発売は今年の2月。今でも、新書コーナーで平積みにされてるから、売れているのは確か。何せサブタイトルが“大嘘だらけの食品自給率”だからね。
端的に言えば、これは農水省叩きの本だ。自給率という錦の御旗を振って、日本の農業は弱い弱いと、でたらめな情報を振りかざし、自給率向上のためと称して、多額の予算を分捕って、無駄遣いやバラマキをする。それは、本来強い日本の農業を弱体化させる亡国の企みであり、国際競争力を持つ、本物の農家の足を引っ張るモノ。
補助金に頼った農業は、農家の創意工夫する意欲を失わせ、国に依存する体質を作り上げる。民主党が唱える所得補償制度は、農業を弱体化させ、政治依存させる愚策なのだ・・・
と、大雑把に言えば、こんな本だ。
で、「自給率の向上と食糧安保」は関係ないと、この本は書いている。農水省の言うカロリーベースでの自給率を国の指標としてるのは日本特殊なものであって、そんなものに一喜一憂するのはおかしいという。
確かに、カロリーベースで換算するってことは、食肉の飼料を殆ど輸入に頼っている日本の数値は極端に低くなる。だから、輸入を減らす、食品廃棄を減らす、摂取カロリーを減らすってことで、分母が減って、減反などの措置を取らなければ、国内供給は増加に転じて、自給率は上がって行く。
なるほどねぇ。それは確かに一理ある。で、原則関税を撤廃するTPPで日本農業が壊滅するって言う農水省の試算にも、雑誌「WILL」最新号で全面反論中(連載は継続)。
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TPPによって、「8兆5千億円の農業生産額は4兆1千億円も減少し、食料自給率は40%から14%に低下する」って、農水省が試算してるけど、その半分の約2兆円が米。
これって、全農や、消費者団体や、政党が、この試算を無批判に引用してるけど、それって、コメ農家がほとんど壊滅するってことだよね?安いコメが入ってきて、一部のブランド米以外のコメを国民が買わなくなるって、本当に思ってるの?
それと、この著者も言ってるけど、日本の優秀な農作物を積極的に輸出するって戦略は、反対派にはないのかなぁ?
自由貿易全面肯定ではないけど、自国の食料を自国で確保。食品の国際的な交易を否定する鎖国的な発想にはいささかうんざりしてる。農業もまたビジネス。そういう道もあるってことを考えさせてくれる論争的な本って意味でね、この本を僕は積極的に推奨したいね。
(講談社+α新書、838円+税)
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