雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「愛と、利と」から







韓国ドラマ「愛と、利と」から



 韓国ドラマはよく見ている。
 主として数年前から昔に遡ったドラマを見る機会が多い。


 ネットフリックスに加入してから、新しいドラマを見る機会が増えてきた。


 恋愛中心のドラマは避けてきた。
 試しに見始めたりしても、1話や3話くらいまでの途中で切り上げてしまうことが多い。


 今回も2話の途中くらいまではそんな印象を持ちながら見ていた。




 3話に入っても少しずつ苛立ちは溜まってくる。

 さすがに投げ出そうとした時、「何かが違うな」と思った。



 こんな狭い世界で運命に翻弄されていく話…?



 当初は男女のプライドがぶつかるゲームのように話を追いかけていた。
 だが、どうも様子が違う。
 何か、大きな意図があるのか?


 で、まさかな~と話の行く末が気になりだしたのである。


 当然、監督や演出者らのこのドラマに対する意図や思惑についてもである。



 そこで気になりだしたのは時間と心のとらえ方についてである。



 普通、人は生きる上で時間と心を垂直性でつなげて同期させている。
 時間は過去から未来に向かって流れるものと思わされているからだ。



 しかし、時間は横に流れているものだとしたらどうだろうか。


 そしたら立っている場所は時間に沿って横に流れ、心の方もそれに沿って流れて行かざるを得ない。



 その現象(ストーリ)に従うと2人の恋(ゲーム)は、どんどん沖合に流され、このままでは2度と再会できない大海原へ出てしまうことになる(しかし地球上では最終的に集まる場所があるらしいが)。



 そう考えるとこのドラマのハッピーエンド(終息部)はいささか軽く急仕上げでつじつま合わせみたいになってしまった。



 沖合に流されかけた別離のストーリーを強引に運命の糸で手繰り寄せざるを得なくなったからだ。



 何事もなかったかのようなラストは2人の見た(波乱万丈の夢)だった? 普通に平凡に恋をして結ばれた二人はこんな夢を見てもよいかもしれない。


 2人がそのまま別れの結末なら、茶の間のファンは怒りに駆られ、抗議の電話はむろん、誰かはちゃぶ台をひっくり返す騒ぎとなったに違いない。



 エンタメドラマはどう妥協するかが難しい。
 何かにチャレンジすればするほどそこが難しい。


 終章のバタバタ感は登場人物らに時間と心の垂直性を戻して上げざるを得なかったというところかもしれない。


 まさか、エントロピーの話(世界)がこんな形で出現して来るとは思わなかった。



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