【第61話】
はるの着物姿を見た貴彦は男としてのけじめをつける決心を。
しかし、一人になるとはるは苦悩せずにはいられなかった。
しのぶから大切な着物を譲られても心がまだ揺れてしまうのだ。
そんなはるはつい遥子を頼ってしまう。
遥子にこれまで自分より他人を優先してきた今までの生き方を指摘されるはる。
そればかりか、遥子にもう一度、歌手を目指すために東京に旅立つと言われ驚いてしまう。
同じように貴彦も、はるを心から愛していたが、どうしても周作のことを思ってしまう。
そんな彼を夏目は自信を持ってと励ます。
貴彦はしのぶにもはると一緒に湯之国屋を守り立てていくつもりだと改めて宣言する。
その夜、湯之国屋に、若い女性・瑞希が泊まりにくる。
そわそわして、人の目を気にする瑞希の態度に、しのぶは不審を持つ。
しかし、そんな客にも精一杯の接客をするはるの姿を見て、
信頼できる“娘”が出来る喜びをまたかみしめるのだった。
翌朝、よそのホテルからの連絡で、
瑞希が当日の結婚式から逃げ出した花嫁であることがわかる。
まもなく、瑞希を連れ戻しに両親が駆けつけ、
父親は首に縄をつけてでも結婚式に出させると息巻くが、
とりあえず、はるが仲介役をかってでる。
はるは瑞希から事情を聞く。好きな人と別れさせられて、
父親の言いなりに結婚を決めたが、やはり彼のもとへ行く、と言うのだ。
自分の心情と照らし合わせ何も言えないはるだった。
【第62話】
意に添わぬ結婚をやめ、本当に愛している彼の元に行きたいと言う瑞希。
はるはそんなことは自分勝手だと言いながら、自分のこともあり、
瑞希をこっそり逃がしてしまう。
それを見た周作は、皆に迷惑がかかるようなやり方ははるらしくない、とはるを非難。
自分は他人のことばかりを考えているような出来た人間ではないと、はるは涙ながらにつぶやく。
二人のやりとりを偶然聞いていたしのぶは、はるの周作への思いに気づいて愕然とする。
はると周作もしのぶに気づき、気まずい思いをする。
はるは瑞希の件をしのぶに謝罪するが、
貴彦との結婚のことで苦悩していることが手に取るように分かり、何も言えなくなってしまう。
その夜、はるは遥子にだけ事実を打ち明ける。その遥子は明日、
誰にも言わずに東京に行くつもりだと告げる。
その頃、しのぶは周作のもとを訪ね、人のことを思うのだけが優しさで無いと告げる。
その言葉の意味が分かった周作は、しのぶの人間としての懐の深さに言葉もなく、
またつらくなるのだった。
翌朝、はるは遥子を見送る。周作のことを仲のいい友人だと思うことにしたと告げるはる。
遥子はただ一言「けっぱれ」と。
極楽屋に周作が魚を届けに行くと、庄一郎が遥子の置いて行った手編みのマフラーを前に
淋しげな表情を浮かべていた。心では涙を流しながら、
無理に明るく振舞い遥子の門出を周作と祝う庄一郎だった。
翌日ははるの誕生日。貴彦がパーティを計画し、周作も誘うが、漁があると断られる。
そして誕生日当日。しのぶははるに、
湯之国屋で迎える誕生日が最高のものであって欲しいと告げる。
ところがパーティーの準備も整った頃、湯之国屋に衝撃的な電話がかかってくる。
それを受けた貴彦は顔色を変え、「周作の船が…」と。
【第63話】
はるの誕生パーティが開かれようとした矢先、周作の船が連絡を絶った、という知らせが入る。
はるは何も考えられず、無我夢中で旅館を飛び出していた。港の海難救護所へ駆けつけるが、
詳しいことはわからない。今にも泣きださんばかりの顔で取り乱すはるを見て、
後からしのぶとともにやって来た貴彦は、彼女が本当に好きなのは周作だと確信。
