<第21回>「若女将へのエール」
珠子が脳溢血で、あっけなく他界。かなえは悲しみを乗り越えて、一人気丈に頑張るが、従業員たちは緊張の糸が切れたようで、かなえの女将としての技量にも、疑問を感じる。
そんななか、はるだけはかなえを信じて、励まし続ける。
珠子の初七日も無事終わり、かなえは従業員たちにねぎらいの言葉をかけ、お疲れ会を開く。かなえを見直した一同は、若女将の支えとなって、信州屋をもりたてていこう、と気持ちを新たにする。
その翌日、はるが客の土井夫婦を予約してあった部屋に案内すると、そこにはすでに、中年客の萌子と美代子が浴衣姿でくつろいでいた。
<第22回>「大きくなる亀裂」
仲居シズ子の手違いで、ダブルブッキングが起こり、土井夫婦の予約していた部屋には、すでに先客がいた。
かなえはなんとかして土井夫婦に別の部屋に泊まってもらおうとするが、土井夫婦は怒って帰ってしまう。自分の未熟さを改めて思い知らされたかなえは、大女将に一歩でも近づこうと必死に努力する。
が、はる以外の仲居たちは不満を持ち、勝人も経営者としての実力を示さない限り、従業員はついてこない、とクールなまなざし。
そんな折、かなえがシズ子の掃除の仕方や電話のメモの取り方について、厳しく注意する。シズ子はダブルブッキングのことをかなえが根に持っていると思い泣き伏す。
<第23回>「女将バッシング」
かなえは立派な女将になろうと、何もかも一人で背負い込み、しゃかりきになる。はるはかなえがますます孤立するのを心配するがそんな矢先、かなえが業者への支払いを忘れて、食材が届かないというトラブルが起こる。
従業員たちはかなえへの不信感を募らせ、投げやりなムードが広がる。
はるはかなえに忠告。
が、かなえは今の状況では人任せにできない、と全く耳を貸さない。
先代からの大切な客、作家の真理子が信州屋に来る。
執筆を始めた真理子の部屋は、くしゃくしゃに丸められた原稿で散らかるが、仲居の志保がそれを掃除。真理子は、大切な原稿を返せ、と怒りだす。
<第24回>「あこぎな引き抜き」
大切な原稿を捨てられた真理子は激怒。はるはゴミをチェックするが、原稿は見つからない。
そこへ、編集長の上島が原稿を取りにくる。真理子は逃げ出し、美鈴に姿を隠す。
力を落とすかなえに、勝人は、女将の暖簾が重いのなら、信州屋を買い取らせてもらおうか、と容赦がない。
翌日、仲居の三人が美鈴に引き抜かれて、辞めていく。
かわりに、派遣の仲居が来るが、かなえに失望した板長の龍二は、自分も美鈴へ行く、と言いだす。
かなえはそれを引き止めようともせず、はるにもどこへでも行ってもいい、と告げる。
<第25回>「女将、辞めます!」
仲居に続いて、板長はじめ、板場の二人も信州屋を去っていく。
翌朝、はるは派遣の板長西嶋と朝食の用意をして、未来、そして彼女の友達、恵と彩にも手伝ってもらう。
そこへ、真理子が顔を出す。出版は中止したといい、原稿を捨ててもらって、かえってよかったと。
女将としての自信をなくしたかなえは、はるに出ていってほしいと言い渡し、勝人に信州屋を引き受けてほしいと頼む。
勝人は断り、はるがどんなにかなえのことを思っているか、訴える。かなえははるに謝り、一緒に新しい信州屋を作っていこうと手を取り合う。
まもなく、従業員たちも戻ってくる。
<第26回>「帰ってきた風来坊」
かなえを中心に、新しい信州屋作りが始まる。はるはかなえの片腕となって働くが、仲居の南はそんなはるにライバル意識を燃やす。
客の入りの良くない信州屋に、珠子を偲んで昔馴染の客がつめかける。信州屋から案内の手紙が届いたというが、誰も書いた覚えがない。
はるが、旅館をのぞいていた不審な男をつかまえる。男の顔を見たかなえは驚愕。珠子の次男・浩二だった。家出をしていた浩二は、珠子の遺影の前で、親不孝を泣いて謝る。
