妊婦に対する強制わいせつ

平成２９年（わ）第１０３４号

山口 康裕

強制わいせつ

【概要】
妊婦に対する強制わいせつ容疑の否認事件の模様です

妊娠中の被害女性の下腹部や胸を（弁護人曰く）本人の同意を得て触ったと弁解していますし、衣服や下着の中に手を入れたり、陰部に直接触れたわけではない様ですから被告人が被害女性にしたこれらの行為が強制わいせつに当たるのかが争点になると思われます

被告人が、よく訪れる喫煙スペースで出会った被害女性と話しているうちに腹部の膨らみに興味を抱くのは理解出来なくもありませんが、 初対面（？）の見ず知らずの男性が触っても良いかと言うとさてどうなんでしょうか

その時点で被害女性に強く拒まれ無かったと述べていますから、その時の被害女性の反応が被告人の無罪主張の根拠なのでしょう
しかしながら、被害女性が妊娠中で無ければ、行為単体としては完全にわいせつ行為ですし、その後に被害女性の胸にも触れていますからわいせつ目的を完全には否定出来ないと感じます

被害女性が「天然さん」だった場合、本件の様に強く拒まない事も十分考えられますし、被害女性が後日談として知人に話した場合、普通の感覚では被告人の行動は怪しいヘンタイさんにしか見えませんから、警察などへ相談すことを勧められたのではないでしょうか（そして、現在に至る…）

親族以外の妊婦さんのお腹に触れるのは控えるべき模様です