雨の記号(rain symbol)

　　４人テティソ

2014-07-31 20:27:21

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　練習でひと汗かき、休憩を取っているところにユナがスタジオに顔を出した。
「今日は集まりがいいね」スヨンが皆を見回して言った。「あと、テヨンとサニーがくれば全員集合じゃない」
「二人なら談話室に来てるよ。みんなを呼んできてって言われたから呼びにきた。今から緊急会議やろうって」
「緊急会議だって！」
　ティファニーの大きな声にみんなはびっくりした。耳に指を入れた。
「ここはステージじゃないから抑えて抑えて」
　ヒョヨンのジョークにユナは大きな口で笑う。
「それで何の会議？」
「さあ・・・呼んできてって言われたから・・・会議というよりは相談事みたい」
「何だ。緊急会議なんていうから何事かと思った。リーダーのお呼びだ。ともかくいってみようよ」
　ヒョヨンに続いてみんな立ち上がる。スタジオを出る。
　談話室ではテヨンとサニーが身体を寄せ、スマホに見入っていた。
　スヨンがテヨンのそばに腰をおろした。二人が見ているスマホを覗き込むようにする。
「相談って何？」
　テヨンは顔を上げる。スヨンを見てみんなを見回す。
「それだけど・・・サニーがね、自分もテティソに入りたいと言い出したんだ。
みんなの意見を聞こうと思って」
　みんなはサニーに目を注ぐ。
「どうしたの急に？　熱にでもうなされた？」
　サニーは両頬に手を当てる。うっとりした目でいう。
「私、そんなに妬ける顔？」
「やっぱり熱が出たようだね」
　ヒョヨンがサニーの額に手をあてる。
「どういうこと？　早く話して。私とあなたはともかく、他の者は忙しいんだから」
「だから私、テティソに入りたい」
「それは聞いた。入りたい理由よ」
「ブログ見たんだって」
　テヨンが横で言った。
「３人じゃなく４人テティソがいいってブログを」
「えっ、ウソーッ！　そんなこと書いてるブログがあるの？」　　
　ティファニーが大きな声で訊ねた。
「ほら、抑えて抑えて」とヒョヨン。「話がみんな外に聞こえちゃう」
「私がたまに見に行くブログよ。久しぶりにアクセスしたらこのことを書いてあったんだ」
「さっき私も見せてもらった」
　テヨンは頷いた。
「私たちのことをまずまずのペースで取り上げてるブログよ。４人テティソのことも書いてある。４人テティソになってKARAや後輩グループのRed Velvetとガチンコ対決やればいい、って言ってる。私たちはユニット活動なのにね」
「私、それ読んですごく刺激受けた。今のテティソもいいけど、私も加わり４人テティソを始めてみたいと思った。それでね、みんなの意見聞きたくなったんだ。別に私でなくてもいいのよ。私は自分の加わったテティソを一生懸命考えてみた。そしたらアイデアがいっぱい出てきた。自分もやれることありそうだと思った。他の者の４人テティソのコンセプトもいっぱい浮かんできたりしたよ。私の加わった４人テティソをみんなどう思う。みんなの足、引っ張ることになっちゃうかなあ？」　
「それはないと思うな」
　スヨンが言った。ソヒョンと顔を見合わせユナが頷いた。
「そうか・・・サニーの話聞いて、私も４人テティソに加われそうな気がしてきた。ちょっとイメージづくりで時間がかかりそうな気がするけど・・・即戦力ならやっぱ、ジェシカ・・・」
　スヨンははっとして付け足す。
「サニーもイケるよ」
「そうか・・・やっぱりダメか」
　サニーは肩を落とした。
「テティソの面々は黙って聞いてるだけで手を差し伸べてくれないもんね」
　両手で顔を覆った。
「そんなことないです、サニー先輩」
　ソヒョンがうろたえて弁解した。
「入れます入れます、喜んで」
「ほんとに？」
　嘘泣きを解除しサニーは顔を上げた。