日々の寝言~Daily Nonsense~

五嶋みどり ノクターン

平原綾香さんのノクターンの動画を見たら、
関連動画に、五嶋みどりさんが
カーネギーホールで弾いたノクターンが出てきた。

これは、ほんとうに素晴らしい演奏で、
この頃の五嶋みどりさんが、
いかに神がかっていたかがよくわかる。

ヴァイオリンとはこういうふうに
弾くものだ、という感じ。

カーネギーホールの観客も、
音楽が終わった後、しばらく陶然と
余韻を味わっている。

ついでに、Perlman や
Sarah Chang の演奏も見た。

曲が単純なだけに、
演奏者の違いがかなり出て面白い。

Perlman の演奏は、ジプシー系の香りで、
艶のある甘い音色で一気に弾き切る。
この人のヴァイオリンは、ほんとうにいい音だ。
ただ、その分、ちょと雑に感じられるところもある。
音色の美しさやテクニックが前面に出すぎてる
感じもしなくはないのだ。
もちろん、それで悪いかというと、
そんなことは無いのだが。

Sarah Chang は、韓国系アメリカ人で、
五島みどりさんの韓国版のような人だ。
演奏は、情熱的で、韓国の熱さが感じられる。
これも魅力的な演奏だった。

これらに比べると、五嶋さんの演奏は
線が細い感じがする。
しかし、それが五嶋さんの素晴らしさだ。
あくまでも細いが、密度の高い線を使った、
繊細で細やかな表現。
音ではなく音楽、
しっとりとした情感を前面に出した演奏。

こういうのを聴くと、
日本人でよかった、と思う。
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