ゴヨウツツジの会

愛子さまを敬愛しつつ皇室について学ぶ市民の集い

【特別企画】新天皇ご即位一般参賀:初めて参加した3名から届いた臨場感あふれるレポート!

2019-05-08 17:57:08 | 特別企画
【即位一般参賀レポート】令和元年5月4日に行われた新天皇ご即位一般参賀に行かれた3人の方からレポートが届きました!
皆さん初めての参加で、それぞれ臨場感あふれるレポートとなっています。

<もくじ>
 即位一般参賀レポート(Ⅰ)…地方から一般参賀に行ってきました!
 即位一般参賀レポート(Ⅱ)…第1回の入場に間に合いました!
 即位一般参賀レポート(Ⅲ)…初参加で得た教訓、とくに中高年の方へ!

■ご即位一般参賀レポート(Ⅰ)地方から一般参賀に行ってきました!

◆参賀について

 地方から朝イチの電車を乗り継いで、一般参賀に行って参りました。東京駅に到着したのは10時前。丸の内出口すぐにあるお手洗いは長蛇の列でした。

◆皇居前広場

 予約していたホテルに荷物を預けて身軽になってから、徒歩で皇居前広場に並んだのは10時半頃。東京駅側は16~17のブロックに分かれて整列。一つのブロックには横7~8人、縦の長さはかなりありました。左右方向からも列が作られていたようですね。ベビーカーや車椅子の方は別のルートを案内。
 長蛇の列でも人との間隔は前後左右にゆとりがあり、目的や気持ちが共通のためか見知らぬ方々で会話し、和やかな雰囲気。年代も小さい子を持つ親子連れからかなりお年をめした方、大学生、サラリーマンなど様々。実際にここで並んだのは一時間弱でした。

◆手荷物検査の後、正門から二重橋→宮殿まで

 番号の列毎に手荷物検査がある白いテントへ誘導。手荷物がない方はテントの左側から真っ直ぐ進むように案内がありました。ペットボトルなどの飲み物は警官の目の前で飲んで見せます。
 ここから宮殿までは列が一本になります。ジワジワと少しずつ列が進みますし、初めて見る皇居の木々や風景が珍しくてストレスはゼロに。テンションもますます上がってきます。

◆宮殿内--皇宮警官の迅速な対応、光り輝く雅子さま、素晴らしい陛下のお声

 宮殿に入ったのは12時半頃。皇族方がお出ましになるガラスの左右には、ライブ会場でよく見るスクリーンがありました。お出ましになるまでの30分間は前後左右は人がミッチリと詰まり、風が通り抜けにくいせいか暑く、あちらこちらで人が倒れました。皇宮警官の対応は非常に迅速で、倒れた人の近くで帽子を振られると、タンカーが到着。速やかに運ばれていきました。

 雅楽はたまに流れる程度でしたので、音源は録音かしら。13時定刻ピッタリに皇族の方々がお見えになり、空気が一転して皆さん大歓声に湧き上がります。雅子様は穏やかな笑みをたたえて全身が光り輝いていらして、女神様か菩薩のよう。思わず手を合わせて拝んだのは私だけではないはず。天皇陛下のお言葉はお声が耳にとても心地良く、まさに天からのお言葉に感じました。雅楽の音響は今ひとつでしたので、陛下のお声の質と高さが素晴らしいのかと思います。

 仕込みの右翼は全く見当たりませんが、どこからともなく天皇陛下万歳!の声が湧き上がり、私も思い切り大きな声を出せました。左右のスクリーンには皇族の方のアップがスライド写真の如く切り替わりが早かったです。画像が見づらく、見ている方は多くはなかったようで、アイドルスマイルのかこさんがアップになっても特に会場は盛り上がりません(笑)。

 皇族の方々が退出された後、一応全員が外に出るように案内はありますが、残って次の回を真ん中前方で見るのも自由でした。一時間弱待てば次回をかなり前方で見られるので、待つ方も多かったです。帰りは東京駅に近い坂下門から出ましたが、列の進み方が遅く一時間近く要しました。ちょっと失敗。

