出版です。集団で聞くには絵が大きいのでこの方がいいかも。この絵が好きだという意見もでました。ただちょっと長く、15分くらいかかるかな。

『桃太郎』千葉幹夫/斎藤五百枝(講談社)新・講談社の絵本
これも絵の好みが分かれる。巻末にある解説を読むと、不勉強の私たちにも桃太郎話の歴史がわかる。つい、絵本を「これは良い本か悪い本か」と区分けしてしまう習慣がある私たちには、名もない大勢の人たちの楽しみだったということをあらためて思い出さなくてはならないと思う。

『ももたろう』長谷川摂子/はたこうしろう(岩波書店)
自分の記憶で子どもに話そうとしたら、こういう文章にいちばん近くなりそうだという意見があった。絵もカラッと明るく、かばんに詰めていくには一番気楽かな。

『ももたろう』赤座憲久/小沢良吉(小峰書店)
絵がいいね、という意見。私もこの絵が好きで、博物館で絵巻物を順に眺めているような古風な気持ちになる。どこの地域の話なのか、ちょっと興味がある。

『momotaro・桃太郎』芥川龍之介/寺門孝之(ピエ・ブックス)
大人の本棚にある。こういう創作もあったのだ、とショッキングです。今、北朝鮮問題で自分の周りでも不思議な気配があり、歴史の大きさとかが迫ってくる。でも文は戦前にできたんだよね。
「どうして征伐に来たのか?」と問われて「家来がいたから」と答えるところ、もう一度突っ込んできくと逆切れするところで、笑ってしまいました。

他、多数のアニメ絵本も検討しましたが、禁帯出であり、家で見ながらここに書くことができません。
小さい子どもは、目の器質的な理由で、はっきり単純な絵がいいのだとブルーナの絵本などを薦められます。ブルーナ風のももたろうもありました。その理屈でいくとアニメ絵本が子どもに喜ばれるということも納得できます。食堂やお医者さんの待合室によく置かれていて、遊ぶのにとてもいい。子どもは遊びながら育っていくという論理でいけば、それらが子どもの周りにあるのは必要なことだと思います。
 川崎洋/湯村輝彦(ミキハウス)のももたろうも見ることができました。とても楽しい検討会をすることができました。

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