不滅のApinkが広げる大人な音楽領域

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不滅のApinkが広げる大人な音楽領域



「Apink」、新曲「Dumhdurum」発売=デビュー10年でも変化し続けるコンセプト




　コンセプトを変化させながらもApinkは前向きの姿勢を失っていない。清純性の領域に留まりながら、まだまだこのグループを守り続けていくぞの強い気迫を感じさせてくれる。
　新曲「Dumhdurum」MVを視聴し、一ファンとして今なお感動を覚えて嬉しかった。Apinkにはまだまだ第一線で活躍を続けていってほしい。彼女たちの清純性と透明感には素晴らしいものがある。
　人生前期の青春には二つの姿がある。一人で自然に受け入れていく二十代後半までの青春と心身の充実するそれ以降の青春である。二つ目の青春（結婚、子育ての重要な岐路を含め）こそが自分の個性を特化させる時期である。
　Apinkの音楽からは彼女らの二つ目の青春の”まっすぐ”な生き方が見えるし、Apinkファンは長続きする気もする。

　2010年にK-POP中興の原動力となったガールズはKARAと少女時代だった。両者の登場と活躍ぶりは多くのK-POPファンの知るところだが、この勢いも十分な消化を果たさず、下降に転じることになる。
　K-POPの実勢が低迷したというより、K-POPの中興を発現させた日本は諸般の事情でK-POP受け入れの窓口を小さくしてしまった。結果、KARAや少女時代の日本向け業績は悪化の一途を辿るしかなかったのである。
　よくよく考えると2010年のK-POP中興は日本と韓国の蜜月によって成したボーナスみたいな業績だった。高い場所から俯瞰してみると、K-POPは確かに世界の国々に浸透は見せていたけれど、日本で沸き返った人気が世界中に及んでいたわけではなかったのだ。



　つまり、他国のK-POP人気は日本での低迷期くらいがちょうどのレベルだった。
　中国や台湾、香港の近場は別にし、東南アジアから欧米その他がK-POPをマイナーでなく本格レベルで受け入れだすのは、日本で中興時代の幕が閉じた2013〜2015年からだと思われる。日本のK-POPは他国の事情に合わせてもう一度スタートラインに並んだようなものである。
　Apinkはこの時期に日本にやってきて行脚を続けた。KARAと少女時代でさえ減らしたK-POP人気だったから、それを減らさなければ御の字の困難な行脚だった。
　しかし、低迷期であってもK-POPファンは根強かった。Apinkのツアーを見に来て声援を送った。次世代の芽生えが感じられるような若いファンが集って黄色い声援を送った。Apinkの洗練された可愛さは十分それに応えた。
　思い返せばこの時期、K-POP人気を減らさない勢いを保っていられたのは彼女たちくらいのものだった。あのKARAでさえ、会場に空席が見られたというほどだったから。
　Apinkが日本の活動でK-POP人気低迷に活を入れ、次世代のガールズを勢いづけたのは皮肉なことだった。
　その頃、すでにデビューしていたBTS、オーディションを通じて生まれようとしていたTWICEらの胎動があり、ApinkがK-POP人気の低迷時を支えたガールズとして役割を終えようとしていたのは皮肉な現実だった。
　
　しかし、Apinkはタイトル曲「Dumhdurum」でカムバックし、今をときめくIZ*ONEや(G)I-DLEに劣らぬステージを見せてくれる。
　大人な彼女たちのステージはこれまでになかったすばらしさである。
　音楽ステージは常に新しく前向きでこれでなくちゃあ…！
　



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