◆何故?不思議なこと

 体力がまだありましたので、再び皇居前広場で並びなおすつもりでしたが、既に終了したとのアナウンス。まだ14時前で終了予定の14時30分になっていません。二重橋前の行列もそんなに長くありませんでした。東京駅方向から皇居に向かう方もかなり多かったです。上皇夫妻が参賀者の人数を低くしたかったのでしょうか…非常に残念でした。また、何故か13時の回は日の丸の手旗を貰えませんでした。

<持っていって良かったもの>
 当方、長時間のスタンディングライブには慣れております(笑)。
 ・ポカリなどの経口補水液:脱水とトイレ対策にはカフェインの強いお茶や珈琲はNG。
 ・帽子:日差しが強かったので、帽子がない場合タオルや上着を被った方も多し。
 ・あめ玉:糖分は疲れが取れます。ガムはNG
 ・ゼリー状の栄養剤:長時間立ちっぱなしなので、栄養補給に役立ちます。
 ・小さめのショルダーバッグ:両手を上げて万歳しやすい(笑)
 ・マスク:途中に砂利道があるため、埃対策に
 ・履き慣れた運動靴:砂利道にも足が疲れにくい

<逆に迷惑だったもの>
 日傘:宮殿内で皇族方をお待ちする間、前方でさしたままの方が多かったです。後方から怒号が飛び交い、一瞬雰囲気が悪くなりました。
 リュック:何度となくぶつかりました。

◆感想

 初めての皇居でした。かねてより浩宮様が天皇に即位されたら必ず行く!と決めていたので、夢が叶い感無量。全体的に初参賀の方が多かったようです。テレビで言われてるほど、意外と疲れませんでしたよ。実は少し体調不良でしたが、逆に両陛下から元気といいますか、エネルギーを頂戴しました。今度は寒さ対策を万全にして、再び一般参賀に参りたいと思います。(文:匿名のゴヨウツツジ会員)

★訂正です★
 10時半頃から皇居前広場で列に並んでいた時間は、1時間弱ではなく2時間弱でした。体感時間がそんなに長く感じなかったため、勘違いしていました。訂正の上、お詫び致します。
 皇居前広場に並び始めてから、坂下門を出たのはトータルで3時間半です。
 皇居前広場の待機列で:2時間弱
 皇居前広場から手荷物検査→宮殿内までゆっくり移動:約20分
 宮殿内で皇族の方々をお待ちした時間:30分
 少し宮殿内を撮影した後→坂下門を出るまで:1時間弱
 ちょっと計算が合いませんが、だいたいそんな感じでした。

■ご即位一般参賀レポート(Ⅱ)第1回の入場に間に合いました!

 ゴヨウツツジの会執行部の末端の者です。私自身、初めての一般参賀ということもあり早めに家を出て7時20分頃に皇居に到着しました。道の途中には街宣車が何台か。音楽は流さず静かに待機していましたが。しかし! すでにその時点で人、人、人の波が…。

◆列の中で1時間くらい待機

 宮内庁の方からも「正門到着までに2時間以上はかかるでよ」とクギを刺されていたので、「まぁ9時半の開門を考えると妥当かな…。だけど、もしかしたら第一回目の参賀は難しいかもしれないな~。一番多くの皇族がお出ましになる第一回目が良かったんだけどな~」と色々考えながら列の中で1時間くらい待つ。

 一般参賀のベテランらしき人々は簡易イスを持参していたりレジャーシートを敷いて座っていたり。本を読んでいる人も私の周囲には多くいました。午前中ということもあって最初は割と涼しかったのですが、新帝パワーなのか参賀に訪れた人々の熱気のせいか徐々に陽が差し始め気温も上がってきているのが分かりました。

 この待機中に、一般参賀ではよく知られているあの日の丸の小旗を配られました。配っている人が「まだ旗を“いただいて”ない方は~」と呼び掛けていましたが「いただく」って謙譲語でしょ、それを言うなら「受け取られていない方」が正しいだろと心の中で呟く。初めて手にした小旗は紙製でちょっと丸めただけでシワになりそうで扱いには慎重になりました。

