雨の記号(rain symbol)

佐藤将棋

 NHK杯将棋対局の決勝戦を見る。森内名人と佐藤棋聖の対決であった。序盤から複雑な駆け引きがあり、後手森内名人の再度の六四角が先を見通した手で、中盤から一気にリードしたと見えたが、今期の佐藤棋聖は少々の劣勢をものともしない。五九に回った飛車切りから角を持って攻勢に転じ、森内名人を防戦一方に追いやって寄せ切ってしまった。
 長編小説にない短編小説独特の味わいであった。
 奥の深い読みに裏打ちされているのに、われわれ素人の目には単純明快と映る攻めであった。巨木が鋭利なものに瞬時に切り取られた印象であった。
 敵陣の弱点をとらえて刈り取っていく諸葛孔明に似て、佐藤将棋は大胆不敵、剛直にして鋭い。この強さはここしばらく続くと見た。次期も台風の目となることであろう。
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