オカマ率100%の被告人に判決

平成２６年（わ）第７８５号

坂道 武彦

道路交通法違反、自動車運転過失傷害、私印偽造、私印不正使用

【概要】
過去の違反で被告人は運転免許取り消し処分を受けた。

しかし，その後再取得していない。

平成２５年知人から犯行時に使用した自動車と仕事道具の溶接機を併せて譲り受けたと言います。

同年７月運転を依頼できる従業員が不在で止む無く自身で現場への運転を余儀なくされました。
免許取り消し後、１０年程ぶりの運転のため追突事故を起こしてしまいました。
(逆に運転が慎重になるので、本件事故の様な気の弛みが原因と思われる事故は発生しにくいと感じますが)
事故後、無免許の発覚を恐れ、警察の取り調べに実兄の名を名乗りますが、実兄の免許は失効中でした。で、本件犯行が発覚します。実兄とは元々不仲で交流も乏しかったといいます。

同年９月同様に無免許運転中、追突事故を起こしますが無免許発覚を恐れ、今度は逃走します。しかし、良心の呵責からか自分で警察に匿名の通報をします
「犯人は逃走しました」と。

前回の証人尋問では無免許運転をしたのは事故を起こした計２回だけですと述べました。
被告人は、運転すると100％の確率で追突事故を起こしてしまうようです。

犯行時に使用した自動車は現在は処分し、車を運転する必要の無い職種に転職し裁判に望みます。

【判決】
懲役２年6月執行猶予５年 訴訟費用は本人の負担とする。
まさにギリギリで、社会内での更正が許されました。

【注釈】
１回目の事故で実兄を騙り，自身の指印を使用したのが私印偽造、私印不正使用にあたります。

懲りずに起こした２度目の事故と併せて、道路交通法違反、自動車運転過失傷害の罪にあたりますが。
５月２０日法改正後の現在であれば、無免許運転過失傷害が適用されたことでしょう。