 途中からDJポリスが車上から色々呼びかけてきました。あと列の横を「奉祝新帝即位」(?)と書かれた白いのぼりが歩いているのも見えました。

◆列が動いて皇居前広場の中へ

 ようやく列が動き始め皇居前広場の中へ。更に日差しが強くなり日傘を差す人、頭に布をかぶる人も多かったです(私は特に何もしなかったですが帽子を持って来ればよかったかもと少し後悔)。ここで待つこと40分くらい、その後また列が動き始め、次は手荷物検査へ。「あらかじめバッグを前に出してファスナーは開けておく」「飲み物はフタを外して一口飲んでみせる」という呼びかけを守り無事通過。金属探知機もOK(一般参賀に行く場合は小さいショルダーバッグかウエストポーチを使うといいと思います)。

 その後また列に並び直すと二重橋が視界に入ってきました。いつも一般参賀の列の先頭にいる「天皇陛下萬歳」と書かれた赤と紫(青?)ののぼりも見えました。開門前は二重橋の上にポリスメンがずらり。その奥の橋は時々車が通り過ぎていました(マスコミの車?)。

 9時半開門の予定が早まり、9時10分頃に先頭にいるのぼりと列の人々が二重橋を渡り始めるのが見えた時は、「おおー歩いてるー進んでるー」と妙な感激がありました。「二重橋」と言う名前の通り、手前の橋を渡って正門をくぐり坂道を歩いた後、更にその奥のもう一つの橋を渡った所に長和殿があるのだということが感覚で分かりました。二重橋の上を大勢の人々が歩いていく光景は圧巻でした。

◆二重橋を渡り正門をくぐって長和殿の前へ

 そして私自身も9時半過ぎくらいに初めて二重橋を渡り正門をくぐりました。「おおー今橋を渡ってるーまだ橋の向こうに大勢の人が待機してるな~」と思いつつ、人の歩みの流れを止めることはできないので写真撮影は断念しました。もう一つの橋も渡り終え、門をくぐると見覚えのある建物の屋根が!それが長和殿でした。

 設置された電光掲示板を見ると、9時50分頃!ということは、10時開始の第一回目のお出ましに間にあった!ということは、常陸宮ご夫妻や三笠宮系統の皇族方も拝見できる!やった!と嬉しくなりました。

 可能な限り前の方に行きたかったのですが、それ以上行けなくて断念。長和殿ベランダがよく見えるとは言えない場所で10分ほど待つと、ワーッと歓声が! 天皇陛下万歳!という声もあちこちから! その声で両陛下がお出ましになったことが分かりました! その歓声に合わせて私もあの日の丸小旗を懸命に振りました!

 立ち位置があまり良いとは言えない場所だったので、両陛下も皇族方も豆粒くらいの大きさでしか見えず、また写真や動画を撮ろうとしているスマホたちが邪魔でその隙間から一目拝見するだけでも苦労しました。両陛下を写真におさめたい気持ちは分からなくはないですが、あの場所ではスマホ撮影禁止にしてほしいと思ったくらい、上にかざされたスマホたちが恨めしくなりました(結局私自身は撮影を諦めました)。身長が高めの私ですらこんなに苦労しているなら、お子さんや身長が低い人々は更に見えづらくて辛いだろうな…と思いました。

◆両陛下、皇族方のお姿に大感激、百合子様の立ち姿に涙

 幸い、大型モニターが設置されていたので、両陛下や皇族方をそちらで拝見することができました。ふっと画面に目をやると常陸宮ご夫妻が!そして久子様、承子様、百合子様、信子様、彬子様! そして我らが両陛下!! 雅子皇后陛下のドレスは明るいイエロー(この後ニュースで「鶸色」というおめでたい和色ということを知りました)で、この鮮やかなお色のお陰で遠目からも(本当に一瞬でしたが)皇后陛下だと認識することができました! 車椅子に乗られていることが多かった百合子様がお立ちになっていたことも泣けました。

 そして天皇陛下のおことばが始まりました。最初の方は歓声の余韻もあって少し聞き取りにくかったですが、半ばから後半のおことばはしっかり拝聴することができました。テレビを通じてのお声はこれまで何度かお聴きしておりますが、生のお声は初めて拝聴するのでやはり感激でしたね…。

