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「ゆうメール」 商標権侵害

2012-01-13 11:04:08 | 知的財産経営(知財経営)ニュース
おはようございます。知財経営プロデューサーの新井信昭です。

日本郵便の「ゆうメール」が商標権侵害と認定されました。

詳細こちらです

そこで、「ゆうメール」の登録を、IPDLで検索すると3件の登録と1件の出願がありました。

1. 登録4781631 ゆうメール
2. 登録4820232 ゆうメール
3. 登録4821741 ゆうメール
4. 商願2010-046830 ゆうメール

4番目に記載されている商標出願は、日本郵便(郵便事業株式会社)が出願した防護標章登録出願です。


【出願番号】 商願2010-46830
【出願日】 平成22年(2010)6月14日
【出願種別】 防護
【標準文字商標】 ゆうメール
【出願人】
  【氏名又は名称】 郵便事業株式会社
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
35 広告,各戸に対する広告物の配布,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,求人情報の提供,小荷物・書類その他の配達物の宛名書き・封入・料金計算・発送・仕分け又は受取りの代行


防護標章登録出願は、非類似商品について混同のおそれがあれば登録され、他人の先登録(商標法4条1項11号)などの一般的登録要件を満たす必要はありません(商標法64条)。

ですから、先登録の登録商標があっても、同じ指定商品・役務の上に重ねて登録されうるわけです。

詳細は割愛しますが、登録されると、他人による指定商品・役務についての登録防護標章の使用は、登録防護標章の基になる商標権の侵害とみなされるわけです(67条)。

では、本件訴訟の原告である「札幌メールサービス」の使用が認められなくなるか、というそうではありません。

同社は、「ゆうメール」の商標権を持っているわけですので、正当な使用者です。いくら防護標章といっても正当使用者までは排除できないのです。

では、日本郵便が防護標章登録を出願した狙いはどこにあるのか?

皆さんも考えてみてください。

今日もお読みいただき有難うございました。


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