親友のことを心配しながら、貴彦の心は乱れてしまう。
湯之国屋全体が重苦しい雰囲気に包まれるなか、その日もはるたちは客を迎えていた。
自分を見失っているはるのほほを典子が突然たたく。それが彼女なりのはげましだった。
不安を乗り越えはるはいつにもまし仕事に打ち込む。
口うるさい主婦3人組の担当になり、はるは嫌な思いをしながら微笑みを絶やさない。
しかしそんな彼女の従順さが逆に主婦たちを苛立たせてしまう。機嫌を直してもらうため、
はるは踊りを披露。典子からその話を聞いたしのぶははるが今、“戦っている”ことに気付き、
はるのもとに駆けつけ、一緒に踊るのだった。
深夜、仕事を終えたはるは、緊張の糸が切れて声を殺して泣く。
周作の安否は依然としてわからなかった。
そこへ、貴彦がやってきて、周作を海に向かわせたのは自分だと告げる。
周作は、誕生パーティーで、貴彦と二人で幸せそうなはるの笑顔を見るのが辛くて、
無理矢理、漁に出ることにしたというのだ。
はるの涙が尽きることはなく、貴彦は自分を責め続け、夜は過ぎていくのだった。
【第64話 最終回】
周作が漁に出ていったことをそれぞれに責めるはると貴彦を、しのぶは温かい優しさで包む。
事務所で言葉もなく、電話を待ち続ける3人。
次の日の早朝。彼らが待っていた、周作が無事だという連絡が入る。
はるは貴彦と周作のもとへ。港に着くと、そこには、今は迷いなく愛していると思える
一人の男が海から還っていた。そんな周作を見つめることしか出来ないはるの背中を
貴彦が後押しする。周作に抱きしめられたはるは安堵の涙を流すのだった。
二人のそんな姿を見た貴彦は自分の恋が終わったことを認め、
それでも前向きに生きていく決心をする。しのぶはいつしか人を思う強さを手に入れていた
息子の成長を笑顔で受け入れる。湯之国屋の従業員たちも周作が無事だったことを喜ぶが、
一方で貴彦の気持ちも思いやる。無理のない支配人の笑顔に一同は救われる思いがする。
はるも貴彦にあやまろうとするが、はるの幸せが自分の幸せだと言う彼の言葉が
胸に優しく染みる。
そればかりかしのぶからも周作とのことを祝福され、
人としてのしのぶの大きさに言葉を無くす。
はるは秘かに別れの決意をしていた。皆も素直に周作とのことを認めてくれたが、
その思いやりに甘えることは出来ないとさらに思う。
周作も貴彦を極楽屋に呼び出し、はるとのことをわびるが、
貴彦は、はるを幸せにしてくれればそれだけでいいときっぱりと言う。
その夜、厨房では夏目と典子がはるの今後のことを話していた。
二人は、はるが旅立つつもりでいることを気がついていた。
偶然その会話を聞いてはるは静かにその場を立ち去る。
誰もいないロビー。はるはこれまでのことを思い出し、静かに涙を流す。
次の日の早朝。はるは一人で旅館の隅々まで掃除する。そしてしのぶに旅立つことを告げる。
しかし、しのぶはそれを認めない。
湯之国屋も自分もはるなしではやっていけないというしのぶの言葉にはるは感謝し、
この旅館で仲居の仕事を頑張る決意をする。
周作が魚を届けるためにトラックで遠出することになり、はるはそれを見送りに。
そこははるが一番最初に周作のトラックから降りたった場所だった。
はるはおにぎりを渡すが、その大きさに周作は苦笑いする。
「本当にいいところだね、登別温泉って」。
「私、ずっとここで仲居続けるよ」
「結婚しても、ずっとね」
はるはこの地で幸せを見つけたのだった。その笑顔は誰よりも輝いていた。
何があってもこれからも、がんばれ、がんばりまっし、がんばるじー、そしてけっぱれ、はる!