未来の遊び仲間、恵が万引きを見つかり、店員に怪我をさせる。未来の所に逃げ込んできた恵は、錯乱のあまりはるに包丁をつきつける。
<第27回>「はるが人質に・・・」
万引きを見つかり、パニック状態になった恵は、はるに包丁をつきつけ、食堂に立てこもる。恵の母親・典子が駆けつけるが、恵はいつも優秀な姉と比較されている不満をぶつける。
なりゆきを見守っていた浩二が、自分も優秀な兄に対して恵と同じ気持ちを抱いていたと言い、大切なのは自分の道を歩くことだ、と訴える。
恵は泣きながら典子の胸に飛び込み、二人で店に謝りにいく。
浩二が下働として信州屋で働き始める。一から出直す決意だが、過去の浩二を知っているシズ子は半信半疑。
そんなとき、南が突然、辞めると言いだす。はるは引きとめようとするが・・・・・・。
<第28回>「涙のチームワーク」
若い女性、真名美と理恵が信州屋に来て、大学時代の友人で、副支配人の南を呼んでほしいという。嘘がばれる前に逃げ出すつもりの南だったが、真名美らに見つかり、馬鹿にされる。
そんなとき、南のミスで客の早崎から頼まれていた芸者の手配ができなくなる。
責任をとって、辞めるという南。はるは南のために一肌脱いで、自分が芸者になると言いだす。
すると、かなえも志保もシズ子も協力すると。
そこへ、浩二が別の温泉から芸者を連れてきてくれる。
真名美たちはやさしい人たちに囲まれている南を羨ましく思い、南に意地悪なことを言ったのを謝る。 南は仕事に張り切る。
<第29回>「1年前の悲劇」
浩二が信州屋に戻ってきたのを知った勝人は、彼が本当に立ち直ったのかどうか危ぶむ。かつて、浩二はかなえに思いを寄せ、居づらくなって飛び出したという。
車椅子に乗った琴美と、義弟の辰徳が信州屋に泊る。琴美は毎年、夫と信州屋を利用していたが、交通事故で夫は即死。自分も重傷を負い、歩く気力をなくしていた。
事故以来落ち込んでいる琴美を、何とか励ましたい辰徳。が、琴美はもう自分にはかまわないでほしいと拒絶する。
その夜、車椅子の琴美が廊下で転倒。通りかかった未来が、あわてて助けを呼ぶ。
<第30回>「許されぬ愛の告白」
車椅子で転倒した琴美は惨めさに打ちひしがれ、ますます自分の殻に閉じこもる。辰徳の琴美への愛を見抜いた浩二は、辰徳に自分の気持ちを琴美に伝えるべきだと忠告。が、かなえは反対する。見るに見かねた浩二は、辰徳の気持ちを琴美に伝える。琴美は苦しみのあまり泣きだす。かなえは琴美と話し合い、やさしく励ます。
翌朝、歩く意欲をとり戻した琴美は、辰徳にもうしばらく自分を支えていてほしいと言い、二人で帰っていく。
皆の推薦で、浩二が支配人になる。そんな矢先、浩二はかなえに愛を告白する。
<第31回>「悪質な嫌がらせ」
かなえは浩二から愛を告白されるが、その気持ちを受け入れることができないので、何も聞かなかったことにする。
翌日、かなえも浩二も平静さを装う。その日の午後、浩二の手配で、雑誌の取材が信州屋に来る。はるも“名物仲居”として、カメラにおさまる。
一週間後、雑誌にとりあげられたおかげで、信州屋に問い合わせの電話が殺到する。
そんなとき、宿泊客の部屋に石が投げられ、くつろいでいた老夫婦がパニック状態になる。さらに、不吉なことに、雑誌の信州屋の記事の燃えカスが、旅館の裏手に落ちていた。
<第32回>「あどけない犯人」
客室への投石事件で、信州屋の宿泊客たちが騒ぎだす。勝人が心配して駆けつけるが、浩二が土下座をして、客たちの怒りをしずめる。
深夜、はるが投石の犯人を見つけ、つかまえる。まだ少年の将太で、「その女のせいだ」と、仲居の志保を指さす。志保は将太の父親と結婚の約束をしたが、騙して逃げたという。その夜は浩二が将太の面倒をみる。
