巨大な昆虫型エイリアン(=バグズ)がいる惑星に宇宙艦隊で殴り込み、機動歩兵がマシンガンでひたすらバグズをブチのめして行く。世界は封建的で、人々は特権階級の「市民」と、それ以外の「一般人」の2階層に分かれている。兵役をこなすと誰でも「市民」になれ、市民権を得られる。そして、主人公は惚れた女のために、両親の反対を押し切って軍隊入りする――。
「スターシップ・トゥルーパーズ」といえば、「ロボコップ」「トータル・リコール」「氷の微笑」で知られる監督・ポール・バーホーベンが、ガンダムとかの巨大ロボットモノの元ネタにもなったといわれるハインラインの「宇宙の戦士」を原案に制作した、スペクタクル宇宙戦争ラブロマン巨弾。
この素晴らしすぎる映画の公開は、1997年。当時は、フィル・ティペットが何か月もかけてレンダリングした、多種多量なバグズ軍団のCGが話題になった。しかし、それほど大ヒットはせず、世間ではすでに忘れ去られた映画という印象が強い。が、あえてここでXserveしておきたい。それは、この映画が大好きだからだ。
先に挙げたバーホーベンのどの映画と比べても、明らかに出色のデキ。面白い。面白すぎる。ところどころにあるB級テイストをバカにする人がいるが、それは違う。あれは、ワザとアイロニーを込めてああしてるんだ。
フィル・ティペットのバグズもスゴイ。リアルでグロテスクで、質感まで伝わってくる邪悪なその存在感。スターウォーズやジュラシックパークでアカデミー特殊効果賞を受賞しているだけのことはある。
宇宙船がカッコイイ。あの存在感、重量感、操縦感。特に、戦艦が真っ二つになって轟沈するシーンで、中身のいたるところで人が落ちたり火災が起きたりしているディテールは、ソニー・イメージワークスが150枚以上のレイヤーを使って何か月もかけて作りこんだというだけあって圧倒的。タイタニックなんざメじゃ9th(ナインス)。
俳優もヒロインがカワユイし、ビバヒルな人も出てるし。その他もろもろ、もう何もかもが本当に素晴らしいのれす。
この映画のDVDは2バージョン出ていて、通常版と特典付きのコレクターズエディションが出ているのだけれども、2千円近く多めに払ってコレクターズエディションを手に入れて本当に良かった。
まず、未公開シーン。これが、よくある“単なる尺詰めで切られた何気ないシーン”なんてなモンではなく、ストーリーの骨格にもなるヒロインの重要なシーンがここに入っており、なぜ本編で削除されたのか不思議でしょうがない。きっと、やはり尺の問題で削らざるを得なくなって、より戦争描写を濃くするためにこちらを削ったのだと思った。しかし、この謎はもうひとつの特典、バーホーベン監督と脚本のニューマイヤーによる音声解説(オーディオコメンタリー)で明らかになる。
そして、もうひとつの特典。音声解説。これがすごい。
まず、音声解説付きモードに切り替えたとたん、ブエナビスタとその親会社ディズニーから長ったらしいメッセージが表示される。「この解説の内容には、私たちは一切関係ないし、責任も取りません」みたいな意味なんだけど、こんな表示を入れつつもDVD化するって一体……?
内容はもう全編聞きどころなんだけど、特に印象に残った部分を。
・この映画は、アメリカを代表するメディアでも散々の評価だったらしい。タイムも、ワシントンポストも、ローリングストーンも、「ファシズム翼賛的な内容だ」と卑下し、「バーホーベンは特撮がやりたかっただけ」とコキ下ろしたそうだ。しかし、バーホーベンは「彼らもこの映画の真の意図に気づいていたはず」と言い放ち、「60年代の彼らは反政府主義だったのに」「すっかり怖気ずいた犬と化してやがる」「ヤツ等はみ~んな、バッド! バッド! バッド!」みたいな毒を吐く。
・バーホーベン監督は、子供のころにドイツ占領下のオランダで戦争を体験しているらしい。だから、劇中の数々の凄惨な描写も、彼にとっては経験してきた日常に過ぎないのだと。戦災者であるという点、反体制を貫いている点、だけど作るのはいつも娯楽映画という点……バーホーベンは、メリケンの深作欣治!?
・監督の戦争経験談に「ランカスター重爆撃機」という巨大戦闘機の名前が上がっていた。気になったのでググってみると、派生機のプラモを発見。もっとごつい、こう未来少年コナンのギガントみたいなのを連想してたのでちょい残念(そういえば、ソ連に実在した飛べないくらいデカい戦闘機って何だっけ?)。
あ~、面白かった。とても、もう7年も前の映画とは思えない。ブッシュ糞くらえ。
そして、今。プレゼントデイ。巷では、「スターシップ・トゥルーパーズ2」が公開中だったりする。
デイアフタートゥモローなんぞ、観てる場合ではないのダ!
