アメリカでの豚インフルエンザ予防接種禍についてはお聞きになったことがあるだろうか。
大流行すると宣伝されたにもかかわらず、流行らず、かえって予防注射による死者までが出てしまい、フォード大統領にとっては思わぬ失点になってしまった事件である。
何千人という犠牲者やその家族がアメリカ政府を相手どって訴訟をおこし、多額の補償金を勝ち取っている。
この種の予防接種禍は、医学界がその権力をほしいままにしているような国では珍しくもない。
毎年秋になると、ヨーロッパ中の薬屋にはこんな広告が出るではないか。
「インフルエンザの大流行間近か!予防注射を受けましょう!」。
そして、宣伝に乗せられやすい人々は列をなして予防接種を受けるのである。
今では医学体制派でさえも、インフルエンザの予防注射は大きな危険が伴う割には、予防の効果がないという点を認めているのに、この有様なのである。
一九八一年十月一日、フランスで開かれていた予防接種禍裁判において、パスツール研究所前所長メルシエ教授に、なぜ研究所がその無用性が広く認識されているインフルエンザワクチンの製造販売をいまだに続けているのか、という質問が向けられた。
その時の教授の正直すぎるほどに正直な答である。「研究費の助けになるからです」。
●BCG禍
製薬業界の番犬とも言うべきマスコミが、ポリオワクチン禍の全貌を明らかにするまでには、まだ二〇~三〇年は待たねばならないだろう。
しかしポリオ同様に一般的なワクチンである結核ワクチンBCGの実態は、現在明らかにされつつある。
BCGの問題がもはや無視できる段階ではなくなってしまったためである。
一九五〇年、BCGの無用性危険性を主張する医師グループの激しい反対を押し切って、フランス政府はすべての学童にBCGの接種を義務づけた。
これはパスツール研究所にとっての、莫大なたなぼた式利益を意味した。
当時、国民にBCGを押しつけようと画策していたフランス政府のあの手この手を、医療関係者たちが記録に残している。
その中でも目を引くのがマルセル・フェルー博士の『BCGの失敗』だろう。
フェルー博士は一九八一年現在八八歳。
ポワティエ出身の小児科医で、国立医学アカデミーの会員である。
七七年『BCGの失敗』を自費出版した。
この中で彼は、BCG義務化の初期の頃は彼自身も関係者たちの宣伝にのせられ、自分の子供たちにもBCGを受けさせたこと、しかし下の方の子供の時には接種を拒否し、孫たちの頃には接種を妨害さえした、との体験を綴っている。
これは彼自身、そして同僚たちの経験を総合して出した結論だったという。
さらにこの本には、ポワティエ医学校学長選挙立候補とりやめの経緯も出てくる。
同僚に強く推されての立候補で、当選は確実と見られていたが、立候補を取り下げない場合は拒否権を発動するとの保健相からの圧力がかかったという。
理由はフェルー博士のBCGに対する姿勢にあったのは言うまでもない。
イギリスの製薬・医学シンジケートの御用雑誌『ニューサイエンティスト』が、七九年十一月十五日、「インドの裁判で結核ワクチン敗訴」という長文の記事を多少当惑げに掲載した。
インド政府が要請したある調査の結果を、それまで隠していたが、公表せざるを得なくなったのである。
記者はニューデリー、K・S・ジャヤラマンとなっている。
インド南部で開かれた結核ワクチンBCG評価の裁判で、驚くべき事実が明るみに出された。
ワクチンは「バチルス性結核には予防効果がない」というものである。
この徹底的かつ仔細な調査は、WHOおよび米国の協力を得て、インド医学研究協議会(ICMR)が一九六八年から行なっていたものである。
この発見によって引きおこされた現場の困惑は、次の文からも伝わってくるではないか。
このBCG裁判は昨年終了していたのであるが、その余りにも驚くべき結論のために、インド政府は、インド、WHO双方の専門家が、ニューデリーとジュネーブで数度の会合を重ね、その結論のもつ意味を十分に分析し終わるまで、発表を遅らせていたものである。
次の文面はさらに興味深い。
BCG接種を受けたグループでの結核発病率はわずかながら、対照グループ(BCG接種をしないグループ――訳注)のそれよりも高い。
ただし統計的に有意な数字とは言えない。
これにより、BCGの予防効果は「ゼロ」と結論された。
