Madredeus の音楽。
中でも、1994年にリリースされた
この3枚目(ライブ盤を入れると4枚目)のアルバム
「陽光と静寂(O Espirito da Paz:平和の精神?)」は、
最高傑作のひとつと言われている。
それは、ポルトガルが生んだ、
奇跡のような揺蕩う音楽。
ゆったりとしたテンポのギターと
アコーディオン、キーボードが、シンプルに
静かに、どこか懐かしいメロディを奏でる。
そこに乗るテレーザの声は、
静かでどこか物悲しいのに、
テージョ河にきらめく陽光のように
深い包容力で聴くものを包み込み、
心に深く滲みる
懐かしくて、でも、見知らぬ街のようでもあり、
暖かくて、でも、切なく哀しい
いつまでも、いつまでも
浸っていたいような調べだ
* * *
O Mar(海)
あなたに告げようとしているのは
詩の一節などではありません
しかし 話し聞かせたところで
意味などあるのか
海のことなど
海のことなど
私は立ち止まった
見なければと思って
そして 老いを重ねていった
そうとは少しも気づかず
海よ
海よ
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