20代後半の話である。職場の仲間を見舞いに行った。
お茶を頂きながらふと、茶碗が目に入った。
「使っていただきありがとう」
と言葉が出そうになった。まさにその一瞬、その人の一言は残酷だった。
「あ~それ、趣味悪いでしょう」
「いただきものなの」
見破られなかったと思うが、ガタガタと音を出して崩れていく自分がいた。
その茶碗は、私が赴任の挨拶、手土産にした物で、
気の利いた物を用意したと、自分では自負していた…。ショックだった。
その人が茶碗を誰に貰ったのか、後から、思い出さないで欲しいと心から願った。
贈り物は、贈る側も嬉しいのだが、贈られた者がより嬉しいものがいい。
これが、言葉にすると簡単なのだが、なかなか難しいものなのだ。
贈る側も贈られた人も、ともに喜ぶものが「おくりもの」なのだと思う。
本日、遠方より「おくりもの」届く。
ありがとう。心から嬉しいよ。いただきました。
以前女友達に中身を飲んで瓶を返してと言われたことがありました。孫の名前を入れた瓶を彼女の親が作ったのです。彼女も彼女の旦那様もお酒を飲まない人なので私にまわってきたのです。早々飲んで瓶を返しましたよ。ただ酒をいただいちゃいましたぁ~ そんな彼女とは今でも仲良しで~す♪