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原発事故3年 一流国の看板下ろすのか 長期停止のリスク見つめよ産経より

2014-03-14 07:32:04 | (英氏)原発・エネルギー問題

原発事故3年 一流国の看板下ろすのか 長期停止のリスク見つめよ
2014.3.13 03:24 (1/4ページ)[主張]

 安倍晋三政権は、汚染水を抱える東京電力・福島第1原子力発電所の窮状をいつまで傍観し続けるつもりなのか。

 事故から3年を迎えたにもかかわらず、第1原発の放射能汚染水は増加の一途をたどっている。この流れに終止符を打たない限り、廃炉作業の加速もままならないことは誰の目にも明らかだ。

 汚染水の増加は、山側からの地下水が原子炉建屋などに絶え間なく流れ込んでいるためだ。1日400トンの量に上る。この地下水が建屋地下室の放射能汚染水と混ざり合うことで毎日400トンの新汚染水が生じている。

 東電はトリチウム以外の放射性物質を回収できる浄化装置(ALPS)などを稼働させているが、汚染水の総量は増えている。2日に1基のペースで大型タンクを増設し、既に千基を超える貯蔵タンクが第1原発の敷地内にひしめく状態だ。

 現場の労力の相当部分が汚染水対策で消耗している。貯蔵タンクからの汚染水漏れが起きているが、安全管理体制の不備をとがめるだけでなく、現場の疲弊も思いやるべきだ。果てしないタンク増設と汚染水漏出は、賽(さい)の河原の石積みにも似て切ない。

◆安倍首相による説明を

 泥沼状態の汚染水問題から抜け出し、廃炉に向けて直進できる道がある。

 地下水の流入を止めることだ。東電は原子炉建屋の山側の地下に氷の壁を設ける凍土壁構築試験を14日から始める。

 有力な対策だが、地中の土が完全に凍って防水効果を発揮できるようになるまでには少なくても1年を要する見通しだ。

 これと併せて即効性のある「地下水バイパス」を急ぎたい。建屋の山側の複数の井戸から未汚染の地下水をくみ上げて海に流す方法だ。昨春、実施の可能性が見えかけたが、漁業者の同意を待っているうちに、汚染水の港湾内への流出が判明し、バイパス計画は棚上げになってしまった。

 風評被害を警戒する漁業者の気持ちは分かる。だが、かたくなに反対していると、東電の汚染水対応能力は落ちていく。このままでは不測の事態による高濃度汚染水の大規模流出という悪夢のリスクも高くなる。
漁業者も地下水の抑制が必要という「共通認識」を持っていたはずだ。ここは膝を交えた説得に安倍首相が乗り出すべきである。回避できる流入を減じ東電の対応力回復を図り、東電自身もさらなる事故収束に取り組むべきだ。

 ALPSで浄化しても残ってしまうトリチウム水は、海洋放出が必要だ。害は無視できても、今から近隣諸国への丁寧な説明を進めておきたい。

 ◆再稼働でも国が前面に

 国内の全原発が長期停止していることで、別のリスクが台頭しつつある。日本の電気エネルギーは火力依存に移行したために二酸化炭素の排出増を招いている。地球温暖化防止での世界の動きに逆行するものだ。

 液化天然ガス(LNG)をはじめとする火力燃料の輸入によって貿易赤字が続いているのに加え、経常収支の赤字も起きている。

 燃料費の高騰で、電気料金再値上げを検討している電力会社もある。家計を圧迫し、素材メーカーなどエネルギー多消費型産業の海外移転に拍車がかかる。国内産業のさらなる空洞化が心配だ。日本の大量調達によるLNG価格上昇は、他の輸入国のエネルギー事情にも影響を及ぼし始めている。


 原発用ウラン燃料の国内メーカーも先が読めない。原発の定期検査を下支えしてきた技能作業者の散逸も気がかりだ。

 稼働原発ゼロ状態は、火力発電への過剰依存を招いており、かつての石油危機前夜のごとく日本のエネルギー安全保障を危うくしていることを忘れてはならない。

 原子力規制委員会は、安全審査を進めてきた原発の中から、近日中に審査の仕上げを急ぐ優先原発を選定する見通しだ。そこから再稼働へのゴールが見えてくるが、審査合格後の地元了解に日数を浪費する事態になると今夏の電力安定供給が危機を迎える。

 ここでも国が前面に出て説明、説得に当たる覚悟が必要だ。それができないなら、日本は米国の有識者から危惧されたように「一流国家」の看板を下ろさざるを得なくなるだろう。


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