ただおの不定期日記

主に映画の感想など。たまに違う話題も書くかもしれません。

銀河鉄道9994Kリマスター版

2024-12-16 13:18:54 | 映画

劇場公開中の999を久しぶりに。前に観たのはメトロ劇場でのフィルム上映でした。たまたまYouTubeで観た予告の画質がよさげだったので観てみようと思い、足を運んでみました。

入場のときに記念品でなんと無期限のパスが(笑

なかなかファン心理をくすぐる演出です。

フィルムのときはあの独特の画面の揺れが「ああフィルムだなあ」という感じでしたが、当然ながらそんな揺れもなく、画質もはっきりきれいでした。

さて、見始めて感心したのはむしろ音の方でした。劇伴もSEも、現代の映画と言っていいくらいの音質に仕上げられていて、聞きやすく、迫力も感じられる。

映画体験の半分は音だというのはルーカスだったかと思いますが、なんだか印象新たな感じで観られました。そして今からすれば声優陣もとても豪華です。

なんと言っても個人的には城達也さんのナレーションがたまりませんね。


雪の花 ともに在りて

2024-11-19 11:25:08 | 映画

去年エキストラに参加させてもらった作品の完成披露試写会にお誘いいただき、行ってきました。

吉村昭さん原作の小説の映画化。監督は黒澤組だった小泉堯史氏。それだけでも贅沢な映画ですが、なんとフィルム撮影だったそうです。参加したときに一度NGを出してしまいましたが、その後にフィルムだと聞いてびびりました。

スタッフも監督さんも丁寧で、監督は撮影終了後にエキストラに控え場所にまで来られて挨拶をしてくださいました。撮影中も近くにいたADさんはわざわざ私の名前を確認して、「では○○さん、次は・・」のように名前で呼んでくださいました。田舎にUターンする前に1年ちょっとエキストラをやっていましたが、名前で呼んでもらうことはほぼありませんでした。1回あったくらいと記憶しています。

そして直接お世話になった助監督のSさんは脚本も書かれており、しかも娘さんが映画用にキャラクターのイラストを描かれたとかで、お弁当の熨斗や記念にいただいたトートバッグにもデザインされていました。

主人公は松阪桃李さん演じる実在の幕末の医師、笠原良策。天然痘を予防するための種痘の普及に尽力されたとのことで、そのお墓は福井藩主である松平家の菩提寺、大安禅寺に祀られています。

要するに天然痘ワクチンであり、今の時代にぴったりな話題ですね。映画の中でも、「そんなもんで子供に角でも生えたらどうするんだ」という庶民の不安が出てきます。

京都にオランダ医学を学びに行くのですが、その先生である日野鼎哉(役所広司)から、「名を求めず、利を求めず」と教えられ、ただただ人々を救うために尽力したことが極めて抑えた演出で描かれます。

芳根京子さん演じる妻も肝が据わった立派な奥さんで、夫の背中を押し、留守を守り、協力者を説得するという、夫婦そろっての人物なのでした。

良策自身は「自分は立派な人間などではない」と言いますが、疱瘡(天然痘)から人々を救いたいという一心で困難を克服していく様子が胸を打ちます。漢方医ながらオランダ医学に興味を持ち、種苗を入手するための手立てを講じ、実際に牛痘を植えた幼児を連れて雪の中峠を越えるという、よい手段が見つかったとしても、それを実践することの困難とそれに立ち向かう姿がこの映画の見所です。

自分はエキストラとしては通行人で後ろ姿で写っていますが、知り合いの地元の役者さんたちも活躍しています。是非劇場で見ていただきたいと思います。

そして終盤、あの「侍タイムスリッパー」にも出演されていたとある切られ役の方が出演されていたのがなんか嬉しかったです(笑。こちらもご注目。

いずれにしろ、素晴らしい映画の一部として参加できたのは一生の宝です。

医者は人の命を救いたいと思うもの。それは昔も今も変わらないはずだと思いますね。


自主映画「フクイの休日」

2024-10-06 22:08:30 | 映画

さて、前に編集していると書いていた自主映画、「フクイの休日」がとりあえず完成して、9月22日に初披露を迎えました。

とりあえず、というのは、本編が47分という長さで、この日の上映会では主催者の計らいで上映していただけましたが、いろんな映画祭などに出品しようとすると30分という目安が結構あるので、それは別途バージョンを作ろうとはしています。