「統計的に有意でない」と言いわけがましく付け加えてみても、BCG未接種の人々よりも接種した人々の方が、結核罹患率が高いという事実を糊塗することはできないだろう。
実は、この結核発生率のパターンは、一般的伝染病発生率パターンを踏襲しているにすぎない(ただし医学界体制派はこれを見て見ぬふりを決め込んでいるが)。
すなわち、ある伝染病の集団予防接種が開始されると必ずその発生率は急上昇する、その後下降に転じて徐々に接種以前のレベルに落ち着くというものである。
そのため、発生率をグラフにする場合、接種直後の急上昇の頂点を初年度にとれば、その後は発生率が下がっていると読めるのは当然だろう。
その際初年度以前の発生率が低かったという点を指摘する人などいないのである。
この数字のごまかしは、ポリオに関してとくに甚だしかった。
ソーク、セービンワクチンが導入された時には、ヨーロッパでのポリオ流行はすでに一段落した後だったのである。
一方、熱帯を中心とする地方では、ワクチンが用いられているにもかかわらず、あるいはワクチンが用いられているがゆえに、今日なおポリオは増加の傾向にある。
しかしながら、司法官であると同時に行政官でもあると自認している化学・医学・動物実験コンビナートにとって、自らの敗北を認めなければならない理由などまったく見出せなかった。
八一年一月末、WHOさえも思いのままに操っている彼らは、ようやく例のインド発のニュースのショックを和らげる方法に辿り着いたらしい。
「国際連合」の名のもとに、スイスのマスコミが次のように報じたのである。
「さきのインドのBCG裁判について調査を行なっていたWHOのふたつの専門家グループは、BCG接種をこのまま継続するのが適当であるとの結論に達した」(まったく同じ時期に、母乳の代用として粉ミルクを使用することを、WHOの三〇名の委員が承認した、と報じられている)。
http://hon42.com/iryou/sekai.php#
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大流行すると宣伝されたにもかかわらず、流行らず、かえって予防注射による死者までが出てしまい、フォード大統領にとっては思わぬ失点になってしまった事件である。
何千人という犠牲者やその家族がアメリカ政府を相手どって訴訟をおこし、多額の補償金を勝ち取っている。
この種の予防接種禍は、医学界がその権力をほしいままにしているような国では珍しくもない。
毎年秋になると、ヨーロッパ中の薬屋にはこんな広告が出るではないか。
「インフルエンザの大流行間近か!予防注射を受けましょう!」。
そして、宣伝に乗せられやすい人々は列をなして予防接種を受けるのである。
今では医学体制派でさえも、インフルエンザの予防注射は大きな危険が伴う割には、予防の効果がないという点を認めているのに、この有様なのである。
一九八一年十月一日、フランスで開かれていた予防接種禍裁判において、パスツール研究所前所長メルシエ教授に、なぜ研究所がその無用性が広く認識されているインフルエンザワクチンの製造販売をいまだに続けているのか、という質問が向けられた。
その時の教授の正直すぎるほどに正直な答である。「研究費の助けになるからです」。
●BCG禍
製薬業界の番犬とも言うべきマスコミが、ポリオワクチン禍の全貌を明らかにするまでには、まだ二〇~三〇年は待たねばならないだろう。
しかしポリオ同様に一般的なワクチンである結核ワクチンBCGの実態は、現在明らかにされつつある。
BCGの問題がもはや無視できる段階ではなくなってしまったためである。
一九五〇年、BCGの無用性危険性を主張する医師グループの激しい反対を押し切って、フランス政府はすべての学童にBCGの接種を義務づけた。
これはパスツール研究所にとっての、莫大なたなぼた式利益を意味した。
当時、国民にBCGを押しつけようと画策していたフランス政府のあの手この手を、医療関係者たちが記録に残している。
その中でも目を引くのがマルセル・フェルー博士の『BCGの失敗』だろう。
フェルー博士は一九八一年現在八八歳。
ポワティエ出身の小児科医で、国立医学アカデミーの会員である。
七七年『BCGの失敗』を自費出版した。
