料理力とかじゃなくて自炊力。
「料理(レシピ)以前の食生活改善スキル」がサブタイトルになっているように”何をどう食べるかを考える力”が主題になっています。
子供の頃からインスタント麺にはキャベツと卵が入っていたり、レトルトカレーにナスやピーマンを炒めたものが添えてあったりとレトルトやインスタント、出来合いのものでも何かを足す、というのが当たり前だったのでそれが一般的な事じゃないという事実に少し驚きました。
今では夫にとっても当たり前のことになってるんだろうな、と思う…。
書かれていることで思ったことをいくつか。
買い物は経験でどうにでもなる。
お願いしたい人がいるのなら一緒に行って「これどう?」とか「このお肉とこっちのお肉どっちがいい?」とかちゃんと見せて教えないとできないもんですよ。
私は母から肉を買ってこいと言われて「何グラム?」と聞いたら「大体わかるでしょ?」と言われ、「私の頭の中はお母さんの頭の中じゃないからどれぐらいを想定しているのか予想ができないので数値にしてくれ」と言ったことがあります。
それ以来肉を発注されたときは「○○グラムぐらい」とメモに書かれるようになりました。
それを何度か経験するとこの発注はこれぐらいのグラム数のこのサイズのパックが喜ばれる、というのを記憶し、そうしているうちにこの肉の容量なら何回分になる、などとわかるようになるのです。
夫にもそうやって教えて来て、最近はカットフルーツのパイナップルはどれを選べば私が喜ぶかわかるまでになりました。(追熟して透明感が出てきたものを選ぶと口が痛くならない)
人は学習する生き物ですが、何度やっても学習しない人はその分野においてポンコツであると解釈して諦めた方が精神衛生上よろしいかと思います。
人には向き不向きがあって、料理の中でもどの工程を苦手とするかによってそれを排除してもいいと思います。
いうなれば買い物が苦手な人はそれを人任せにするのは無理な話かもしれないので、積極的に食材配達なんかを使うとかすればいい。
献立決めるのが苦手な人だって食材配達使ったらレシピ入れてくれたり献立をはなから決めてくれてたりするわけじゃないですか。
そういうの使えばいい。
鍋でご飯炊くとおいしい、っていうじゃないですか。
私はたぶんこれが向かない。
ご飯の鍋を火にかけている間に洗い物しよう、なんてできない。
火にかけているときは鍋につきっきりになってしまうから。
(煮込み料理もあんまり向いてない…)
鍋に火をつけたまま洗い物なんかしてたら鍋の存在忘れるからね、私。
これはあぶない。
これはもう性質上仕方ないと思っていて、それならいい炊飯器買えばいいじゃん、鍋炊きの味が出るようなやつ、と思うに至りました。
煮物なんかは置いとくと味が入っていくので短時間ガーっと煮て置いておく方法にしてから鍋につきっきりにならないので作りやすくなりました。
ハンバーグもひき肉買って…とかメンドクサイ工程が多いなと思っていたんですけど、フードプロセッサー導入してすっごい楽になって(材料全部フープロに入れてガーでいいと知った)あんまり苦手意識がなくなりました。
最近はご飯の時間帯の事とかいろいろ重なって全然作ってないんですけどね…。
栄養面を考えるという意味で、家庭科の授業で基礎知識は備わっているので若い世代の人は心がけやすいよな、と思います。
もっと栄養関連の相談ができる環境が整えば医療費も抑えることができるんじゃないかと思うんですが、そういう予防の面にお金を使わないのはなんでなんでしょうね?
フルーツ食べられない人(口腔アレルギー症候群)にとっては「このフルーツは万能!」みたいなのやめてほしいな…と思います。
最近バナナも怪しくなってきた…。
調理の方法やレシピというよりは、こういう食べ方をするとバランスが取れるよ、とかそういう面を強化して書かれているので食生活が乱れてるのをどうにかしたい、けどどうしたらいいのかわからないという人には向いているかもしれません。
毎日家族の食事を背負っている主婦にとってはいかに上手に手を抜くか、のアドバイスになってる気もします。
私が思うのは、みんながおいしく食べて健康でいられるなら何でもいいと思うんですよ。
今は冷凍食品もおいしくなったし、メーカーも減塩を考えたり添加物を減らしたり工夫が満載の食品が圧倒的に多いです。
過去の記憶だけでそれを否定するのではなく、今ここにあるそのものをよく観察することも食を守る、自分の健康を考えることになるのではないかと思います。
もう「全部やる」という呪いから解き放たれた方がいい。
全部やる(出汁をとったりするのも含めて)のはそれを専門にしてる(料理なら料理人、とかそういう専門性)人に任せたらいいと思う。
その上で「このお出汁がおいしかったから使いたい」とかならそれでいい。
「出汁も自分でやらないと」と思っているならその呪いは現代には必要ないんだよ、って近くにいる人が言ってあげたらいいと思う。
そういう意味でこれから自炊しようかなと思う人、自炊してないけど食生活は考えないとな、と思っている人に向いている内容かな、と思います。