途方に暮れる志保に、シズ子は非難の言葉を浴びせかける。すると、志保は突然、豹変して、シズ子にくってかかる。シズ子は志保の頬を平手打ち。志保も平手を返して、つかみ合いになる。
<第33回>「もてもて支配人」
翌日、志保は将太に謝る。将太から父親は別の女性と結婚したと告げられ、ショックを受ける志保。
その夜、志保とシズ子が再び大喧嘩。志保は本当は将太の父親を愛していたことを告白。シズ子も家庭の悩みを打ち明ける。
将太が新しい母親に馴染まないのを知った志保は、シズ子の忠告で、わざと将太に冷たい態度をとる。志保の本当の気持ちが伝わった将太は、「ありがとう」と言って、帰っていく。
この事件がきっかけで、仲居たちの団結はまた一段と強くなった。
そんなとき、勝人がいつになく険しい表情で、浩二を呼び出す。はるは不安げに二人を見送る。
<第34回>「事情のある母子」
浩二を呼び出した勝人は東京での浩二の生活を調べたことを告げ、浩二が多額の借金をかかえていること、女性と同棲していたことを指摘する。
そこへ、はるが来る。浩二はやり直したい気持ちを訴え、はるは浩二を応援する。
その日、はるは心臓発作を起こした麻衣子を助ける。五歳の息子・タケルを連れた麻衣子は世をはかなんで自殺を図ろうとする。
はるはすんでのところで思いとどまらせ、かなえに頼んで、麻衣子を仲居として雇ってもらう。
その夜、寮の部屋に落ち着いた麻衣子は、先ほどまでの表情とはガラリと変わって、冷酷にタケルを殴りつける。
<第35回>「ずるがしこい職人」
深夜、浩二が信州屋の厨房に勝人を呼び出す。改心したふりをしていた浩二は勝人にばれそうになり、勝人にばれそうになり、勝人を陥れるため、自ら食器棚に突っ込み、勝人のせいにする。
浩二に騙されたかなえらは、勝人を非難。勝人は一言も弁解せずに去るが、はるに、「目を覚ませ。おまえしかいないんだ」と、耳打ちしていく。
翌日、はるは、タケルが浩二に親しそうに話しかけるのを見て、不審に思う。
実は、麻衣子は浩二の愛人で、浩二を追いかけて信州屋にもぐりこんだのだ。
その夜、はるが繰り返し料理の説明をしたにもかかわらず、麻衣子のミスをして、鍋が沸騰。客に火傷をおわせる。
<第36回>「忍び寄る悪の手」
客に火傷をおわせた麻衣子のミスに対して、浩二は教育係のはるに注意する。はるは、まるで自分を陥れるような麻衣子の行動に、不安が広がる。
翌日、浩二の手配で、かなえと龍二は別府へ視察に出かける。
その朝、麻衣子が再び、うっかりミスをして、客に迷惑をかける。はるが注意すると、麻衣子は大げさに泣きだし、皆の同情をかう。はるはいつのまにか自分が孤立しているのを感じる。
麻衣子は自分に好意を持っている公平に泣きつき、はるから「目障りだから出て行け」と言われたと嘘をつく。
さらに、タケルがはるから虐待されたような芝居をする。
<第37回>「しかけられた罠」
柳生が奇跡的に回復した翌朝、健作が病院にやってくる。柳生は弟とその息子健作に家 浩二の罠にはめられたはるは、皆から白い目で見られ、何を言っても信じてもらえなかった。
はるは未来に、浩二と麻衣子の関係を調べるよう頼む。
が、浩二は、はるは自分にふられた腹いせをしているだけだ、と未来を丸め込む。
はるは浩二と対決。浩二は、信州屋を自分のものにするのが狙いだ、と本性をあらわし、麻衣子は愛人だと告げる。
そして、かなえに余計なことを話したら、信州屋を潰す、と脅迫する。
まもなく、かなえが視察旅行から帰ってくる。はるは皆を守るために、屈辱に耐え、浩二の言いなりになる。
<第38回>「帰ってきた源さん」
浩二に脅迫されたはるは手も足も出なかった。
