チェルノブイリよりは<ずっと>小さい
というのは怪しくなってきている。
福島第1の事故による放射線の影響は
1960年代の大気中核実験によるものより<ずっと>小さい
という話も、どうやら怪しくなってきたようだ。
もちろん、世界規模で比較すればずっと小さい
のだろうが、日本への影響という面では、
既に超えているように思う。
昭和58年(1983年)の原子力安全年報によると、
1980年までの核実験による預託線量(将来までも含めた被曝予測値)は
北半球温帯地域に住む人の肺について
外部被曝と内部被曝をあわせて 260 mrad(ミリラド)となっている。
この値は、簡単に 1 rad = 0.01 Gy = 0.01 Sv とすると、
わずか 2.6 mSv にすぎない(はず)。
これに対して、今中レポートによると、飯館村曲田の
予測被曝線量は90日間(3カ月)で 90 mSv を超える。
(屋外に24時間いた場合)
昭和49年4月から56年12月までの約7年間の間の
セシウム 137 の降下量の積算は、東京で 4.69 mCi / km^2
単位を換算すると 173 Bq/m^2 程度でしかない。
これに対して、今中レポートによると
飯館村地表のセシウム量は最大で
2.188 MBq/m^2!
(あまりに衝撃的に桁が違う・・・
何か計算が間違っていることを祈りたい)
では、核実験レベルの汚染の地域はどこかというと、
地表の Cs の量を Bq/m^2 で出しているところが無いので
比較が難しい。
やれやれ・・・
今中レポートによると、セシウム137で
748.9 kBq/m^2 の土壌が 21 Bq/g ということなので、
すごーく乱暴だが Bq/kg と Bq/m^2 の換算を仮に
1 Bq/m^2 = 0.028 Bq/kg
とすると、173 Bq/m^2 = 4.84 Bq/kg
文科省の土壌サンプリングデータでは、
4/4 のデータで福島県内には
こんなに小さいところは無い・・・
たとえばつくば市の産総研のデータでは、
1m x 1.5m のシート上の1時間の降下物について、
セシウム 137 は多い時で 13 Bq
ただし、最も多かったであろう3/21のデータが無いので
なんともいえないが、このあたりが
核実験と同等程度という感じだろうか・・・
少なくとも、福島県の原発周辺
(とはいえ距離50km程度までを含む)
の汚染レベルは1960年代の大気中核実験の影響より
ずっとずっと大きいようだ。
今後の課題:
空間線量 (Sv/h) と、土壌表面での放射能量 (Bq/m^2)、
土壌内の放射能量 (Bq/kg) の間の関係を推測しないと・・・
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