何度かツイッターでTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に関して断片的に書いてきたんだけど、いくつかのネット動画などを見直して、少しだけ思ったことを書いてみたい。
「平成の開国」となどと言われて、ここに来て急速に浮上してきたTPP。“例外なき関税自由化”を掲げて、経済界は、一刻も早い参加を催促。民主党政権もしゃにむに参加を進めようとしているTPPには、JAなどの農業団体、消費者団体などが参加して、「食糧安保の破壊、地域に壊滅的な影響をもたらす」(TPP断固阻止─地域つぶすな 生活クラブ メディア紹介)などと、農業問題、自給率問題と産業界の対立のような構図で、紹介されてきてる。果たしてそうなのか。
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関税撤廃されて、海外の安い農産物が入ってくれば、日本の農業は打撃を受ける。そりゃそうだろう。今の政権の立ち位置は、「自由貿易の推進こそが国益に適う」から、農林水産業が打撃を受けてもお釣りがくる。まぁ、それに近い露骨な物言いも確かにあるんだけど、どうも背景はそれだけじゃなさそう。
TPP参加国は、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、マレーシア、ベトナム、オーストラリア、ペル―、米国の9か国。
で、やろうとしてることは、「関税の撤廃だけでなく、郵政、金融、保険、医療薬、公共事業の入札、人の移動等あらゆる分野での完全なる自由競争を行おうというもの」。はい、関税問題だけじゃないんですね。
実質的には、日本とアメリカの二国間協定。
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↑の動画は興味深いので一見の余地あり。つまり、表面的には、農業問題に見えるけど、あらゆる分野での自由化。郵政・・・郵貯や簡保への資本投入の自由化、通信、放送、公共事業への入札、看護師、介護師、さらには医師までも、外国からの参入障壁を開放するって代物になる可能性が高いって、アメリカ通商代表部(USTR)、農務省へ視察した自民党の小野寺議員は、新党日本の田中康夫代表との対談で語ってる。
これって、農業への打撃というレベルじゃなくて、アメリカの植民地化・属国化を自分から進んで受け入れるってことじゃないの?文字通りアメリカの対日要求(自由化)を露骨に列挙した年次改革要望書(リンク先)を具体化するものとしか思えない。
TPPには、EUも中国も韓国もロシアも入ってこないし、興味も持ってないんだから。
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結局、産業界は、韓国などがFTAなど個別の自由化交渉を勧めてることに焦りを抱いてて、政府は、よくモノを考えずに、基地問題などで、こじれてる対米関係を“改善”する手土産に、ロクな準備も戦略もなく、突き進んでるようにしか思えないんだよね。
農業問題、自給率、アメリカ産牛肉が原則自由に入ってくるとか・・・っていうのは、むしろTPPのごく一面で、あらゆる分野で無防備になった日本がアメリカにいいように食い物にされるトンデモない代物としか思えないわけ。
本来は地道に自由化交渉を一つ一つ二国間で締結していくのが筋。これはもう酷いとしか言いようがない。
TPPに関連して、西部邁ゼミナールの動画も紹介。アメリカ流の新自由主義批判なんだけど、ゲストが、自民党と共産党の参議院議員。ホストと併せて、こんな組み合わせが良く実現したもんだけど、論者の考えがほとんど一致するなんて、時代は変わったもんだよ。
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