本を読んだりしたので、素人ながら、
人工知能について少し考えてみた。
人工知能というのは何で、どこまでできていて、
この先、何ができそうなのだろうか?
人工知能というのは、人工の知能、なわけで、
まずは知能について考えないといけないのだろう。
知能がやっていることは「世界のモデル化」
ということのようだ。
世界からセンサで捉えた情報のモデル化、
情報源のモデル化、と言うほうが正確なのか?
世界には、自分の身体も含まれる。
身体の中にも膨大なセンサがあるからね。
モデル化ができると、予測(シミュレーション)、
補間、原因推測、適切な介入、制御、
ゴール志向の行動、などができる。
よりよくモデル化するために、
状況、場合を分けたりする必要があって、
そのために役立つのが分類。
よりよくモデル化するためには、
適切な内部表現が必要で、そのために役立つのが
深層学習などの表現学習。
モデル化の対象には、大きく、物理世界のモデル、
人間行動のモデルを両極とするスペクトルがあるという感じ?
原理的にはどれも計算できるはずだが、
できても時間がかかるのが流体や分子動力学などの物理世界のモデル
時間をかけてもできないのがもっと複雑な構造を持つ材料などのモデル
さらに訳がわからないのが人間行動のモデル?
人間行動もマスとして捉えれば、
ある程度法則性があるのかもしれないし、
訳が分からないほど、モデル化の精度はあまり要求されないので、
応用的には、複雑なものが難しい、とは限らない。
このあたりまではまぁいいとして、
それでは、知能は巨大な世界モデル化装置なのか?
これに異を唱えたのがブルックスやミンスキーで、
リアクティブ、サブサンプション、マルチエージェント
などの考え方が生まれたらしい。
実際、人の知能も一番基礎は反射などで支えられている。
熱い!となったときに、いちいち巨大モデルで推論していたら間に合わない。
素早く行動して、環境にフィードバックして
とりあえず反応を見ることも必要。
反射的な応答と沈思黙考的な応答
環境利用計算とモデル利用計算
モデルフリーとモデルベース
しかし、その一方で、人間の知能はやはり、
言語的なものも含むかなり深いモデルに支えられているのも事実で、
ここのあたりの全体的なイメージがよくわからない。
脊髄反射から小脳、そして大脳の情報処理の関連性
そもそも実際に機能する「世界のモデルを作る」
というのはどういうことなのだろうか?
素早く応答するべきことと、
そうでないことをどう分けられるのだろうか?
それも学習するのだろうか?
最初はよくよく考えて動いているものが、
だんだんパターン化されて小脳に降りてゆく、
みたいな感じなのか?
ある種のコンパイラのようなもの?
アルファ碁はそのあたりを何か
対処しているのだろうか?
そもそも、アルファ碁はいったい何を「モデル化」
しているのだろうか?
プロ棋士の知能?
それとも、囲碁の世界?
ある盤面と、そこから打ち進んだ将来の勝敗の関係、
というふうに思えば、やはり囲碁の世界か?
知能の汎用性というのも大きな謎だ。
状況にあわせて、自分で目的関数を設定するのがすごい。
車の運転席に座れば、ぶつからないように運転する、
というタスクを設定する。
目的関数は、究極的には、生存とか、
快とかから来るのだろうが、
この部分もまだかなり謎な感じがする。
そして、人工知能研究は、この世界をモデル化する知能、
自体をモデル化したいというメタな営みだとすると、
かなり大変な話のようだなぁ。
* * *
その一方で、そういう知能の解明に向けた話とは別に、
今世の中で広く起こっているのは、IT 化できる作業が、
より大規模、より専門家的な領域へと広がっている、
ということなのだと思う。
役立つ知識がうまく書けないというのが課題だったのだが、
大規模データと学習技術、大規模知識ベースによって
それを補えている部分が出てきているらしい。
※でも、実は、専門家的な領域というよりは、成功しているのは
ゲーム、顔認識、パターン認知、のようなあまり知識集約的ではない
領域なのかもしれないが。
だとすると、DeepMind の "Solve intelligence and
use it to make the world a better place" は、
この二つをつなごうとしているように見える。
Solve intelligence は知能の解明
make the world a better place は
世界の知的 IT 化?
より深いモデルが鍵、というふうに考えれば、
Hassabis さんの言うように、二つの話は
「データ」「学習」「モデル」というところで
重なっているのだろうが、違う部分もかなり多そうだ。
というわけで、結局よくわからないが、
羽生さんの番組の感想でも書いたように、
今話題の「人工知能」には、二つの異なる側面が
入り混じっている感じがするなぁ。
ところで、ここで紹介されている
日立の矢野さんという人の考え方は、
Hassabis さんのと割と近いのではないだろうか?
目的関数は人が与える、というところは
人間の知性と違うが、でも、どんなデータや目的関数でも
同じ方法で対処できる、という意味では汎用性が高そうだ。
日立もなかなか頑張っているようだ。
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