『マイノリティ・リポート』
トム・クリーズ主演、スティーブン・スピルバーグ監督による
近未来SFアクション。
2054年のワシントンD.C.。
犯罪予知システムが開発され、殺人の存在しない社会を創り上げた。
それは、3人の予知能力者"プリコグ"の予言によって未来に起こる犯罪を事前に予知し、実際に事件が起きる前に犯人を逮捕するというもの。
その犯罪予防局の犯罪取締チームの主任アンダートン(トム・クルーズ)の前に犯罪予知システムの不備を探る司法局のウィットワー(コリン・ファレル)が現れる。
そんなある日、アンダートンはプリコグの予言によって自分が殺人を犯す事を知る。プリコグの予言した映像には、見ず知らずの男に銃を向け引き金を引く自分の姿・・・
なぜ自分が殺人を?なぜ見ず知らずの人間を?
タイムリミットの予告時間まで36時間。
アンダートンは真実を暴くべく、ウィットワーの執拗な追跡と都市に張巡らされた探知網をかいくぐり逃亡。殺人予知システムを考案したハイネマン博士(ロイス・スミス)のもとへ向ったアンダートンは彼女から
ごく稀にプリコグのビジョンが一致しない時、
少数報告(マイノリティ・リポート)は破棄される。と知らされる。
だがしかし、オリジナル・レポートは一番優れたプリコグの脳に残っていると。
冤罪のケースが有得る事を知ったアンダートンはプリコグのアガサ(サマンサ・モートン)のオリジナル・レポートをダウンロードしようと彼女を連れ出した。
自らの容疑を晴らすべく真相を探るうちに、
これまで携わってきた犯罪予知システムに隠された陰謀。
そしてプリコグの予言した殺人現場でアンダートンが目にしたもの・・・
その真実とは結末はいかに!
面白かったです。最後までドキドキしながら観てしまいました。
2054年----近未来。
街の中心部全てがテクノロジーによって形成、維持されていた。
新聞記事は常に最新のニュースが映し出され、
電光掲示板は自分の名を呼びCMを繰り返す。
そして街中に網膜走査が張巡らされ常に自分の居場所が特定される。
けれど未来的な中心部から一歩出ると薄汚いスラム街がそのまま残され、
レンガ造りの住宅街、木々が普通に存在する。
そのアンバランスさが、急激に発展し、変化しようとしている様子を
とてもよく表現していると思う。
プリコグが予知した画像を特定していくシーン・・・あの動きは一体(笑)
あそこまで完璧な動作をしなければ画像をプレビューできないのか!と
そんな面倒な機械いらんわ!と笑ってしまったんですが、時遅しでしたね。
トムの顔がアップになり「ハワード そこはどこだ?」と言った時点で自爆。
不覚にもトムの唇に目を奪われてました、、、。
とても手入れの行き届いた柔らかく吸い付くようなあのピンク色の唇に(爆)
つーか、日に日にスウィートなトム・クルーズも許せる自分がいるんですけど。
あー、怖いねぇ。マジックだねぇ。
あれだけ「トム・クルーズ本人には全く興味が無い」と断言していたのに・・・
根性なし!!>オレ様
まぁ、そんな事はどうでもいいんですが、
この作品、プリコグの映し出すビジョンがかなりサスペンスちっくで、
一見すると重い印象すら受けるんですが、中身は至ってツッコミ所満載。
面白要素もいっぱいで重々しくなく観れる内容となっています。
プリコグのアガサがアンダートンに飛びつき「あれが見える?」と怯えた様子で
訴えるサマンサの表情ったら、ホラーさながらの迫真の演技でございます。
あの顔にマジで
ビクーーーゥッ!!ってしちゃったもの。
普段の彼女は結構かわいいのに坊主にしたうえに眉まで剃ってしまって・・・
(しかもトムまでも坊主に・・・)
しかもGAPが2054年にもそのまま存在してるのはいかがなものか。
別にGAPが後世に残るかとかいう事ではなく、今現在知った名前のショップが
まんま使われた事に笑ってしまい、そこでアガサの服を選ぶアンダートンが
ワタシの予想に反し意外な行動をとったのも可笑しかった。
えぇーーっ?!一応サイズにはこだわるの?(笑)みたいな。
でもそれもまた細部にこだわった結果なんだろうとひとりで納得。
熱探知のスパイダーも機械のくせに応用の利く頭イイし、ちょっとかわいいし。
スパイダーにアンダートンが見つかってしまうか否かのドキドキシーンですら
コミカルさは忘れてなくて。
あと、司法局のウィットワーが事件の真相に近づく重要なシーン。
にも係らず、血のりのパックが入ってます!って見た目に判る装着にがっくり。
書ききれないほどワタシの失笑とツッコミを誘うシーン満載な作品ですが、
もちろんシリアスで切ないシーンも満載で。
アンダートンが部屋で息子とララ(元妻)の映像を観るシーンがワタシは好き。
何度も何度も繰り返し観たであろう映像にあの頃と同じように話し掛け、
過去にトリップするアンダートンを"END OF FILE"の文字が切なく現在に引き戻す。
子供や妻を愛している彼の心情がよく出ていたと思います。
なんでしょうねぇ、システムを存続させるべくそこには常に完璧さを求め、
完璧であることの為に不完全さは常に切捨てる。
人間は常に「完璧」を求め、切捨てたりウソをつく動物だということを
うまく表現していて、お金のため、名誉のため・・・あらゆる欲によって
形成されたものはシステムも人間も必ずどこかで歪みが生じるっていう、
ちょっと考えさせられる内容でした。
それとこの作品、主役はアンダートンだけど、一番の被害者はプリコグであり、
アガサだっていうのも切ない話で。
全体的に重々しい感じではないけどやっぱり切なさは否めない内容かも。