それでも、コンクール全体では
ほんの一部の演奏しか聴けていないが、
メモというか、雑感を。
優勝したブルース・リゥさんの演奏を
ファイナルの協奏曲以外もいくつか聴いた。
普通にきれいに弾く部分と、
ちょっと狂気がかって激しく集中してユニークに弾く部分の
コントラストが大きいのが特徴かなぁと思った。
コンクールだから点数をつけないといけないが、
審査のポイントとしては、
フィギュアスケートなどと同じく、
技術点と芸術点があるのだと思う。
技術点は、ピアノを弾く技巧で、
速度、ダイナミクス、タッチ(音色)、などの
幅が評価されると思う。
フォルテシモとピアニシモの幅、
高速パートとゆっくりとしたパートの幅、
硬い、がっしりとした音と柔らかい、優しい音の幅。
それらを基盤として、芸術点では
「詩情」が評価されるのだと思う。
どれだけ一つ一つの曲と向き合って、
演奏者の持つユニークな詩情を、
どれだけ曲から引き出して、
どれだけ表現できるか。
どちらかというと、
反田さんは、技術が高く、
小林さんは、詩情が高かったと思う。
結果がわかっているから、後出しだが、
ブルース・リゥさんは、
どちらも高いレベルだった、
ということなのかなぁ。
* * *
正直、ブラームスやブルックナーの交響曲が
好みなので、ショパンの曲は
それほど好きというわけではなくて、
あまりたくさんは聴いていない。
こんなにまとめて聴いたのは、
「ピアノの森」の頃以来だと思う。
いい曲がたくさんあるが、
全体的にちょっとテンション高すぎる感じもするので、
反田さんの弾いたラルゴが一番好みかもしれない。
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