そんなとき、勝人が九州から源さんを連れてくる。はるは、浩二を信州屋から追い出すよう源さんに助けを求めるが、源さんは首をふる。小さい頃からの浩二の唯一の味方だった源さんは、浩二の改心するのを信じているという。
信州屋を訪ねた源さんは浩二とにこやかに話をする。はるに呼ばれて来たのか、と憮然とする浩二に、自分は浩二の本当の顔を知っている、自分の前では素直になってほしい、と語りかける。
はるを追い出す必要性を感じた浩二は、次の手を打つ。
サラリーマン風の篠宮と田畑が信州屋に来る。
<第39回>「はる、危機一髪!」
その夜、はるは腹痛でうずくまっているタケルを見つける。ひとまず寮の部屋に寝かせ、麻衣子を探しにいくが、客の篠宮に無理矢理、部屋に引っ張り込まれ、襲われそうになる。
浩二の仕業だった。危ういところで、源さんが助けにきてくれる。
源さんは浩二を信じようとした自分を悔やむ。
が、浩二を慕うタケルの気持ちを知ったはるは、浩二を信じてみようと思う。
タケルは神経性胃炎だった。はるは男に依存している麻衣子を叱り、タケルの支えになるべきだと訴える。
麻衣子はタケルと二人で信州屋を出る決心をする。タケルの涙を見たはるは、麻衣子を引き止めるが、突き飛ばされ、意識を失う。
<第40回>「涙、涙の旅立ち」
麻衣子に突き飛ばされ、意識を失ったはるは、まもなく目を覚ますが、立ちくらみを起こした、とその場を取り繕う。
翌日、麻衣子は皆に浩二の悪事を暴露して、信州屋を去っていく。浩二は、麻衣子が旅館の金に手をつけようとしたからクビにした、彼女の話は全てでたらめだと言い逃れる。
借金の取り立て屋から、浩二に催促の電話がかかる。焦った浩二は金庫から権利書などを持ち出そうとして源さんに見つかる。
そこへ、はるが麻衣子親子を連れて戻ってくる。はるをはじめ、皆のやさしい気持ちに接した浩二は号泣。再出発を誓って、麻衣子、タケルとともに旅立っていく。
珠子が脳溢血で、あっけなく他界。かなえは悲しみを乗り越えて、一人気丈に頑張るが、従業員たちは緊張の糸が切れたようで、かなえの女将としての技量にも、疑問を感じる。
そんななか、はるだけはかなえを信じて、励まし続ける。
珠子の初七日も無事終わり、かなえは従業員たちにねぎらいの言葉をかけ、お疲れ会を開く。かなえを見直した一同は、若女将の支えとなって、信州屋をもりたてていこう、と気持ちを新たにする。
その翌日、はるが客の土井夫婦を予約してあった部屋に案内すると、そこにはすでに、中年客の萌子と美代子が浴衣姿でくつろいでいた。
<第22回>「大きくなる亀裂」
仲居シズ子の手違いで、ダブルブッキングが起こり、土井夫婦の予約していた部屋には、すでに先客がいた。
かなえはなんとかして土井夫婦に別の部屋に泊まってもらおうとするが、土井夫婦は怒って帰ってしまう。自分の未熟さを改めて思い知らされたかなえは、大女将に一歩でも近づこうと必死に努力する。
が、はる以外の仲居たちは不満を持ち、勝人も経営者としての実力を示さない限り、従業員はついてこない、とクールなまなざし。
そんな折、かなえがシズ子の掃除の仕方や電話のメモの取り方について、厳しく注意する。シズ子はダブルブッキングのことをかなえが根に持っていると思い泣き伏す。
<第23回>「女将バッシング」
かなえは立派な女将になろうと、何もかも一人で背負い込み、しゃかりきになる。はるはかなえがますます孤立するのを心配するがそんな矢先、かなえが業者への支払いを忘れて、食材が届かないというトラブルが起こる。
従業員たちはかなえへの不信感を募らせ、投げやりなムードが広がる。
はるはかなえに忠告。
が、かなえは今の状況では人任せにできない、と全く耳を貸さない。
先代からの大切な客、作家の真理子が信州屋に来る。
執筆を始めた真理子の部屋は、くしゃくしゃに丸められた原稿で散らかるが、仲居の志保がそれを掃除。真理子は、大切な原稿を返せ、と怒りだす。
