通り裏のまっすぐな道。
細い道がたくさんがたくさん交差しているのだけど、長い長い一本道に見える。
どこに至るのかよく知っているのだが、ずっと遠くに続いているように見える。
日常生活も、こういう道なのかもしれない。
まるで永遠に続くように見えるのだけど、突然道は終わるのだろう。
いま毎日餌を食べに来ている子は、やっぱり新顔のようだ。
白黒なのか白三毛なのか、よくわからない。
一応シロクロと呼んでおこう。
近づくとちょっと逃げるけど、お腹が空いていると寄ってくる。
空の餌箱にまだですかと張り付いていることもある。
小さな体で牛乳をたくさん飲む。
好きなだけ飲んで大きくなりな。
▼幻泉館日録:友部正人「一本道」(1973年)