おどるなつこ 「あしおとがきこえる?」

タップダンサー・振付家おどるなつこの日常から浮かびあがることばを束縛せず書きとめています。2005年開設。

気づく

2019-06-07 | あしもとからの思索
だれもが傷をもっている。
傷を修復しようとしてやってきた細胞が変異してしまったものががんであると、BankART入居アーティストが話していた。悪いものと疎んでいたことを申し訳なく思うと。

なんだかお腹が痛いとき、そこに手を当てて深呼吸しているうちに痛みは消える。何らかの傷に気づくこと。
癒えるのに何年もかかる傷もあり、何年も溜めてきた小さなものが深い傷になることもある。

まっすぐに自分を感じることは難しい。
客体という考え方では身体を自身ではなくお客様として感じてみる。小さなことをないがしろにせず、気づくこと。それができてやっと他者に出会えるのだろう。それまでは自分の妄想の中の相手としか、出会えていないのかもしれない。

“私”と出会う方法のひとつにアートがある。
内在している、まだ表にあらわれていないことがカタチになる。自ら方法を編み出す人もいるし、誰かのみつけた方法で歩みを深めてもいい。理解できていなかった小さななにかに気づき、気づくと次の段階にいける。

私にとっては、稽古は上手くなるためのものではなく、そんな自らを感じるための習慣。そこに、さまざまなヒントがある。




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