<第24回>「あこぎな引き抜き」
大切な原稿を捨てられた真理子は激怒。はるはゴミをチェックするが、原稿は見つからない。
そこへ、編集長の上島が原稿を取りにくる。真理子は逃げ出し、美鈴に姿を隠す。
力を落とすかなえに、勝人は、女将の暖簾が重いのなら、信州屋を買い取らせてもらおうか、と容赦がない。
翌日、仲居の三人が美鈴に引き抜かれて、辞めていく。
かわりに、派遣の仲居が来るが、かなえに失望した板長の龍二は、自分も美鈴へ行く、と言いだす。
かなえはそれを引き止めようともせず、はるにもどこへでも行ってもいい、と告げる。
<第25回>「女将、辞めます!」
仲居に続いて、板長はじめ、板場の二人も信州屋を去っていく。
翌朝、はるは派遣の板長西嶋と朝食の用意をして、未来、そして彼女の友達、恵と彩にも手伝ってもらう。
そこへ、真理子が顔を出す。出版は中止したといい、原稿を捨ててもらって、かえってよかったと。
女将としての自信をなくしたかなえは、はるに出ていってほしいと言い渡し、勝人に信州屋を引き受けてほしいと頼む。
勝人は断り、はるがどんなにかなえのことを思っているか、訴える。かなえははるに謝り、一緒に新しい信州屋を作っていこうと手を取り合う。
まもなく、従業員たちも戻ってくる。
<第26回>「帰ってきた風来坊」
かなえを中心に、新しい信州屋作りが始まる。はるはかなえの片腕となって働くが、仲居の南はそんなはるにライバル意識を燃やす。
客の入りの良くない信州屋に、珠子を偲んで昔馴染の客がつめかける。信州屋から案内の手紙が届いたというが、誰も書いた覚えがない。
はるが、旅館をのぞいていた不審な男をつかまえる。男の顔を見たかなえは驚愕。珠子の次男・浩二だった。家出をしていた浩二は、珠子の遺影の前で、親不孝を泣いて謝る。
未来の遊び仲間、恵が万引きを見つかり、店員に怪我をさせる。未来の所に逃げ込んできた恵は、錯乱のあまりはるに包丁をつきつける。
<第27回>「はるが人質に・・・」
万引きを見つかり、パニック状態になった恵は、はるに包丁をつきつけ、食堂に立てこもる。恵の母親・典子が駆けつけるが、恵はいつも優秀な姉と比較されている不満をぶつける。
なりゆきを見守っていた浩二が、自分も優秀な兄に対して恵と同じ気持ちを抱いていたと言い、大切なのは自分の道を歩くことだ、と訴える。
恵は泣きながら典子の胸に飛び込み、二人で店に謝りにいく。
浩二が下働として信州屋で働き始める。一から出直す決意だが、過去の浩二を知っているシズ子は半信半疑。
そんなとき、南が突然、辞めると言いだす。はるは引きとめようとするが・・・・・・。
<第28回>「涙のチームワーク」
若い女性、真名美と理恵が信州屋に来て、大学時代の友人で、副支配人の南を呼んでほしいという。嘘がばれる前に逃げ出すつもりの南だったが、真名美らに見つかり、馬鹿にされる。
そんなとき、南のミスで客の早崎から頼まれていた芸者の手配ができなくなる。
責任をとって、辞めるという南。はるは南のために一肌脱いで、自分が芸者になると言いだす。
すると、かなえも志保もシズ子も協力すると。
そこへ、浩二が別の温泉から芸者を連れてきてくれる。
真名美たちはやさしい人たちに囲まれている南を羨ましく思い、南に意地悪なことを言ったのを謝る。 南は仕事に張り切る。
<第29回>「1年前の悲劇」
浩二が信州屋に戻ってきたのを知った勝人は、彼が本当に立ち直ったのかどうか危ぶむ。かつて、浩二はかなえに思いを寄せ、居づらくなって飛び出したという。
車椅子に乗った琴美と、義弟の辰徳が信州屋に泊る。琴美は毎年、夫と信州屋を利用していたが、交通事故で夫は即死。自分も重傷を負い、歩く気力をなくしていた。
