ミモザ日記65y

ちょっと気になるあんな事 こんな事!

        ときどきパセリ登場
   
   

96歳 はいからさんのキッチンライフ

2012-04-06 | 日記

                 年期の入った木べらは作者の宝物

                                    

              

  図書館には10日に一度位立ち寄り挿絵の素敵な本や字の大き目の読みやすそうな

  本を何冊か借りて楽しんでいるのだけれど先日ふっと手にしたのが藤木菊枝 さんのこの本。

     96歳はいからさんのキッチンライフ から

   ・・・・・・・・でもわたしはまだ「死」 より「生」にこだわっていきたいと思っています。

   幸いなことにおいしいものをおいしいと感じられる味覚はありますし、世の中のことにまだまだ

   興味があります。 そしてなによりわたしには「料理」があります。大勢の人の前で教えることは

  できないにしても、食べることの楽しみ、こだわり、そして料理することの喜びなど、まだまだ

  伝えることがあるような気がしているのです。そのためにも、もう少し、もう少しだけ生きていたいと

  思っています。

  九十六年間、本当にいろいろなことがありました。 悲しかったことや、苦労したこと、戦争で

  生きるか死ぬかの体験もしました。それでもなんとか生き延びて、いま、こうして静かで

  落ち着いた生活をすることができています。これはきっと、頑張ってきたわたしへの「ごほうび」

  だと思って,そのごほうびを喜んで受け入れようと思いながら、わたしは生きていきます。

     ・・・・・人間誰でもいつかは命が終わるときが来ます。 早すぎる死もあるし長い、充実した

  生もあります。 きっとそれぞれがそれぞれの使命を全うして、燃え尽きて、そうして天国に

  召されていくのでしょう。あまりにも短い命で終わった人生を嘆くのではなく、そんな考えでいようと

  私は思っています。長生きをすればするだけ、出会いも多く訪れるし、別れも多く経験します。

  そう思っていなくては悲し過ぎますものね。

  しかし、私に残る、旅立っていった人たちのキラキラとした印象は、みな、誰れでも同じように

  鮮やかに、わたしの胸を締め付けます。いつになったらみんなと再会できるかわかりませんが、

  私にはもう少し「修行」が必要なのだと、遠くでみんなが笑っているような、気もします。

 

       明治40年生まれの一人の女性の凜とした生き様 こころに 残る1冊でした。

 

               大好きなミモザの花が咲きました。