一応予告編のリンクをあげておきます。

(たまたまですが)今年は「ローマの休日」の日本公開70周年に当たります。狙ったわけではないのですが笑。

当日も少し舞台上でお話もさせてもらいましたが、企画の始まりはプロデューサーが3年ほど前に初めて「ローマの休日」を見て、あんな映画がいい、と言いだしたのが始まりでした。いいと言うポイントは、「ラストの切なさ」でした。それならほぼ大筋はいただいてしまおう、と言うところから始まり、それにいろいろと自分の好みを入れ込んだ話になりました。

そして、去年撮影を始めたのですが、いろいろあって主役が降りて交代となり、それにつれてキャスト交代もあり、今年撮影を再開できました。上映会の主催者さんには撮影から随分とお世話になっていたので、まずはこの上映会に間に合わせるのが自分の目標でした。

当日の上映会では11作品中、一番長い物でしたが、いくつか好評もいただいたのでまずはよかったかなと。

とはいえ、当然厳しいご意見も、なるほどというところも多々あるので、なかなか面白い映画を作るのは大変だなと・・・

やはり30分バージョンのほうがいろいろ参加はしやすいので、そちらも頑張らねばというところです。


侍タイムスリッパー

2024-10-06 21:22:40 | 映画

見てきました。今話題の自主映画、1館から全国公開に拡大したという、あの「カメ止め」に続く快挙ですね。

そして、よく見るポスター画像、侍が後ろ向きで空に入道雲が出ているやつ、その雲が「時」を思い出させていいんですが(笑)、でかでかとネタバレ文言が真ん中に書かれていて、ここには上げません笑。

いやー実に面白い映画でした。笑って泣けて、そして自分は「背筋が伸びた」映画でした。しかし内容に触れてしまうとすぐネタバレになってしまいそうなので、まずはネタバレしないようちょっと書いてみます。

後の方でネタバレを書くかもですが、そこは予告します。できるだけ、情報を入れずに見ていただきたいです。自分も、SNSでついある情報を読んでしまって、しまったと思いましたが後の祭り。そこを知って観るかどうかで感想が違ってきたかもしれないとも思いましたが、まあそれでも十分面白かったのでよしとします。

武士が現代にタイムスリップするというのはこれまでもいくつかあります。やはり時代の差のギャップで笑わせたり泣かせたり、というのは似ているのかもしれませんが、この映画はとてもシンプルなネタながら、いろいろ考えさせられます。背筋が伸びたのもギャップ故でしょうが、このあたりは感じ方なので、私は、ということです。

この映画の安田監督は、切られ役で有名だった福本清三さんに本来は出てもらいたかったそうですが、残念ながら亡くなられた福本さんに代わり出演された峰蘭太朗さんが素晴らしく、映画を和ませつつも引き締めるという、年を重ねているからこその役柄でした。

自分も自主映画をささやかながら作っているせいか、やはり作る側の気持ちに大きく感情移入してしまいます。とはいえ、自主映画といいながら、まず撮影の素晴らしさに目を奪われました。プロが撮ったんだろうと思うような撮影で、SNSでもとある監督さんが書かれていましたが、一般に知られていなかっただけで、腕はプロ、簡単には撮れないと。ホントにその通りだと思います。

知り合いの人は、見終わった後に小学生が「あーおもしろかった!」と言うのを聞いたそうです。自分は、年配の男性が掃除に入ってきた女性スタッフに「面白かったよ」と声をかけるのを見ました。それだけいろんな人の心を動かす映画なんですね。いやマジで、そんな映画作ってみたい笑。

安田監督自身、「カメ止め」で劇場が爆笑に包まれているのを見て、「やっぱり観客は笑いを求めているんだ」と思ったそうです。そして劇場でこの「侍タイムスリッパー」を見てたくさんの人が笑っているのを見て手応えを感じたそうです。やはり今の時代、笑いが求められてるんですかね。

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さて、ちょっとだけネタバレで書いてみます。なんで背筋が伸びたのか。

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それは、やはりサムライの生き方が自分にはまねできないなと思ったからだろうなと思います。そんな覚悟を持って、人生に向かっているのか。

