これで、対戦成績は、竜王側から見て3勝2敗となった。
双方の調子がいまひとつで、
ピリッとしない戦いが続いていた今期の竜王戦だが、
本局はなかなか見ごたえがあった。
矢倉から穴熊に組み替えての戦いとなり、
佐藤二冠が端からの攻めを呼び込む。
その後は、二冠が竜王の猛攻をしのぐのか、
それとも、竜王が細い攻めをつなぐのか、
スリル満点の戦いが続いた。
▲8七玉の「顔面受け」の強手や、
▲4八銀のしぶとい受け、などの印象的な好手が出て、
ものすごく際どいながら、
ぎりぎりのしのぎで佐藤二冠の玉将が
竜王の攻撃網をすり抜けて脱出、
そのまま逃げ切って入玉した。
どちらにもそれほどの悪手は見当たらず、
遡れば、後手ながら矢倉から穴熊に組み替えた
竜王の構想に問題があったか、という感じ※。
やはり、トップレベル同士の場合、
後手番で勝つのは、相手がミスしてくれないと
なかなか大変なようだ。
これで、佐藤二冠がだいぶ流れを引き戻した。
もしも、次の後手番をしのぐと、
3勝3敗となって流れは完全にひっくり返るが、
後手番の作戦選択が難しい。
いずれにせよ、次局がますます楽しみだ。
※竜王ブログによると、そんなことはなくて、
中盤までは佐藤二冠の新趣向による若干の作戦勝ち、
▲1六飛が疑問で、竜王優勢になったが、
△5八飛が失着で負けになった、ということらしい。
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