事故以来落ち込んでいる琴美を、何とか励ましたい辰徳。が、琴美はもう自分にはかまわないでほしいと拒絶する。
その夜、車椅子の琴美が廊下で転倒。通りかかった未来が、あわてて助けを呼ぶ。
<第30回>「許されぬ愛の告白」
車椅子で転倒した琴美は惨めさに打ちひしがれ、ますます自分の殻に閉じこもる。辰徳の琴美への愛を見抜いた浩二は、辰徳に自分の気持ちを琴美に伝えるべきだと忠告。が、かなえは反対する。見るに見かねた浩二は、辰徳の気持ちを琴美に伝える。琴美は苦しみのあまり泣きだす。かなえは琴美と話し合い、やさしく励ます。
翌朝、歩く意欲をとり戻した琴美は、辰徳にもうしばらく自分を支えていてほしいと言い、二人で帰っていく。
皆の推薦で、浩二が支配人になる。そんな矢先、浩二はかなえに愛を告白する。
<第31回>「悪質な嫌がらせ」
かなえは浩二から愛を告白されるが、その気持ちを受け入れることができないので、何も聞かなかったことにする。
翌日、かなえも浩二も平静さを装う。その日の午後、浩二の手配で、雑誌の取材が信州屋に来る。はるも“名物仲居”として、カメラにおさまる。
一週間後、雑誌にとりあげられたおかげで、信州屋に問い合わせの電話が殺到する。
そんなとき、宿泊客の部屋に石が投げられ、くつろいでいた老夫婦がパニック状態になる。さらに、不吉なことに、雑誌の信州屋の記事の燃えカスが、旅館の裏手に落ちていた。
<第32回>「あどけない犯人」
客室への投石事件で、信州屋の宿泊客たちが騒ぎだす。勝人が心配して駆けつけるが、浩二が土下座をして、客たちの怒りをしずめる。
深夜、はるが投石の犯人を見つけ、つかまえる。まだ少年の将太で、「その女のせいだ」と、仲居の志保を指さす。志保は将太の父親と結婚の約束をしたが、騙して逃げたという。その夜は浩二が将太の面倒をみる。
途方に暮れる志保に、シズ子は非難の言葉を浴びせかける。すると、志保は突然、豹変して、シズ子にくってかかる。シズ子は志保の頬を平手打ち。志保も平手を返して、つかみ合いになる。
<第33回>「もてもて支配人」
翌日、志保は将太に謝る。将太から父親は別の女性と結婚したと告げられ、ショックを受ける志保。
その夜、志保とシズ子が再び大喧嘩。志保は本当は将太の父親を愛していたことを告白。シズ子も家庭の悩みを打ち明ける。
将太が新しい母親に馴染まないのを知った志保は、シズ子の忠告で、わざと将太に冷たい態度をとる。志保の本当の気持ちが伝わった将太は、「ありがとう」と言って、帰っていく。
この事件がきっかけで、仲居たちの団結はまた一段と強くなった。
そんなとき、勝人がいつになく険しい表情で、浩二を呼び出す。はるは不安げに二人を見送る。
<第34回>「事情のある母子」
浩二を呼び出した勝人は東京での浩二の生活を調べたことを告げ、浩二が多額の借金をかかえていること、女性と同棲していたことを指摘する。
そこへ、はるが来る。浩二はやり直したい気持ちを訴え、はるは浩二を応援する。
その日、はるは心臓発作を起こした麻衣子を助ける。五歳の息子・タケルを連れた麻衣子は世をはかなんで自殺を図ろうとする。
はるはすんでのところで思いとどまらせ、かなえに頼んで、麻衣子を仲居として雇ってもらう。
その夜、寮の部屋に落ち着いた麻衣子は、先ほどまでの表情とはガラリと変わって、冷酷にタケルを殴りつける。
<第35回>「ずるがしこい職人」
深夜、浩二が信州屋の厨房に勝人を呼び出す。改心したふりをしていた浩二は勝人にばれそうになり、勝人にばれそうになり、勝人を陥れるため、自ら食器棚に突っ込み、勝人のせいにする。
浩二に騙されたかなえらは、勝人を非難。勝人は一言も弁解せずに去るが、はるに、「目を覚ませ。おまえしかいないんだ」と、耳打ちしていく。
