仲道郁代さんが、
シューベルトの即興曲について
話しをされている。
たゆたうような
展開しない反復、
進まない、とまった、
あるいは過去にさかのぼる時間、
境界線の上にある世界、
というのは至言だ。
僕の作ったものは
僕の音楽への知性と
僕の痛みによって存在する。
1827年3月26日に
ベートーヴェンが亡くなったとき、
シューベルトが
ベートーヴェンの棺を
担ぐ役割を与えられた、
というのは初めて知った。
作品番号は離れているのだが、
作品 90 も、作品 142 も
この 1827年に作曲された
とされている。
ハ短調の葬送から始まる
これらの4曲は、
ベートーヴェンへの
お弔いの音楽であり、
また、自分の死期の近さも
感じていたであろう
シューベルトの白鳥の歌でもある、
内なる幸福をはらんだ
死への憧れと痛みを描いている、
ということがよくわかる。
それぞれの調整
についての意味づけや、
シューベルトの捉え方
「自らの内なる幸福」
というのは興味深いし、
ベートーヴェンの
「葬送」ソナタや
歓びの歌へのオマージュ
というのも面白かった。
作品 90-3 については、
わりとあっさりとしか
触れられていないのが
ちょっと残念だ。
あー、これは
演奏を聴きたかったなぁ・・・
なんでこのタイミングでの
公開なのだ???
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