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韓国の電力需要は、右肩上がりで伸びており、ここ10年で約1.6倍となった。用途別の内訳を見ると産業用が中心であり、2013年の販売電力量の約56%を占めている。
電気料金の中でも特に産業用電力は、製造業の輸出競争力を高めることなどを目的として政策的に低く抑えられている。この結果、国際比較においても主要国中、米国に次いで2番目に低い水準にある。
低廉な電気料金を背景にした旺盛な電力需要に対し、電源投資が追い付かず、供給余力の減少が問題となっている。
11年9月には全国的な大規模停電が発生し、13年の夏も猛暑による電力需要の急増と発電所の停止や故障などもあり、極端な節電が呼びかけられるなど、電力需給は厳しい状況にある。
電力安定供給に向け、需要抑制と適切な電源投資を促進するため、電気料金の値上げが13年1月(平均4.0%)に続き、11月(平均5.4%)にも認可された。
韓国政府は今後、スマートグリッド(次世代送電網)やエネルギーマネジメントシステムなどICT(情報通信技術)を活用した需要管理を行っていく方針を打ち出している。(編集協力=日本政策投資銀行)