始めは、どこかで誰かにもらったんだと言っていました。
何度もやめろ、早くやめろと言っていたけれど、「大丈夫、その気になればいつでもやめれるから。」 自身たっぷりに笑ってそう言っていました。
大麻の誘惑に負けてしまっていたんじゃないかと思います。
彼は大麻に手を出してから、しきりに金の話をするようになってきていました。
それからひと月ぐらい経った頃、街で偶然出くわした時もまだやめれていなかったようでした。
早くやめろと言っても彼は「安くていい葉っぱを手に入れれそうだ。」と言って笑っていました。
その次の日の日が暮れる頃、共通の友人から電話がかかってきて 「・・あいつが死んだ。」 と知らされました。
詳しく話を聞くと、彼が持っていた大麻には不純物が微量に混入していたらしく、大麻を吸ってしばらくして中毒症状を起こしてショック死したそうです。
その大麻は深く吸引すると高い確率で死に至るそうですが、未だに出所は全く特定できていないようです。
本当に、、言葉も出ないぐらいに、馬鹿馬鹿しくて惨めな死に方をしました。
死んでから「あいつは良い奴だった。」なんて言っても虚しいばかりです。
第二、第三の死人も出てきます。
ただ大麻を吸うだけで死んで行く。 自殺行為です。
その被害者の友人達はきっと僕と同じ想いを、、するんだろうか。
この事があってからひとつ、嫌な事を思い出しました。
友達の妹は、恋人の誘いから大麻を吸うようになりました。
恋人も吸っていると言う安心感もあったからかも知れません。
間もなく二人は結婚し、しばらくしてめでたく子供を授かりました。
誰もが喜び、心からの祝福を送りました。
笑顔で手をつなぐ家族の姿を思い描いていたからです。
やがて産まれてきた新しい命は、 奇形児でした。
二人は献身的に育てようとしました。
もちろん我が子の将来を、幸せになる事だけを願って。
三ヶ月ぐらいが経った頃、彼女は不意に悩みだしました。
「この歪んだ腕も、片方だけの耳も、陥没したお腹も、全てが自分の大麻のせいだったんだ。」 と。
今さら自分を責めても仕方がない、でも責める事しか出来ない。
悔やんで、悔やんで、悔やんで、、
悔やみきれずに、大麻に頼るようになりました。
もうほとんど何も考えられなくなってしまっていたんだと思います。
小さなその赤ちゃんにまで大麻を吸わせて、。
その可哀想な子供は、産まれてわずか120日も生きられずに亡くなりました。
全ては大麻と、意思の弱さと、軽はずみな気持ちと行動が引き起こしました。
大麻、タバコ、薬物、戦争。
大人の身勝手で、大きな犠牲が小さな子供に降り注ぎ続いています。
何も抵抗出来ずに。
抵抗する術も力も持たない子供達が。
こんな死に方を強いられています。
大麻によって奪われた友達の命と、身近な赤ちゃんの命。
本当は無くなるはずのなかった命、 だと思います。
for dear my all friends.
a story.