雨なので洗濯ができない。
おっ母さんの出ていった部屋もそのままになっている。
もう一度会いたい。
がんばってくれ。
独りになると、こみあげてきた。
どんなにボケが進んでも、息子の顔はわかってくれている。
ありがとう。
入院に必要だと指示されたものを持っていく。
本人には会えないが、生きてくれている。
ああ、入院申込書の裏には連帯保証人の記入が必要だった。
前もそうだったわ。
郵送でお願いしないと。
帰りがけに米を買う。
飯をしっかり食おう。
そうだ、肉を焼いて食おう。
鰹節を削って味噌汁も作る。
とにかくちゃんと飯を食うことが肝心だ。
午後2時ごろ、病院の救急内科の意思から電話がかかってきて、既往症などについて詳しく訊かれた。
肺結核と心臓の手術を経験しているが、中隔欠損は心房だったか心室だったか、正確なところが思い出せない。
一覧にしたメモがあるはずなのだが、あわてているので出てこない。
ちゃんと片付けておこうな。