傍聴絵日記

@さいたま地裁傍聴席

パーキンソン治療薬の副作用(北本、判決)

2014年11月30日 | 刑事事件
平成26年(わ)第880号 

櫻井 雅彦 

過失運転致傷、道路交通法違反

【概要】
パーキンソン病治療薬ミラペックスを服用後自動車事故を惹起し、逃走した被告人。
弁護側は薬の副作用の突発性睡眠により責任を問えないとして無罪を主張。
検察は事故前後にはほ正常な運転をしている事から、過失運転過失傷害の成立を主張。
(一時、走行中に蛇行が認められるが、カーオーディオの操作の為と結論)
薬物による副作用の影響は否定したかたちですが、結構な頻度で交通事故を多数回繰り返す被告人は副作用の影響を否定出来ないと感じます。他方、副作用の影響を理解した本人が平気で運転する事の悪質性も強く感じ、運転する事自体犯罪行為に等しいと感じます。本件事故後、帰宅途中に別の物損事故を起こしていますから、殆ど無事に運転出来ない様です。

しかも、本件事故後には事故車両を処分して証拠隠滅を図っています。

【最終弁論】
事故を起こした直後に、車外へ出て事故対応をしなかった理由を、交通量が多くてドアを開けるのが困難だった旨の無いが言いたいのか全く判らない弁解を始めます。
(以前はパーキンソンで身体を動かせないと述べていました)

根本的に、病気と犯行は関係ない気がします。同様な状況で逃げるか否かは薬の副作用では無いでしょう。
本件は薬物の副作用を既知であったことから、危険運転致傷罪が適用されると思ったのですが、過失運転致傷にとどまりました。

【求刑】
懲役1年2月

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