 おことばが終わった瞬間、またワーッと歓声が上がりました!両陛下のお姿がよく見えない中、私はまた懸命に小旗を振りました。後ろから「天皇陛下ばんざーい!」という若い男性の声も聞こえました。もう少しおことばは長くてもよかったのではないかと個人的には感じたのですが、天皇陛下のご配慮があったのだと思います。

◆参賀を終えた帰り道

 名残惜しさと余韻を残しつつ、帰途につきました。ここでもDJポリスが活躍していました(笑)。DJポリスが乗っている警察車両の隣にはカメラを構えたマスコミがズラーッと並んでいるのも分かりました。とりあえず一番近い坂下門を目指して坂道を下る。その横を「御即位奉祝」「奉祝新帝御即位」などと書かれた白いのぼりや旭日旗たちも一緒に歩いていくのが見えました。

 門から出ると、途中で何か所かあの日の丸小旗を回収する箱が設置されていました(シワになった旗を再利用するんかい!と思いましたが、おそらく参賀人数があまりにも多くて小旗の数が足りなかったのでしょう)。しかし私は記念にしたいと思い小旗を持ち帰らせていただきました。旗を振りたかったのに手にできなかった方々、申し訳ありませんでした。

 参賀が終わった人の中にはマスコミのインタビューを受けている人もチラホラ。さらに歩くと、これから参賀に行く人々が大勢待機しているのが見えました。丸の内方向に歩いていくと、広場におみやげが買えるテントが! 令和まんじゅう、令和もなか、令和酒…など色々。ここでも並んで商品を買っている人が多く見られました(私自身は今回は購入を見送りました)。丸の内某所にたどり着いたのがちょうど11時くらいでした。参賀に行かれた皆様、お疲れ様でした。

◆感想と感謝

 大勢の人出はある程度予想できたので、写真撮影はかなり難しいだろうと思っていましたが、その通り本当に何も撮影できず、文だけの味気ないレポートになってしまい申し訳ありません。読み返したらのぼりと旗のことばかり書いてるし…。

 両陛下や皇族方のお姿をしっかり拝見するのであれば、テレビや動画を見る方が良いと思います。しかし新しい天皇皇后両陛下を一目拝見し、そして即位・立后を一緒にお祝いしたいというあの熱狂と一体感は、実際に一般参賀に行って初めて体験できるものだということがよく分かりました。

 帰宅後はドッと疲れが出て寝てしまいましたが、これまで十数年間、両陛下を陰ながら応援していた者として、即位・立后のお祝いに立ち会うことが叶い、本当に良い思い出となりました。6回のお出ましを無事に終えられた両陛下も本当にお疲れ様でした。ありがとうございました!!(文:ゴヨウツツジの会事務局メンバー)


■ご即位一般参賀レポート(Ⅲ)初参加で得た教訓、とくに中高年の方へ!

 5月4日、家を出たのは6時半ですが、出がけに見たTVニュースは皇居前広場がすでに人でいっぱいになっている様子を報じており、こりゃヤバイと思いました。東京駅に降り立ったのは朝8時。丸の内中央改札で家人と合流し、皇居へ向かう人の群れに加わりました。しかし、すぐに前がつかえて歩けない状態に。以後、進んだり止まったり断続的にのろのろと進みます。

◆日の丸の旗と手荷物検査、報道陣

 進行右側から「ご即位おめでとうございます!」と叫びつつ私たち参賀者に日の丸を配る人たちがいて、「私たちがご即位するみたいな言い方だよね」「変だよねえ」などと笑いながらシッカリ手を伸ばして旗を受け取りました。「これが噂のニッポンカイギの人たちが配布する旗かあ」としみじみ。簡素な旗ですが、これを何万本も用意して配るとは、とてつもない組織力です。世論調査では常に10パーセント台とはいえ男系男子派のパワーは侮れない。