この中で彼は、BCG義務化の初期の頃は彼自身も関係者たちの宣伝にのせられ、自分の子供たちにもBCGを受けさせたこと、しかし下の方の子供の時には接種を拒否し、孫たちの頃には接種を妨害さえした、との体験を綴っている。
これは彼自身、そして同僚たちの経験を総合して出した結論だったという。
さらにこの本には、ポワティエ医学校学長選挙立候補とりやめの経緯も出てくる。
同僚に強く推されての立候補で、当選は確実と見られていたが、立候補を取り下げない場合は拒否権を発動するとの保健相からの圧力がかかったという。
理由はフェルー博士のBCGに対する姿勢にあったのは言うまでもない。
イギリスの製薬・医学シンジケートの御用雑誌『ニューサイエンティスト』が、七九年十一月十五日、「インドの裁判で結核ワクチン敗訴」という長文の記事を多少当惑げに掲載した。
インド政府が要請したある調査の結果を、それまで隠していたが、公表せざるを得なくなったのである。
記者はニューデリー、K・S・ジャヤラマンとなっている。
インド南部で開かれた結核ワクチンBCG評価の裁判で、驚くべき事実が明るみに出された。
ワクチンは「バチルス性結核には予防効果がない」というものである。
この徹底的かつ仔細な調査は、WHOおよび米国の協力を得て、インド医学研究協議会(ICMR)が一九六八年から行なっていたものである。
この発見によって引きおこされた現場の困惑は、次の文からも伝わってくるではないか。
このBCG裁判は昨年終了していたのであるが、その余りにも驚くべき結論のために、インド政府は、インド、WHO双方の専門家が、ニューデリーとジュネーブで数度の会合を重ね、その結論のもつ意味を十分に分析し終わるまで、発表を遅らせていたものである。
次の文面はさらに興味深い。
BCG接種を受けたグループでの結核発病率はわずかながら、対照グループ(BCG接種をしないグループ――訳注)のそれよりも高い。
ただし統計的に有意な数字とは言えない。
これにより、BCGの予防効果は「ゼロ」と結論された。
「統計的に有意でない」と言いわけがましく付け加えてみても、BCG未接種の人々よりも接種した人々の方が、結核罹患率が高いという事実を糊塗することはできないだろう。
実は、この結核発生率のパターンは、一般的伝染病発生率パターンを踏襲しているにすぎない(ただし医学界体制派はこれを見て見ぬふりを決め込んでいるが)。
すなわち、ある伝染病の集団予防接種が開始されると必ずその発生率は急上昇する、その後下降に転じて徐々に接種以前のレベルに落ち着くというものである。
そのため、発生率をグラフにする場合、接種直後の急上昇の頂点を初年度にとれば、その後は発生率が下がっていると読めるのは当然だろう。
その際初年度以前の発生率が低かったという点を指摘する人などいないのである。
この数字のごまかしは、ポリオに関してとくに甚だしかった。
ソーク、セービンワクチンが導入された時には、ヨーロッパでのポリオ流行はすでに一段落した後だったのである。
一方、熱帯を中心とする地方では、ワクチンが用いられているにもかかわらず、あるいはワクチンが用いられているがゆえに、今日なおポリオは増加の傾向にある。
しかしながら、司法官であると同時に行政官でもあると自認している化学・医学・動物実験コンビナートにとって、自らの敗北を認めなければならない理由などまったく見出せなかった。
八一年一月末、WHOさえも思いのままに操っている彼らは、ようやく例のインド発のニュースのショックを和らげる方法に辿り着いたらしい。
「国際連合」の名のもとに、スイスのマスコミが次のように報じたのである。
「さきのインドのBCG裁判について調査を行なっていたWHOのふたつの専門家グループは、BCG接種をこのまま継続するのが適当であるとの結論に達した」(まったく同じ時期に、母乳の代用として粉ミルクを使用することを、WHOの三〇名の委員が承認した、と報じられている)。
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世界医薬産業の犯罪―化学・医学・動物実験コンビナート | |
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