ラスト、(これで最後かもしれない)撮影に向かって、本当に命がけで二人がそれに向き合っている、というのが見えてきて、それは見事に冒頭の伏線回収でもあるわけですが、だからこその緊張感が、背筋を伸ばさせたんだと思うのです。ここは私の好きな映画「イン・ザ・ヒーロー」を思い出しました。これもいい映画なのでおすすめです。「武士道」という言葉も出てきます。

そしてオチもちゃんと伏線回収になっているという、ニヤッとさせられるいい終わり方でした。

監督自身がサムライなんだろうなあ。自分はサムライになれるのやら。


編集よもやま話

2024-09-17 13:57:47 | 映画

前にも書きました、MBA M3で編集してるわけですが、ついうっかり(笑、カラーグレーディングなるものに足を踏み入れ(捕られ)てしまいました。

ざっくりいえば映像の明るさや色の調整のことですが、調整と言うより、作品のテーマやそのシーンの意味合いなども考慮して、どういう見た目に仕上げるかというとてもクリエイティブな作業で、とても一筋縄ではいきません。詳しくはネットに情報がいくらでもあるのでそちらに譲りますが、実際に映画の撮影に使われるフィルムの映像を再現できるような設定データ(LUT)も何種類もあったりして、それこそいろんな知識と経験なしにはその選択すらままなりません。当然そんな知識も経験もろくにない自分がめくらでやっても単なるかっこ付けに終わるだけなので、全体の明るさや黒レベルの調整、色の濃淡、カットごとの見た目を合わせるなど、基本的なことしか出来ません。要はグレーディングというより調整ですね。

10数年前の仕事で圧縮画像の画質評価の仕事をやったりしていたのが多少役に立っているかなと思いつつ、それでも編集中の50分近い作品の調整はいつまたっても終わらないのではないかと思うくらいでした。

まあそんな愚痴はさておいて、色を観るには基準になる物が必要だろうということで、モバイルディスプレイを買ってみました。

Amazonのタイムセール中に買えました。MBAと変わらない13.3インチというサイズでケースもついており、持ち運び可能なのと、有機ELであること、デジタルシネマの色空間の一つのDCI-P3準拠をうたうのでそれなりに正確な色再現ができるのではないかという期待からでした(単なる言い訳ともいう笑)。

いざつないでみるとなかなかに濃い色表現で、Macともテレビとも違います。一応HDで作っていますのでカラープロファイルは709にしていますが、赤の範囲の違いなのか、この濃さは独特です。ELということもあるかもしれません。

これで調整するとつい濃くしてしましがちだなあと思いつつ、やはり作品をどう仕上げたいかをしっかり持っていないと、泥沼にはまりますね(笑

今時らしく接続はUSB-CとHDMI。MBA本体はUSB-Cが2ポートだけなので、SSDもテレビもこのモニタも、となるとハブが必須。ということで4K対応の映像出力ポートを含む4ポートのハブを買ったのはいいのですが。

商品ページの説明をよく読んでおけばよかったんですが、ディスプレイ接続可能なポートには電源が供給されないのでモバイルディスプレイには対応しません、と書かれていました。えー。さらに、USB-CからHDMIに変換するケーブルも電源がないので動作しないんですね。その方法でテレビにもつなごうとしたのですが表示せず。残念。

しょうがないのでHDMI出力ポート付きのハブを別途購入し、モバイルディスプレイはMBA本体につなぐことで本来の目的は果たせました。めでたし。

さて、ついでにテレビの愚痴を。HDMI1にBDレコーダー、HDMI2にPCを接続していますが、BDレコーダーの視聴中にPCのスリープが解除されると、1秒ほどテレビ表示が真っ暗になります。最初何が起きたのかわからなかったので、心臓によくありませんな(笑 

ちょっと設計に難ありではないですかねえ。それと、特に地上波をみていると妙に黄色っぽくみえます。この辺は好みもあると思うのですが、やはり気になってしまいます。TCLは画質の評価が高いようですが、このあたり、個人的には前のHiSenseの方が好みかな・・・

細かいことが気になってしまうのは、もちろん性格もありますが、カラーグレーディングなんぞやり出したせいだろ、という話もありますけどね・・・笑

(友人からは「順調に沼ってますね」と揶揄されております笑)