 少しずつ進み、手荷物検査を受けて皇居前広場にたどり着いたのは9時ぐらい。前後左右ものすごい数の人が並んでいて、この列がどういう順番で誘導されるのか、自分がどの辺りにいるのか見当もつきません。周囲には報道の腕章をつけた人が行き交い、空にはヘリコプターが4台も飛んでいました。

 列は動く様子もなく立ったままです。開門の9時半までは動かないだろうと思っていましたが、10時5分前になっても周囲の列はびくとも動かず。進行については何のアナウンスもないまま、第1回めのお出ましには間に合わないことがわかりました。

◆力尽きてしゃがみこみ、見えた世界

 10時過ぎにスマホの動画で、新天皇皇后のお姿を拝見。雅子さまのイエローのドレス、天皇陛下のブルー(画面ではそう見えた)のネクタイが鮮やかに目に飛び込んできました。「このように皆さんからお祝いいただくことをうれしく思い、深く感謝いたします」というお言葉に、「いえいえ、勝手にやっていることですのでお気遣いなく」などとお道化て言ってみる余裕がそのときはまだありました。

 しかし、時間の経過とともに同じ場所に立ち続けるのが苦しくなってきて、恥ずかしながらしゃがみこむ決心をしました。少ししゃがんで休み、また立ち上がるということを繰り返すうちにいよいよ辛くなり、リュックから本を出して地面に置き腰をおろしました。本は数時間待ちを覚悟し、その間に読むつもりで持参したのですが。トホホ、座布団代わりになるとは。長時間立ったまま本を読むなどという体力は自分にないことを思い知りました。

 しゃがんだ視線で周囲を見ると、なるほどと思う光景が見えてきました。しっかり立っている多数の若い人の足の向こうに、私と同じようにしゃがみ込んで辛そうにしている姿がチラホラ。私と同世代とみえる方々です。他には、小さな子どもたちも。××感染が流行し高齢者と幼い子どもが亡くなるなどというニュースを聞くことがありますが、なるほど体力差はこういう場面でもはっきり出るのだなあ、自分はもうそういう世代なのだなあと納得してしまいました。

 しかし、同世代でも百戦錬磨の婆様たちも。彼女たちは持参した簡易椅子に腰かけて余裕しゃくしゃく、お喋りに花を咲かせています。おそらく一般参賀に何度も来ていて、並び慣れているのでしょう。私も次回からはああいう椅子か、せめてシートを持参しようと思ったしだいです。

 経験も体力もない自分を憐れんでいると、列の前方から、背筋のしゃんと伸びた品のいい高齢のご夫婦が支えあうようにして歩いてこられました。お具合いが悪いようで、並び続けることを諦めて帰っていかれたのです。「今まで並んでいたのにお気の毒すぎる」「残念だねえ」と小声で話し、悲しい気持ちになりました。とてもひとごととは思えませず。

◆二重橋を渡り、長和殿前で「雅子さまー!」と叫ぶ

 靴を脱いで痛む足をさすり、”体育館座り”の格好で雑談していると、なんの前触れもなく列が動き出しました。大慌てで立ち上がり、靴をつっかけて前に進むことに。ストラップの靴でしたが、それを止める余裕は全くなく、しばらく危険な状態で歩き続けざるをえませんでした。靴はすぐ脱いだり履いたりできるスリッポンがいいと学びました。

 列はどんどん進み、二重橋を渡り、皇居・正門を通って、ついに報道で見慣れた長和殿の前に! しかしものすごい人で、どこに身を運べばいいか見当もつきません。前方にやたら背の高い外国人グループが陣取っていて、その前に行かねばと思い、徐々に前方に進み、ついに横まで到達。しかし、左のモニターがやっと見えるだけ、肝心のお姿はチラとも見えない位置で、何の意味もありませんでした。

 帰宅後に読んだツイートに、こういうものがありました。「まだ並んでるひとに。右のモニター付近まで行っちゃってください。手前側で半端に前を狙っても旗やスマホで二メートルくらい身長ないと意味ないです。目指せ右。目指せ奥。穴場です」。まさにその通りで、次回からはこのアドバイスに従いたいと思います。