はるの着物姿を見た貴彦は男としてのけじめをつける決心を。
しかし、一人になるとはるは苦悩せずにはいられなかった。
しのぶから大切な着物を譲られても心がまだ揺れてしまうのだ。
そんなはるはつい遥子を頼ってしまう。
遥子にこれまで自分より他人を優先してきた今までの生き方を指摘されるはる。
そればかりか、遥子にもう一度、歌手を目指すために東京に旅立つと言われ驚いてしまう。
同じように貴彦も、はるを心から愛していたが、どうしても周作のことを思ってしまう。
そんな彼を夏目は自信を持ってと励ます。
貴彦はしのぶにもはると一緒に湯之国屋を守り立てていくつもりだと改めて宣言する。
その夜、湯之国屋に、若い女性・瑞希が泊まりにくる。
そわそわして、人の目を気にする瑞希の態度に、しのぶは不審を持つ。
しかし、そんな客にも精一杯の接客をするはるの姿を見て、
信頼できる“娘”が出来る喜びをまたかみしめるのだった。
翌朝、よそのホテルからの連絡で、
瑞希が当日の結婚式から逃げ出した花嫁であることがわかる。
まもなく、瑞希を連れ戻しに両親が駆けつけ、
父親は首に縄をつけてでも結婚式に出させると息巻くが、
とりあえず、はるが仲介役をかってでる。
はるは瑞希から事情を聞く。好きな人と別れさせられて、
父親の言いなりに結婚を決めたが、やはり彼のもとへ行く、と言うのだ。
自分の心情と照らし合わせ何も言えないはるだった。
【第62話】
意に添わぬ結婚をやめ、本当に愛している彼の元に行きたいと言う瑞希。
はるはそんなことは自分勝手だと言いながら、自分のこともあり、
瑞希をこっそり逃がしてしまう。
それを見た周作は、皆に迷惑がかかるようなやり方ははるらしくない、とはるを非難。
自分は他人のことばかりを考えているような出来た人間ではないと、はるは涙ながらにつぶやく。
二人のやりとりを偶然聞いていたしのぶは、はるの周作への思いに気づいて愕然とする。
はると周作もしのぶに気づき、気まずい思いをする。
はるは瑞希の件をしのぶに謝罪するが、
貴彦との結婚のことで苦悩していることが手に取るように分かり、何も言えなくなってしまう。
その夜、はるは遥子にだけ事実を打ち明ける。その遥子は明日、
誰にも言わずに東京に行くつもりだと告げる。
その頃、しのぶは周作のもとを訪ね、人のことを思うのだけが優しさで無いと告げる。
その言葉の意味が分かった周作は、しのぶの人間としての懐の深さに言葉もなく、
またつらくなるのだった。
翌朝、はるは遥子を見送る。周作のことを仲のいい友人だと思うことにしたと告げるはる。
遥子はただ一言「けっぱれ」と。
極楽屋に周作が魚を届けに行くと、庄一郎が遥子の置いて行った手編みのマフラーを前に
淋しげな表情を浮かべていた。心では涙を流しながら、
無理に明るく振舞い遥子の門出を周作と祝う庄一郎だった。
翌日ははるの誕生日。貴彦がパーティを計画し、周作も誘うが、漁があると断られる。
そして誕生日当日。しのぶははるに、
湯之国屋で迎える誕生日が最高のものであって欲しいと告げる。
ところがパーティーの準備も整った頃、湯之国屋に衝撃的な電話がかかってくる。
それを受けた貴彦は顔色を変え、「周作の船が…」と。
【第63話】
はるの誕生パーティが開かれようとした矢先、周作の船が連絡を絶った、という知らせが入る。
はるは何も考えられず、無我夢中で旅館を飛び出していた。港の海難救護所へ駆けつけるが、
詳しいことはわからない。今にも泣きださんばかりの顔で取り乱すはるを見て、
後からしのぶとともにやって来た貴彦は、彼女が本当に好きなのは周作だと確信。
親友のことを心配しながら、貴彦の心は乱れてしまう。
