ツツカナ対森下九段戦は、
相矢倉の真っ向勝負の熱戦となった。
中盤までは森下さんが押していたようだが、
その後、森下九段に緩手があったようで、
ツツカナがじりじりと優勢を築いてゆく。
森下さんも粘るのだが、
最後はなかなか見えにくい詰めろで
鮮やかに森下玉を仕留めた。
相手が矢倉の森下ということで、ツツカナは
矢倉を選ぶ確率を上げていたのかもしれないが、
その結果として、がっぷり四つの総力戦となり
美しい棋譜が残った。
しかし、その分、勝負としては厳しかったわけで、
豊島流の勝ち方か、森下流の負け方か、
やはり、人間が勝つときは将棋的にはつまらなくて、
将棋的に面白いと人間はほとんど勝てない、
ということなのか、という感じ。
これで人間は3敗となり、
団体戦の負け越しが決まった。
改めて、ソフトは強い、というか、
人間とコンピュータのどっちが強い、
という議論は不毛だと改めて思う。
もしかして、まだそこにこだわっているのは、
プロ棋士だけなのかもしれない・・・
* * *
局後の記者会見で、森下さんは、
人間側は盤駒使用というルールを
提唱していた。
これは、棋士のプライドを考えると
すごく踏み込んだ発言だが、
確かに、こうすると、評価関数勝負、
に近くなるのかもしれない。
でも、ヒューマンエラーは読み落としで、
それは時間に限りがある以上、
盤駒があっても防げないから、
たぶん人間が負けると思うし、
なにより、それで負けたときは
かなり惨めな感じだから、
やめたほうが良いと思う。
それにしても、豊島さんに較べると、
森下さんも屋敷さんも、
危機感が乏しい・・・
ソフトと指したのは、豊島戦の後って、
事前貸出の意味がほとんど無いでは?
本格派の森下さんとしては、
事前研究のようなせこいことはしない、
ということなのかもしれないが、
勝つ気が無い、と思われても
しかたがないだろう。
やはりここまでのところでは、
圧倒的に豊島さんの戦いが感動的だった。
でもこれは、将棋の中身が鑑賞できていない、
ということを意味しているのかもしれない。
将棋の中身が味わえる人には、
今日の戦いはかなり味わい深いもの
だったのだろうか?
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