・追記
m@stervisionさん。お願いだから、この映画のレビューを書いてくらさい。
「スターシップ・トゥルーパーズ」といえば、「ロボコップ」「トータル・リコール」「氷の微笑」で知られる監督・ポール・バーホーベンが、ガンダムとかの巨大ロボットモノの元ネタにもなったといわれるハインラインの「宇宙の戦士」を原案に制作した、スペクタクル宇宙戦争ラブロマン巨弾。
この素晴らしすぎる映画の公開は、1997年。当時は、フィル・ティペットが何か月もかけてレンダリングした、多種多量なバグズ軍団のCGが話題になった。しかし、それほど大ヒットはせず、世間ではすでに忘れ去られた映画という印象が強い。が、あえてここでXserveしておきたい。それは、この映画が大好きだからだ。
先に挙げたバーホーベンのどの映画と比べても、明らかに出色のデキ。面白い。面白すぎる。ところどころにあるB級テイストをバカにする人がいるが、それは違う。あれは、ワザとアイロニーを込めてああしてるんだ。
フィル・ティペットのバグズもスゴイ。リアルでグロテスクで、質感まで伝わってくる邪悪なその存在感。スターウォーズやジュラシックパークでアカデミー特殊効果賞を受賞しているだけのことはある。
宇宙船がカッコイイ。あの存在感、重量感、操縦感。特に、戦艦が真っ二つになって轟沈するシーンで、中身のいたるところで人が落ちたり火災が起きたりしているディテールは、ソニー・イメージワークスが150枚以上のレイヤーを使って何か月もかけて作りこんだというだけあって圧倒的。タイタニックなんざメじゃ9th(ナインス)。
俳優もヒロインがカワユイし、ビバヒルな人も出てるし。その他もろもろ、もう何もかもが本当に素晴らしいのれす。
この映画のDVDは2バージョン出ていて、通常版と特典付きのコレクターズエディションが出ているのだけれども、2千円近く多めに払ってコレクターズエディションを手に入れて本当に良かった。
まず、未公開シーン。これが、よくある“単なる尺詰めで切られた何気ないシーン”なんてなモンではなく、ストーリーの骨格にもなるヒロインの重要なシーンがここに入っており、なぜ本編で削除されたのか不思議でしょうがない。きっと、やはり尺の問題で削らざるを得なくなって、より戦争描写を濃くするためにこちらを削ったのだと思った。しかし、この謎はもうひとつの特典、バーホーベン監督と脚本のニューマイヤーによる音声解説(オーディオコメンタリー)で明らかになる。
そして、もうひとつの特典。音声解説。これがすごい。
まず、音声解説付きモードに切り替えたとたん、ブエナビスタとその親会社ディズニーから長ったらしいメッセージが表示される。「この解説の内容には、私たちは一切関係ないし、責任も取りません」みたいな意味なんだけど、こんな表示を入れつつもDVD化するって一体……?
内容はもう全編聞きどころなんだけど、特に印象に残った部分を。
・この映画は、アメリカを代表するメディアでも散々の評価だったらしい。タイムも、ワシントンポストも、ローリングストーンも、「ファシズム翼賛的な内容だ」と卑下し、「バーホーベンは特撮がやりたかっただけ」とコキ下ろしたそうだ。しかし、バーホーベンは「彼らもこの映画の真の意図に気づいていたはず」と言い放ち、「60年代の彼らは反政府主義だったのに」「すっかり怖気ずいた犬と化してやがる」「ヤツ等はみ~んな、バッド! バッド! バッド!」みたいな毒を吐く。
・バーホーベン監督は、子供のころにドイツ占領下のオランダで戦争を体験しているらしい。だから、劇中の数々の凄惨な描写も、彼にとっては経験してきた日常に過ぎないのだと。戦災者であるという点、反体制を貫いている点、だけど作るのはいつも娯楽映画という点……バーホーベンは、メリケンの深作欣治!?
・監督の戦争経験談に「ランカスター重爆撃機」という巨大戦闘機の名前が上がっていた。気になったのでググってみると、派生機のプラモを発見。もっとごつい、こう未来少年コナンのギガントみたいなのを連想してたのでちょい残念(そういえば、ソ連に実在した飛べないくらいデカい戦闘機って何だっけ?)。
あ~、面白かった。とても、もう7年も前の映画とは思えない。ブッシュ糞くらえ。
そして、今。プレゼントデイ。巷では、「スターシップ・トゥルーパーズ2」が公開中だったりする。
デイアフタートゥモローなんぞ、観てる場合ではないのダ!
・追記
m@stervisionさん。お願いだから、この映画のレビューを書いてくらさい。