YouTube で荒井由実さんの曲を聴いていたら、
「翳りゆく部屋」の制作時の映像があって、
丹下健三が設計した東京カテドラル大聖堂の
オルガンを使っていることが紹介されていた。
「翳りゆく部屋」が、プロコル・ハルムの「青い影」への
オマージュ的作品であることは良く知られている。
たとえばこちらの記事では、
>「青い影」を聴かなかったら、
> 今の私はなかった。
と言う言葉が紹介されている。
「青い影」は、イギリスのバンド
プロコル・ハルムが 1967年にリリースしたデビュー・シングルで、
同じ年に、ビートルズのアルバム
「サージェント・ペパーズ」が出ている。
バッハの楽曲にヒントを得たという
オルガンの音が特徴的なサウンドで、
ロックにクラッシックの要素を融合させた
と言われている。
上の記事にあるように、この曲が、
カソリック系の学校で
パイプオルガンで弾かれたバッハに感動した経験を持つ
荒井由実さんに影響を与えて
初期の楽曲ができあがったということだ。
「青い影」の原題は "A Whiter Shade Of Pale"
直訳すると「より白くなった蒼ざめた色」?
歌詞は男女の別れを歌っていて、
タイトルは、男が女に、婉曲的に「浮気しているのか?」
と尋ねたときの女の蒼白になる顔色を
描いているという。
曲全体としては、女に裏切られて、
でも諦めらめきれない男の心理が
描かれている。
* * *
「翳りゆく部屋」は、
荒井由実さんの7枚目のシングルとして
1976年にリリースされた。
荒井由実さん自身による英語の題名として
"The Paled Room" が与えられている。
これも、壊れた恋愛を描いた歌だが、
こちらは、女性のほうが、男性を
諦めきれずに想う内容と思われる。
「どんな運命が 愛を遠ざけたの
輝きはもどらない
私が 今 死んでも」
冒頭の荘厳なパイプオルガンの音と、
この歌詞を最初に聴いたときの
衝撃は忘れられない。
* * *
そして、時はさらに下り、
2021年、米津玄師さんが、
「離婚から始まる恋」を描いたドラマ
「リコカツ」の主題歌
"Pale Blue" をリリースする。
この曲もまた、別れの曲で、
おしまいにしようとした恋がまた
燃え上がる女性の気持ちを描いている。
「なのに エンドロールの途中で
悲しくなった」
「なのに エピローグのセリフが
言えなくなった」
この、いずれもとても高いレベルの普遍性、
ポピュラリティーを持ち、
音楽の多様な要素を取り込んでいる3曲に
"Pale" が共通しているのは、
偶然なのだろうか?
PROCOL HARUM - A Whiter Shade Of Pale - promo film #1 (Official Video)
The Paled Room / Kageriyuku Heya
米津玄師 - Pale Blue
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