・『買ってはいけない』(99年)・・・シリーズ化され、5冊出ている
・『食べるな、危険!』(02年)・・・改訂版が出ている
・『食品の裏側』(05年)
前提は市場で流通しているものは、危険、もしくは安全性に疑問がある。「輸入食品の危険を強調」「国産信仰」「無添加。無農薬は善」「天然信仰」というもの。安全よりも危険と煽った方が、簡単だし、売れる。メディアのそんな安易な姿勢が、この手の本を受け入れやすくする土壌を作りだす。
昨日読み終えた『食品の迷信』はそうした常識に真っ向から異議を唱え、「中国食品は安全である」(基準値以上の数値が出ても十分安全、食品工場の管理体制は厳格)、「輸入食品の検査強化は無意味」(コストに見合った効果が期待できない)「産地偽装と賞味期限偽装では悪質レベルが違う」「輸入食品に厳しく、国内食品に甘い検査基準」「多くは天然物より養殖物の方がおいしい」「有機・無農薬は安全ではない」「現在、心配すべき問題はウイルス・細菌による食中毒だけである」と主張する。
市場で流通しているものは安全だ、という立場から書かれた本には小島正美氏の『リスク眼力』や松永和紀さんの『食卓の安全学』などがあるけれども、業界人である芳川充氏は、もっと過激で、トレーサビリティは不要とまで書いてて、ここまで言い切る勇気にある意味爽快なほど。
これ、消費者団体や一部の生協からは猛烈な反発を買うことは必至だよね(無視されるだろうけど)。でも、ここまで業界人の本音をまとめて書かれた本は初めてのはず。全面的には賛同はしないけど、ここで書かれた内容には有益で示唆に富む記述が溢れてて間違いなく一読の価値あり。改めて生協職員のみならず、食の安全に関心を持つ向きには必読、と書いておきたい。
とは言っても、上記の“危険本”にも示唆に富む記述は当然あって、そこは取捨選択すればいいわけで、僕はその手の本のコレクションは山のように持っているヘビーユーザー。最近、“危険本”で売れてるのは宝島社の「食のカラクリ」シリーズ。手元にある『輸入食品の真実』は各食材の「危険情報」がコンパクトに載ってるし、国内生産量と輸入量、輸入国ベスト3もグラフ化されてて、実に便利。最新刊の『「国産」「安心」の食べ物はこれだ!』も「国産」だけで人は長生きできる!・・・なんて香ばしい見出しがあって、たちまち僕の琴線を刺激する(笑い)。
詳しくはリンク先を見てもらうとして、必ずしも編集の方針がメディアの“常識”に寄り添うものになってないところも、興味を誘う。
廃墟系や工場、ダムやB級スポットを多数取り上げる《異空間》探検マガジン・「ワンダーJAPAN」の最新刊と海外編の「ワンダーWORLD 世界奇産」(三才ブックス)が明日発売!三冊合わせて、アマゾンに早速オーダー。
日垣 隆氏の新刊『部下の仕事はなぜ遅いのか』『ラクをしないと成果は出ない』がベストセラーになってて、特に後者は、今の僕の関心にピッタリ。あ~ラクをしたいっ!ホント、読みたい本が山積みだよ。
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