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「なぜサルを殺すのか」―動物実験とアニマルライト 237.239

2014-05-09 20:58:57 | 読むとためになるもの

なぜサルを殺すのか―動物実験とアニマルライト


ニューヨーク大学時代、カウフマンはそうした考え方に傾倒するようになっていった。
眼科の実習をしながら、時間があると、眼科学の雑誌に掲載されている実験から無作為に選んだ10の実験動物を分析するという独自の課題に取り組んだ。

彼は客観的に分析を行うための計画を立てた。
ひとつの実験結果が他の研究者によって引用されている例があるか、人間を診る臨床研究者が自身の研究において、動物研究を取り上げているか、それを調べるのだ。

カウフマンは大学図書館を利用してさらに広範囲の文献を調査する許可を大学側に求めた。
大学は彼の要求を学内の動物管理利用委員会に諮った。
「動物は一匹も使う予定がなかったのに、おかしな話です」カウフマンは言う。
委員会はカウフマンの要求をきっぱりと否決した。

そこで彼は、マンハッタン地区の図書館をまわって自分の課題をやり遂げることにした。
そして分析結果から、動物をモデルとした実験はさまざまな動物研究者に引用されているものの、直接人間とかかわる科学者が動物実験を意義あるものとして取り上げているケースはほとんどないことがわかった。

そのうえ、彼としてはさらに疑念を強めざるをえなくなるような実験もあった。

たとえば、ラットは結腸に化学的にガンを誘発させることが可能なため、ラットを使った腫瘍の研究が盛んに行われていた。
だが、人間の結腸ガンの最大の問題は転移すること―身体の他の部分に飛び火することなのだ。
ラットに発生するガンは転移しない。
局所的に留まる腫瘍だ。
カウフマンの考えでは、このようなラットと人間の比較は説得力がない。

彼はあらゆるデータを集めて動物研究を疑問視する論評にまとめ、発表しようとした。

動物問題に関して連邦政府に助言を行う機関、実験動物資源研究所(ILAR)は、活発な意見交換が行われるのを期待してカウフマンの研究を機関誌に載せようと考えた。
だが、結局掲載は見送られた。
事前に原稿を見た査読者が、この論文は論旨がはっきりしないうえに科学的でないと主張したからだ。
1989年のことである。
最終的にその論文は、カウフマン自身の医学研究現代化委員会から出版された。
彼は今でも、ILARは動物研究に関する表だった批判を受け入れられなかっただけだと考えている。

デボラ・ブラム著
寺西のぶ子訳
白掲社

「なぜサルを殺すのか」―動物実験とアニマルライト

P237




…カウフマンは、自分の同業者がせめて動物の研究に関連する問題で公正に発言する機会を設けてくれたらと思っていた。

1991年、彼は国内のすべての医学部宛てに手紙を書き、動物研究の問題で医師と学生が話し合う公開討論会の開催の手伝いをしたいと申し出た。

だが、ためしにやってみようという大学さえひとつもなかった。

ネバダ大学の医学部長からの返事には、「われわれとしては、医学の研究および教育には今後も継続的に動物を利用することがきわめて重要だと考えています。したがって、これは討論を必要とする問題ではありません」と書かれていた。

討論の必要はない、議論の必要はない。
問題を表に出すことさえ難しい。

カリフォルニア大学デイヴィス校のネディム・ブユクミチ博士は(皆からネド博士と呼ばれている)、動物保護に尽力する著名な研究者だ。

1991年、博士は眼科学雑誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・オフサルモロジー」に動物研究を批判する記事を投稿した。
だがその記事は次のような所見をつけてつき返された。

「動物の研究に意義を唱える記事を編集審査員が好意的に受け取るかどうか疑問です」

デボラ・ブラム著
寺西のぶ子訳
白掲社

「なぜサルを殺すのか」―動物実験とアニマルライト

P239



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動物実験反対デモ行進 大阪 2013年3月3日(日)






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