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雨の記号(rain symbol)

善徳女王 第24話から

 ミシルの命を受けたソルォンの捜索隊は次第にトンマンを追いつめていく。そのことを知ったユシンは追っ手たちより早くトンマンを探しだし、合流する。ひょんなきっかけから出会ったピダムの協力も得て、川に逃れ、窮地を脱する。
 一方、ミセンの子・テナムボは信女ソリの言葉を信じるミセンの密命を受け、ソルォンの捜索隊に加わった。毒矢を手に別行動でトンマンの追走を開始し、先にトンマンらを見つける。
 ピダムの案内でトンマンに会えたチョンミョン王女は、彼女の幸せを願って愛するユシンとともに新羅国から逃がしてやろうとする。しかし、トンマンはトンマンでミシルの専横に蹂躙され続ける姉チョンミョン王女を残し、自分一人幸せになっていくことに心残りを覚えていた。
 チョンミョン王女の言葉に従おうとするもののいざ今生の別れとなると辛いのだった。そうするうちにテナムボがトンマンたちに追いついてしまった。テナムボはどちらが王女かと迷ったあげく、チョンミョン王女の方をトンマンと勘違いして毒矢を放ってしまう。矢は彼女の右肩を射抜く。変装して逃れようとしているトンマンの姿が目に残っていたからだった。
 その場を逃れ、洞窟に運び込まれたチョンミョン王女だが、傷が深い上に毒が身体にまわりだしていた。彼女は自分の死を悟った。
 トンマンは姉を助けようとピダムの案内を受け、薬草を仕入れに町へ飛び出すが、そばにいて、と請い願うチョンミョンのもとをユシンは離れることができない。チョンミョン王女の死期を悟ったアルチョンは二人だけを残して洞窟を出る。チョンミョンは、トンマンの女としての幸せをユシンに託して息を引き取る。
 チョンミョン王女の死が知らされ、宮殿は大混乱に陥る。トンマンを始末しようとしたことが思わぬ結果を招き、責任を感じたウルチェは、王女の息子を呼び寄せようとする。宮殿内と民衆の風向きの変化を怖れるミシルもまた、事の重大さにこれまでの作戦を凍結し、事態の沈静化と宮殿の主導権を図るため、チョンミョンの息子チュンチェを王より先に呼び戻すよう指示を出す。
 アルチョンによってチョンミョン王女の亡骸は宮殿に向かった。
 王女の形見の櫛を渡しながら、ユシンはチョンミョンの遺言を伝える。それは数奇な運命にもてあそばれてきた妹を、愛するユシンに託し女としての幸せを願うものだった。しかし、トンマンは、王女の遺言は守れない、と言い出す。その決然とした目と表情は姉の復讐を誓っているかのように見えた・・・


 以上が第24話のまとめだが、三国史記によるとトンマンがシルラ(新羅)の王となるのは632年だから、これはそれ以前の話になる。歴史上の人物はしかるべき地位にのぼりつめるか国を揺るがす役割を果たすかしないと記述されてこないから、ここで動き回る主要人物もその後どういう出来事にかかわり、どういう仕事を成したか、で構想されているようである。
 たとえば、ひょんなきっかけから出会ったキム・ユシンとピダルは、今は友情を育んでいるかに見えるが、善徳女王が終焉を迎える頃、強烈なライバルとして向かい合うことがすでに暗示されている。善徳女王をめぐって恋のライバルともなっていくのであろうか。
 その一方、シルラ(新羅)史上、初めての女王となったトンマンは、神秘性と聡明さがあったと伝えられているようだ。そこに三つの予知がある。
 その一つは、
 唐の太宗が牡丹の花の絵と種を贈って来たときに、その花には香りがないであろうと言ったこと。理由を尋ねられて、「花の絵には蝶や蜂が描かれていなかったことから香りがないと解った」と答えた。
 というものだが、このエピソード確かどこかの場面で描かれたと思った。
 トンマンのこのような聡明さは、コ・ヒョンジョン演じるミシルにも通じている。ただし、ミシルの場合聡明さはともかく、神秘性においては天性ではなく、誰も知らない情報を自分一人得て(この話では先達文明隋からの情報をいち早くキャッチして)、見せかけの神秘性を演じている。トンマンが持っていた伝えられる神秘性と聡明さを善玉と悪玉の二つに分け、悪役として配されたのがミシルなのであろうと僕は思う。

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