 しかし、モニターがわずかに見えるぐらいの場所でも、いまこの同じ空間に両陛下がいらっしゃると思う感動はひとしおでした。お言葉が終わると、周囲の人々と同じく夢中で日の丸を振り、思い切り「雅子さまー!」と叫びました。何を隠そう、思い切り「雅子さまー!」と叫び手を振るというのは私の長年の夢でしたので、大・大満足でした。

◆30年後の「ご即位一般参賀」を夢見て

 両陛下と皇族方が立ち去られた後、とうぜん皆も出口へ向かうと思いきや、残る人多数。半分近くは残留したようにみえました。もう1時間待てばお姿が見られる場所に行けるというわけです。ものすごい数の人たちが長蛇の列を幾重にも巻いて待っていることを思い、「あとの人が入れないじゃないね」「あんまりだよね。総入れ替えにすればいいのに」などと憤慨しつつ退出したのですが。遠方からはるばる訪れた人たちだとしたら、やはりもう1時間待ってお姿を拝見してから帰りたいと思うのは無理もないかもしれません。

 東京駅に近い桔梗門を目指して歩いているとき、前を行く老夫婦の姿に目を引かれました。80代後半とお見受けしたのですが、背筋がしゃんと伸び、足取りも軽く、疲れた様子もなく歩いておられるのです。日ごろから鍛えていれば、どんなに高齢になっても、参賀をまっとうできるんだなあと感動してしまいました。「(新天皇陛下は)あと30年はがんばってくださるだろう」「その頃は(自分たちは)いないねえ」と話す声も聞こえてきました。強欲な私は、「30年後をめざして体を鍛えよう」「そうすれば愛子さまご即位時に参賀に来られるかもしれない」「人生百年の時代なのだし…」と、無謀な夢が猛然と沸き上がってきたことを告白します。

◆鈴本演芸場で遭遇した“思わぬ幸運”

 その後、東京駅から上野の鈴本演芸場へ向かい、そこで思わぬ幸運に遭遇しました。この日は林家二楽の「紙切り」が演目に出ていて、いつものように会場からのリクエストを呼びかけてくれたのです。「両陛下の一般参賀のお手ふり画像が欲しいなあ…でも何といえばいいのか…」と私がモジモジしている間に、家人が勢いよく手を挙げ、「天皇陛下と雅子さま!」と叫んだのです。よく通る声だったせいか二楽師匠がこちらに顔を向けて「本当に欲しいですか?」と尋ねてくれ、会場大拍手。

 BGMの三味線が「君が代」を小粋に演奏する中、師匠は面白い話で客を笑わせつつ紙を切り、数分もかからず仕上げて披露してくれました。それが、これです(↓)。


▲林家二楽師匠が切った「天皇陛下と雅子さま」とオマケの令和おじさん

 「正装の天皇陛下と雅子さま…皇后さまですね」「特別にオマケで菅官房長官も入れときました」という言葉に会場大爆笑。中央に堂々として雅びなご様子の両陛下、左下にマンガチックな令和おじさん、そして左上には力強く昇る太陽も描かれています。飄々とした馬鹿話で客を笑わせながらこれだけの作品を数分で切ってみせるのですから、ほんとうに凄い、カミワザです。

 両陛下のリアルなお姿は拝見できませんでしたが、その残念さは天から降ってきたようなこの作品をいただいて、すっかり霧消しました。今後、我が家の家宝となるのはもちろんです。皆さんにもぜひ見て頂きたくて、画像をお送りさせて頂きました。

◆追伸:中高年の同志の方へ(一般参賀初参加で得た教訓)

 他のレポーターの方も書いておられますが、持ち運べる軽量の椅子か地面に敷いて腰を下ろせるシートをぜひ。足元は歩きやすい運動靴かスリッポンを。トイレは行かずに済むように知恵を働かせて。利尿作用のあるお茶やコーヒーではなく、吸って飲むタイプのゼリーや経口補水液がお勧め。荷物は一つにまとめて。リュックは両手が開いて便利ですが、混雑時には後ろに背負わず前に抱えましょう。何より大事なことは、日ごろから体を鍛えることでしょうか。(文:匿名のゴヨウツツジ会員その2)

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