NPO個人ケイ&リルこの世界のために 全日本動物愛護連合 アニマルポリス 動物愛護党

平和と平等と幸福を! 知らないといけない様々な現実と、考えないといけない物語を提供します。命のために、協力してください。

 【絵本】 村人と動物

2016-03-02 16:48:11 | へヴィーローテーション

むかしむかし、あるところに、ふたりの青年がおったそうな。

ふたりの青年はまいにち肉を食らっておったそうな。

いのちとどうぶつを守ろうとするうごきにたいそう反発しておったそうな。


ひとりの青年は、「どうぶつを殺すことはざんこくだと思うが食べるために殺すことはざんこくだと思わない。」と言っておったそうな。

ふしぎにおもった村人がきいてみたそうな。

食べられるために殺されるこの豚たちをざんこくとは思わんかのう



ざんこくだとは思わないと言ったそうな。


食べるわけではないが殺されるこの豚たちをざんこくとは思わんかのう



食べるためではないからざんこくだと言ったそうな。


はてな?

村人はたいそうくびをかしげたそうな。


ある日、村の若い衆が牛をさかさづりにしておったところに村人と青年がとおりかかったそうな。

牛はたいそう苦しんでないておった。

村人はどうしてこんなざんこくなことをしてやるのかと若い衆にたずねた。

若い衆のひとりが、「殺したいから殺すんじゃ。」と言うので、村人と青年は「そんなざんこくなことは今すぐやめえ。」と言ってやめさせようとしたそうな。



するとべつの若い衆がこう言った「食べたいから殺すんじゃ。なにがわるいんじゃ。」

村人は、「牛を殺さんでもあれを食べたらいいじゃろう。」と言って畑のやさいをゆびさした。

青年はさっきまでとはうってかわって「食べたいならしょうがない。」と若い衆にくわわり、ないてあばれる牛を殺しはじめたんだそうな。



かわいそうな牛がいきたえると、若い衆は青年に笑ってこう言った。
「食べたいっていったのはうそじゃ。この牛おまえにやるから食べたきゃひとりで食べえ。」

青年はたいそうよろこんで、それから村の衆といっしょになってたびたび牛を殺すようになったそうな。




もうひとりの青年は、「動物をいじめることも殺すこともざんこくだ」と言っておった。

飼い主にすてられて殺される猫たちを村人といっしょにたすけようとしておったんだそうな。




ある日、村のこどもたちが猫たちをつかまえていじめておった。



村人と青年はこどもたちをきつくしかり、二度としないと約束させたそうな。


となり村へでかけたときのことじゃった。

猫たちが毛皮をはがされつるされているのを見たふたりは、「そんなざんこくなことは今すぐやめえ。」と言ってやめさせようとしたそうな。



となり村の村人は「飼ってる猫をどうしようとわしのかってじゃろ。これは魔よけになるんじゃ。」と言ってききいれようとしなかったそうな。

村人と青年は、「猫を殺さんでもあれを魔よけにすればいいじゃろう。」と言って石の地蔵さんをゆびさした。

するととなり村の村人はこう言った。「これはこの村の文化なんじゃ。なにがわるいんじゃ。」

そう言うと家のなかへ入り、「これはきょうの晩飯じゃ。」と言いながら猫の肉を手にでてきたそうな。

村人は、「猫を殺さんでもあれを食べたらいいじゃろう。」と言って畑のやさいをゆびさした。

青年は、「食べるためならしょうがない。文化に口はだせないな。」そう言ってさきにかえってしまったそうな。


次の日、また村のこどもたちが猫たちをつかまえていじめておった。

村人と青年はこどもたちをきつくしかろうとしたが、こどもたちはこう言ってきた。

「この猫はきょうの晩飯にするんじゃ。猫を食べるのは文化じゃって隣のおっさんがいっとったんじゃ。」



青年は、「食べるためならしょうがない。文化に口はだせないな。」そう思ってこどもたちになにも言いかえせんかったそうな。


あくる日からこどもたちは村の衆といっしょになって猫の肉をうりはじめたそうな。




村人と青年は、「猫たちがいじめられてるのはかわいそうじゃ。苦しめられてるのはざんこくじゃ。」と村の衆にかけあったが、「しごとの効率をよくするためじゃ。食べたい人がおるからいいじゃろ。これで生活しとるんじゃ。」と言って猫たちのことをかんがえなかったそうな。


村人はそれでも猫たちと村のために言いつづけたが、青年は「しごとの効率のためならしかたない。」と、飼い主にすてられた猫たちをたすけようとすることもやめてしまい、村の衆からもらった猫の肉を食べるようになっっていったんだそうな。








何年かがたって、村の衆やこどもたちも文化も動物のあつかいかたもすっかりかわってしまった自分の村がいやになり、村人は旅にでることにしたそうな。

この村とおなじざんこくなとなり村をおそるおそる通りすぎようとすると、いつかのとなり村の村人が声をかけてきた。

「あの日あんたに言われてからよくよく考えたんじゃ。今までひどいことをしてきたなと思うようになってな、魔よけは地蔵に、食べるものも動物をそだてるかわりに畑でさくもつを育ててるんじゃ。わしも村のみんなに分かってもらうように言ってみるとだんだんとみんなも分かってくれてな、今じゃこの村の村長として猫を殺す魔よけもなくしたし、動物を殺さんでいいようにほとんど野菜中心のくらしになったんじゃ。村の病人もへったし、川もきれいになったんじゃ。ざんこくだと知りながら動物を殺すしごとをする人もそれを見てかなしむこどもたちも差別する人もいなくなって平和になったんじゃ。ありがとう。」


村人は「ありがとう。ありがとう。」と言って泣きくずれたそうな。












2012/12/28



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 競馬 引退後は9割が殺処分に... | トップ |  ◆幻の小冊子 「種の壁が壊... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

へヴィーローテーション」カテゴリの最新記事