久住山(1787m)・星生山(1762m)・扇ケ鼻(1698m)
(赤川登山口から紅葉トレッキング周回登山)
(行程) 赤川登山口(発7:50)→久住山頂上(着10:40~発11:30)→星生山東岩稜
→星生山頂上(発13:00)→星生山西稜線を歩く→
扇が鼻分岐登路出合で星生山西斜面の紅葉撮影(着13:30~13:50発) →
扇ケ鼻・草台地東端から望むビュ-ポイント(着14:10~14:30発)→
「添ケつる」付近の展望スポット(着15:00~15:10発)→赤川登山口(着16:10)
〇今年の紅葉は例年よりも一週間早いとのネット情報であるので黒岳や三股山は最盛を
過ぎているだろうと思い、扇ケ鼻に照準を合わせて登る計画を立てた。
九重連山の南に位置する久住高原側から久住山に登るル-トは三つある。
沢水コ-ス(本山登山道)は過去に登ったことがあるが、赤川コ-スと 南登山口コース
(南登山道)にはなぜか登る機会がなかった。
今回、山友の石ちゃんの勧めで赤川登山口からトライすることとした。
下田温泉の旅以降、秋晴れの穏やかな天気が続く、
今日も秋空が高く広がり絶好の山行日和に恵まれた。
扇ケ鼻から望む「肥前ケ城」西面の紅葉
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▼赤川温泉に上がる取り付け道路に入ると、運転席の窓には西部劇にでも出るような岩峰の
シーンが遠望に迫る。
肥前ケ城の東壁と盟主久住山の頂から下る西尾根を前景にして、その奥に星生崎の尖峰が
気高くそそり立つ、初めて見るこのアングルの素晴らしさにときめいた。
(季節を変えて冠雪していたら・朝陽に照らされていたら・雲海が湧いていたら等々のシ-ンが
イメージされて来る)
[国道442号線を離れ赤川温泉・赤川荘方面に向かう車道から仰ぐ
星生崎の岩峰と肥前ケ城(左)・久住山(右)]
[星生崎の岩峰をズ-ムで]
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▼駐車場から、赤川荘へ上がる車道を歩くと直ぐに登山届のボックスが在り、道標に従い
分岐を左に進み(直進は赤川荘)、下山路で使う扇が鼻への分岐を左に見て、
木立の中を歩く。
途中、溢れ出た硫黄泉で、コンクリトの筒が乳白色に染められ、特異な色彩に目が
奪われる・・・。
丸太を組んだ橋を渡ると、赤川の左岸側に登路が延び、砂防ダムの滝音が木立の
向こう側から何度ともなく心地よく聞こえてくる。
ドングリの大きな実が落ちる樹林帯の登路は、明るく気持ち良い登りで、要所要所には
浸食防止の木段が施され整備されていた。
[駐車場を離れ登山口へ、直進は赤川荘]
[赤川谷から流れ下る瀬音を聞きながら・・・・]
[爽快感溢れるミズナラの林を歩く、足元には肥えたドングリの実が多量に落ちている]
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▼林道を2回程横切って尾根筋を辿り、赤川谷を左下に見おろす草地の小広場に着く。
見上げれば久住山の頂上部が見え、荒々しい溶岩の断崖が剥き出しに見え・・・
西側の水平目線には、柱状節理の肥前ケ城・北壁が見える。
振り返れば、背中にずうっ と従えて、度々振り返って見て来た阿蘇五岳の涅槃像と噴煙・・・。
今日の噴煙は、真っ黒な噴煙で最近にない勢いで高く噴火している。
(何日か前には、「阿蘇中岳第一火口の噴火は停止した」 と気象台が発表していた
ようであるが・・・)
[毎日新聞のニュースサイトよりキャプチャ] ↓
▼小広場には先着の夫婦(五十路代)が憩うでおられる・・・。
後着で、登山口からお互いに追い越し追い越されていた夫婦(六十路代)が着かれた。
林道付近ですいすいと私達を追い抜いて行かれた単独行の老人の姿は
既に見当たらない・・・。
メジャールートの牧ノ戸コ-スと比べると本当に数少ない登山者で、今日出会った人は
この5人だけであった。