翌日、はるは、タケルが浩二に親しそうに話しかけるのを見て、不審に思う。
実は、麻衣子は浩二の愛人で、浩二を追いかけて信州屋にもぐりこんだのだ。
その夜、はるが繰り返し料理の説明をしたにもかかわらず、麻衣子のミスをして、鍋が沸騰。客に火傷をおわせる。
<第36回>「忍び寄る悪の手」
客に火傷をおわせた麻衣子のミスに対して、浩二は教育係のはるに注意する。はるは、まるで自分を陥れるような麻衣子の行動に、不安が広がる。
翌日、浩二の手配で、かなえと龍二は別府へ視察に出かける。
その朝、麻衣子が再び、うっかりミスをして、客に迷惑をかける。はるが注意すると、麻衣子は大げさに泣きだし、皆の同情をかう。はるはいつのまにか自分が孤立しているのを感じる。
麻衣子は自分に好意を持っている公平に泣きつき、はるから「目障りだから出て行け」と言われたと嘘をつく。
さらに、タケルがはるから虐待されたような芝居をする。
<第37回>「しかけられた罠」
柳生が奇跡的に回復した翌朝、健作が病院にやってくる。柳生は弟とその息子健作に家 浩二の罠にはめられたはるは、皆から白い目で見られ、何を言っても信じてもらえなかった。
はるは未来に、浩二と麻衣子の関係を調べるよう頼む。
が、浩二は、はるは自分にふられた腹いせをしているだけだ、と未来を丸め込む。
はるは浩二と対決。浩二は、信州屋を自分のものにするのが狙いだ、と本性をあらわし、麻衣子は愛人だと告げる。
そして、かなえに余計なことを話したら、信州屋を潰す、と脅迫する。
まもなく、かなえが視察旅行から帰ってくる。はるは皆を守るために、屈辱に耐え、浩二の言いなりになる。
<第38回>「帰ってきた源さん」
浩二に脅迫されたはるは手も足も出なかった。
そんなとき、勝人が九州から源さんを連れてくる。はるは、浩二を信州屋から追い出すよう源さんに助けを求めるが、源さんは首をふる。小さい頃からの浩二の唯一の味方だった源さんは、浩二の改心するのを信じているという。
信州屋を訪ねた源さんは浩二とにこやかに話をする。はるに呼ばれて来たのか、と憮然とする浩二に、自分は浩二の本当の顔を知っている、自分の前では素直になってほしい、と語りかける。
はるを追い出す必要性を感じた浩二は、次の手を打つ。
サラリーマン風の篠宮と田畑が信州屋に来る。
<第39回>「はる、危機一髪!」
その夜、はるは腹痛でうずくまっているタケルを見つける。ひとまず寮の部屋に寝かせ、麻衣子を探しにいくが、客の篠宮に無理矢理、部屋に引っ張り込まれ、襲われそうになる。
浩二の仕業だった。危ういところで、源さんが助けにきてくれる。
源さんは浩二を信じようとした自分を悔やむ。
が、浩二を慕うタケルの気持ちを知ったはるは、浩二を信じてみようと思う。
タケルは神経性胃炎だった。はるは男に依存している麻衣子を叱り、タケルの支えになるべきだと訴える。
麻衣子はタケルと二人で信州屋を出る決心をする。タケルの涙を見たはるは、麻衣子を引き止めるが、突き飛ばされ、意識を失う。
<第40回>「涙、涙の旅立ち」
麻衣子に突き飛ばされ、意識を失ったはるは、まもなく目を覚ますが、立ちくらみを起こした、とその場を取り繕う。
翌日、麻衣子は皆に浩二の悪事を暴露して、信州屋を去っていく。浩二は、麻衣子が旅館の金に手をつけようとしたからクビにした、彼女の話は全てでたらめだと言い逃れる。
借金の取り立て屋から、浩二に催促の電話がかかる。焦った浩二は金庫から権利書などを持ち出そうとして源さんに見つかる。
そこへ、はるが麻衣子親子を連れて戻ってくる。はるをはじめ、皆のやさしい気持ちに接した浩二は号泣。再出発を誓って、麻衣子、タケルとともに旅立っていく。
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