家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
「“重曹”が掃除とか……に役立つ」という情報が世の中に行き渡り始めたのは、おそらく「天使は清しき家に舞い降りる」(集英社、カレン・ローガン 著、佐光紀子 訳、1998年)の刊行が端緒だったと思う。それまでは「おばあちゃんの知恵」的に語られるのがせいぜいの「知る人ぞ知る」家事ネタだった。アメリカ経由で輸入され、この情報はなぜか当時、素敵生活を志す者らの胸をひどく射た。恥ずかしながら筆者もその射られたうちのひとりである。 “重曹”という、なにかとてもナチュラルそうな素材を多様に使用する「エコ家事」「ナチュクリ(ナチュラルクリーニング)」の流行は、この約5年後、「天然生活」誌(地球丸、現在は扶桑社より刊行)が提唱したライフスタイルの席巻にほぼ伴うように盛り上がる。「魔法の粉」などと呼ばれ、もてはやされたのもそのころである。
以後かれこれ約15年。この界隈で長々生活ものを書いていると、あまりにも既知というか、「さすがにもう目新しさなどないだろう」と思いきや、「重曹って、すごいんですねー!」みたいな反応が2020年の今でもあり、驚く。 若年の世代のリアクションかと思いきや、必ずしもそうではなく、このような生活に関わるガジェットの新鮮味というのは、その人自身の来歴やタイミングに拠るものであり必ずしも世の趨勢だけが影響するわけではないのだな、と思い知った。 というわけでものすごく今更ではあるが、“重曹”である。
参照
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