日々の寝言~Daily Nonsense~

バッハの装飾音の弾き方(ChatGPTにも聞いてみた)

インベンションの1番の装飾音の
弾き方についてネットを調べていたら、
ちょっと驚きの情報があった。

以下は、note の
バッハの装飾音について真面目に考える(スコダ派)
という記事から。

驚くべきことに、現代のほとんどのピアニスト
(敬愛するテューレックも含む)が
弾いているプラルトリラーの弾き方は、
歴史的には間違いだ、という説。

たとえば2声のインベンションの1番の
最初のプラルトリラーで言えば、
現代のほとんどのピアニストが、
装飾がついている音の1つ上の音から開始して
CBCB と弾いているが、
歴史的には、装飾がついている音から
BCB のように弾くのが正しいという。

主張の根拠は、
ピアニストの パウル・バドゥーラ=スコダが
2011年に発表した論考
「誤ったプラルトリラー奏法を排除せよ ! 」
で、その邦訳+考察と補足が、
国立音大名誉教授の今井 顕先生によって、
下記に公開されている。

バウル・バドゥーラースコダの論考
「誤ったプラルトリラー奏法を排除せよ
に関する考察と補足


それによると
現代にチェンバロを復活させた
偉大なチェンバロ奏者
ワンダ・ランドフスカが、勘違いから?
(歴史的に)誤った奏法を
広めてしまった、
ということらしい。

ふーむ・・・

いろいろな動画を見ると、
プラルトリラーの弾き方は、
バッハの時代(古典奏法)では
上の音から開始、それ以外は
その音から開始、
と説明している方もいる。

ランドフスカ説は、
こういう蘊蓄的な知識に
なったので、広がりやすかった
のかもしれない・・・

どちらが良いかは、
自分で決めればよいと思うが、
バドゥーラ=スコダも書いているように、
一貫性という観点からは、プラルトリラーを
1音上から始めるのが不自然になる場面は
あるかもしれない。

インベンションの1番にしても、
BCB の弾き方のほうが易しいので、
易きに流れようかと思っているところ。

ちなみに、私が最初に買って
自己流の練習に使った
全音の楽譜(ツェルニー準拠?版)では、
記号がプラルトリラーではなく
モルデント(BAB)になっている
(全音からはこの他にも何種類かの
楽譜が出版されている)。

最初の note の執筆者の方も書いているように、
これはこれで味わいはあって好きなのだが、
バッハの指定とは異なる
(これもまぁ確実ではないわけだが)
のでさすがに却下したいところ。

 * * *

さらにちなみに、
ChatGPT(GPT-4)に聞いてみたら
以下のようなやりとりになった。

User:
バッハの2声のインベンションの第1番の最初の装飾音は、
CBCB と弾く人と BCB と弾く人がいます。
どちらが正しいのでしょうか?

ChatGPT:
バッハの二声のインベンション第1番(C Major, BWV 772)
の開始部分について、装飾音の表現は解釈によります。
元の楽譜では、第1拍目のC音にモルデント
(ト音記号のような記号)がついています。

バッハの時代において、モルデントは主音から
上の音階への素早い動き(つまりCからDへ、そして再度Cへ)
を示していましたが、その後のバロック音楽での一般的な解釈では、
モルデントは主音から下の音階への素早い動き
(つまりCからBへ、そして再度Cへ)を示すことが多くなりました。

したがって、"CBCB"と弾く解釈と"BCB"と弾く解釈の
どちらもが可能であり、演奏家の解釈や指導者の
アドバイスによることが多いです。
最も重要なことは、その装飾音が
音楽的な文脈の中でどのように機能し、
曲全体の流れや表現にどのように寄与するかということです。

User:
原典版でついているのは、モルデントではなく、
プラルトリラーだと思います。

ChatGPT:
すみません、あなたのご指摘は正しいです。
原典では、バッハの二声のインベンション第1番
(C Major, BWV 772)の開始部分にはプラルトリラー
(PralltrillerまたはInverted Mordent)が使われています。

プラルトリラーは、主音から上の隣接音への短い装飾音で、
これはCBCの音の動きを表します。
したがって、装飾音の解釈としては"BCB"よりも
"CBC"がより適していると言えます。
しかし、最終的な解釈は演奏家の個々の
スタイルと芸術的判断によるところが大きいです。

私の前回の回答での誤解を引き起こしたことを
お詫び申し上げます。そして、バッハの楽譜と
その解釈についてのあなたの知識を称賛します。

User:
プラルトリラーの演奏法についての、
バドゥーラ=スコダ の主張を知っていますか?

ChatGPT:
バロック音楽の専門家であるピアニスト、
クラヴィア奏者のパウル・バドゥーラ=スコダは、
バッハの楽曲における装飾音の解釈について
独自の見解を持っていました。
彼の主張によれば、バッハの時代のプラルトリラー
(または逆モルデント)は通常、主音
(または書かれている音)から始まり、
その後すぐに上の隣接音へ移り、
そして再び主音に戻るというものです。つまり、
これは"CBC"の音のパターンに対応します。

ただし、バッハ自身は時として通常のパターンを
逆にして曲に適用しました。つまり、
曲の特定の部分では"BCB"というパターンが
用いられることもありました。
これは音楽的文脈や特定の音楽的効果を達成するために
行われるもので、バドゥーラ=スコダはこれを
一般的な規則からの例外とみなしています。

バッハの装飾音の解釈は専門家の間でも議論の余地がありますし、
バッハ自身の意図は楽譜だけからは完全には明らかになりません。
したがって、装飾音の具体的な演奏法は演奏家の音楽的解釈と
芸術的判断に大きく依存します。

ふーむ・・・

最初に、プラルトリラーと
モルデントを間違ったり、
音の名前の理解は、
できているようでできていない
(たとえば、"CBC" は、主音から
上の隣接音に移ってはいない)、など
いろいろ突っ込みどころがあるが、
そんなことまで知っているの?!
という感じの知ったかぶり回答だ。
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