● このキャンプが始まった14年前から、物心両面にわたってずっと応援してくださっているOさんの農園にお邪魔した。島寿司パーティーのためのサワラのおねだりが本題だったのだが、話は「養蜂箱が盗まれた」というところから始まった。
激怒しているOさん夫妻。
(いくらの損害になるのだろうか…)などと考えつつ話を聞いていると、話は思わぬ展開になった。何がって、Oさんの憤りを誘っているのは自分の被害(何と、Oさんは怒った蜂に刺されてもいたのだ)よりも、帰る家のなくなった蜂への思いだったから。
「家がなくなったら蜂はすぐに死んじゃうんですよ」
(えー、気になってるのはそっちなの?)
Oさん夫妻はまだ捕まらぬ犯人に対しての怒り(蜂たちの帰る家を奪ったその行為に対してだ)と蜂に対する心配を語り続けた。
● 父島にはこんな人がいるのだ。
私は(いくらの…)などとまず考えてしまった自分を恥じた。(でもこっちが極々普通の思考でしょ?)
● Oさんは、電気も水道も通っていないこの山奥の農園に、都会で心を病んだ人を呼んで作業をさせ、静かに自分を見つめ、元気を回復させるというプロジェクトを進めている。その資金作りのために製塩にも力を入れ、この動きには天下のD通を辞めて島に移り住んだという、めちゃくちゃ頭の切れる爽やかな2人の若者も加わっている。山の開墾にカウンセラーを寄越さないかとのお誘いもいただいているのだが、それは未だ実現していない。(でもなんだかこんなドキドキするプロジェクトには関わりを持たせてもらいたいなぁ)
● 事前の子どもたちへの泳力アンケートでは、「お魚と泳ぎたい!」が希望NO.1だったのだけれど、“お魚と泳ぐこと”以上に、“こんな人”との出会いを子どもたちに提供することが意味あることだと思っている。 (つづく)
2001年のキャンプ報告より うめ
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