パリ協定では世界の平均気温上昇を、産業革命前に比べて+2℃より低く保ち、+1.5℃に抑える努力することを目標としました。
この目標を達成するためには、2050年までに世界全体で温室効果ガスの排出量と森林などに吸収される量を差し引いて実質ゼロにする必要があります。
日本も2020年に開催されたG20サミットで2050年までに脱炭素ゼロ、2030年には2014年と比べて温室効果ガスを46%削減することを表明し、国際公約となりました。
国際公約を背景に、住宅を管轄する国土交通省は断熱・省エネ性能を法的に規定し、省エネ基準に適合しないと建築できないよう法律を改正することの検討を始めました…。
住宅においては、さらなる高気密高断熱(超高気密高断熱と表現していいかどうか?)とエネルギーの自給自足が求められますが…。
2050年までに脱炭素(カーボンニュートラル)実現まで、あと28年!
これからつくる家はどのレベルでつくればいいのか?を探っていきたいと思います。
断熱性能は
次世代省エネ基準というものがありますが…平成11年の省エネ基準と同じでレベルが低く、高気密高断熱とはもう言えません。ですが、このレベルでもまだ義務化になっていないのです。
今取り上げられている他の基準があります。
学識者等の団体HEAT 20(20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会)でつくった、グレード1・2・3(G1、G2、G3)です。
将来の省エネ性能等UP級に検討されています。
※ 4地域(宮城県)UA値 省エネ基準:0.75 G1:0.46 G2:0.34
※ UA値:外皮による熱貫流率(数値が小さいほど性能がよい)
断熱性能を高めるほど熱が入りにくくなり、逃げにくくなるため、非暖房室でも室温の低下を防ぐことができる上、少ないエネルギーで家全体を冷暖房できるようになります。
この前までは、せめてG1レベル(UA値:0.46)でつくらないといけない…と言われ、慌てて高気密高断熱に舵を切ったところは、UA値:0.45レベル仕様となっていますが…床面積が同じでも外皮面積が多くなる(外観のギザギザ等で)と0・47になるかもしれません。
すこし、余裕を持っていた方がいいのですが…。
G2断熱性能にすると非暖房室で概ね13℃を下回りません。
G1だと概ね10℃、これが次世代省エネ基準だと8℃になってしまいます。
私が育った築65年の母屋は、冬季の朝の温度は5℃…あればよいぐらいで、今日は寒いな~という日は0℃…。
外気温と同じような室温なので次世代省エネ基準でもうらやましいのですが…。
なぜG2レベルにしなくてはいけないのか?…
つづく
イメージ画(虹の丘の家)
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