▼小広場の草地から、登路は灌木帯に入り、岩場の急こう配が続く。
胸突き八丁を四つん這いで登り詰め、展望抜群の展望岩に至る。
眼下には、何の遮りもなく久住高原の裾野が長い広がりを見せ、
大パノラマと高度感を堪能した。
西側を望めば、久住山南斜面を下る紅葉と中景に肥前ケ城・遠景に扇ケ鼻の
頂を空から見下ろすような気分で眺めた。
展望岩から頂上までは目と鼻の先、10分程で久住山山頂に立った。
[振り返ると阿蘇の噴煙が・・・
今日はいつもより強い噴煙が周期的に連続噴火している模様が窺える]
[頂上直下の展望岩にて・・・高度感最高]
[展望岩から望む久住山南斜面の紅葉、肥前ケ城東壁の柱状節理(中景)と扇ケ鼻]
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▼人波で賑わう頂上、眼下の避難小屋前には大勢の人の群れ、久住分かれ付近には
登山者が行列を作って登って来る、まさに九重の銀座通りの趣である。
そんな人の流れを楽しみながら頂上でランチタイムとした。
[空は青く澄み渡り風も無く小春日和の暖かさで、頂上は人の波で賑わう]
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▼下山路は久住分かれから星生山東尾根に登り、岩稜を歩いて星生山頂上に至る。
頂上からの下りは草付きの稜線を歩き、星生山西尾根を辿って尾根末端に映える
紅葉を楽しんだ後、扇ケ鼻を目指した・
[ 星生山頂上から西尾根に下り、尾根末端の紅葉]
[扇ケ鼻分岐付近の登路から眺める星生山西斜面の紅葉]
[扇ケ鼻草台地から眺めた星生山西斜面の紅葉]
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▼扇が鼻へはミヤマキリシマの時季に花散策に来るが紅葉散策は初めてである。
扇が鼻分岐付近で、肥前が城と扇が鼻の谷間に紅葉が見えていたので扇が鼻頂上には
行かず、草台地の散策路入口を左に歩き草台地の東端に着く、
▼目を疑う様な紅葉の世界が対岸の肥前ケ城の西壁を彩ってる・・・。
星生山西斜面の紅葉は想定に入れていたがこの場所の紅葉景観は九重連山の中でも類を
見ないものがあり驚嘆するばかりであった。
(紅葉の輝きは勿論であるが遠景に星生崎・天狗ケ城・中岳・稲星山そして盟主久住山の
5峰が座し、肥前ケ城西壁を覆い尽くす金糸銀糸の彩りと久住高原のパノラマを草台地に
座ったままで一望できるビュ-ポイトであった。
▼この場所から去り難いひと時であったが下山路に戻り、草台地の南側から下る。
草付の斜面に取り付き登路はすぐに崖斜面を急降下して展望の無い樹林帯を歩く。
[扇ケ鼻草台地東端から眺めた肥前ケ城紅葉の絶景]
[相棒の石ちゃんと・・・]
[圧巻の紅葉に・・・・、このロケ-ションから去り難い]
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▼傾斜が緩くなると登路は草原地に変わり展望が開け、再び肥前ケ城と久住山が
望まれる。
多分、この地は「添ケ津留」であろうと推測した。
登路沿いのススキを踏み分けて、展望ポイントに立ち入る。
肥前ケ城南壁基部から柱状節理の岸壁に、張り付いて駆け上がる錦繍の
紅葉と久住山南斜面を流れ下る紅葉絶景を仰ぎ見ることとなった。
このロケ― ションも素晴らしい・・・。
▼扇が鼻草台地からは、見えなかった部分が見え満足感を味合う。
そんな気分に浸っていると、私たちの傍に単独行の女性(五十路代)が来られ、
景観の素晴らしさを共感した。
女性は大分の方で山は体力保持のため周期的に登っているとの事・・・。
爽やかな大分弁を聞きながら下山路を共にし、馬酔木の群生地を抜けて登山口に下山。
[扇ケ鼻から下り、「添ケつる」付近の登路沿いから仰ぐ肥前ケ城と久住山:
最後の展望スポット]
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(2015.12.26日 加筆)