湯之国屋全体が重苦しい雰囲気に包まれるなか、その日もはるたちは客を迎えていた。
自分を見失っているはるのほほを典子が突然たたく。それが彼女なりのはげましだった。
不安を乗り越えはるはいつにもまし仕事に打ち込む。
口うるさい主婦3人組の担当になり、はるは嫌な思いをしながら微笑みを絶やさない。
しかしそんな彼女の従順さが逆に主婦たちを苛立たせてしまう。機嫌を直してもらうため、
はるは踊りを披露。典子からその話を聞いたしのぶははるが今、“戦っている”ことに気付き、
はるのもとに駆けつけ、一緒に踊るのだった。
深夜、仕事を終えたはるは、緊張の糸が切れて声を殺して泣く。
周作の安否は依然としてわからなかった。
そこへ、貴彦がやってきて、周作を海に向かわせたのは自分だと告げる。
周作は、誕生パーティーで、貴彦と二人で幸せそうなはるの笑顔を見るのが辛くて、
無理矢理、漁に出ることにしたというのだ。
はるの涙が尽きることはなく、貴彦は自分を責め続け、夜は過ぎていくのだった。
【第64話 最終回】
周作が漁に出ていったことをそれぞれに責めるはると貴彦を、しのぶは温かい優しさで包む。
事務所で言葉もなく、電話を待ち続ける3人。
次の日の早朝。彼らが待っていた、周作が無事だという連絡が入る。
はるは貴彦と周作のもとへ。港に着くと、そこには、今は迷いなく愛していると思える
一人の男が海から還っていた。そんな周作を見つめることしか出来ないはるの背中を
貴彦が後押しする。周作に抱きしめられたはるは安堵の涙を流すのだった。
二人のそんな姿を見た貴彦は自分の恋が終わったことを認め、
それでも前向きに生きていく決心をする。しのぶはいつしか人を思う強さを手に入れていた
息子の成長を笑顔で受け入れる。湯之国屋の従業員たちも周作が無事だったことを喜ぶが、
一方で貴彦の気持ちも思いやる。無理のない支配人の笑顔に一同は救われる思いがする。
はるも貴彦にあやまろうとするが、はるの幸せが自分の幸せだと言う彼の言葉が
胸に優しく染みる。
そればかりかしのぶからも周作とのことを祝福され、
人としてのしのぶの大きさに言葉を無くす。
はるは秘かに別れの決意をしていた。皆も素直に周作とのことを認めてくれたが、
その思いやりに甘えることは出来ないとさらに思う。
周作も貴彦を極楽屋に呼び出し、はるとのことをわびるが、
貴彦は、はるを幸せにしてくれればそれだけでいいときっぱりと言う。
その夜、厨房では夏目と典子がはるの今後のことを話していた。
二人は、はるが旅立つつもりでいることを気がついていた。
偶然その会話を聞いてはるは静かにその場を立ち去る。
誰もいないロビー。はるはこれまでのことを思い出し、静かに涙を流す。
次の日の早朝。はるは一人で旅館の隅々まで掃除する。そしてしのぶに旅立つことを告げる。
しかし、しのぶはそれを認めない。
湯之国屋も自分もはるなしではやっていけないというしのぶの言葉にはるは感謝し、
この旅館で仲居の仕事を頑張る決意をする。
周作が魚を届けるためにトラックで遠出することになり、はるはそれを見送りに。
そこははるが一番最初に周作のトラックから降りたった場所だった。
はるはおにぎりを渡すが、その大きさに周作は苦笑いする。
「本当にいいところだね、登別温泉って」。
「私、ずっとここで仲居続けるよ」
「結婚しても、ずっとね」
はるはこの地で幸せを見つけたのだった。その笑顔は誰よりも輝いていた。
何があってもこれからも、がんばれ、がんばりまっし、がんばるじー、そしてけっぱれ、はる!
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