第1部(4)玄海で福島の事故は起きえない
発電用タービンが止まり、回転数や発電量を告げる計器の灯りも消えた。静まりかえった巨大施設にコツコツと靴音を響かせて従業員が見回りを続ける。
福岡ヤフードーム13個分、87万平方メートルの敷地に4基の原子炉が並ぶ九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)は、昨年12月25日に4号機が停止して以来、1ワットの電力も生み出さない「巨大遺構」となった。にもかかわらず、2千人を超える九電と関連会社の社員が、いつになるか分からない再稼働に備え、黙々と点検・補修作業を続けている。
昨年3月の東京電力福島第1原発事故は「あってはならない事故」だった。原発の安全神話はもろくも崩れた。日本中で激しい原発批判が巻き起こり、電力会社への不信が高まった。
だが、もっとも事故に衝撃を受け、プライドをズタズタに引き裂かれたのは原発に携わってきた技術者たちだった。
「福島第1原発の建屋が爆発した映像を見たときは足が震えました。こんなことがあり得るなんて信じられなかった…」
玄海原発ナンバー2の石川伸一次長はこう振り返る。過去に大きな事故がなく「原発優等生」と呼ばれたことはもう自慢にならない。そう思った石川氏らはあえて合言葉に「福島を繰り返さない」を選んだ。
玄海原発は、福島と同じ全電源喪失を想定した防災訓練を6月までに127回実施した。電源車を使い核燃料を冷却する訓練や、敷地内のがれきを処理する訓練。中央制御室では、照明を落とした真っ暗な状況で作業する訓練も繰り返した。
とはいえ、世間の強い風当たりを受け、発電所の社員の表情は暗い。「暗くなっている時間はないぞ。やることはたくさんあるんだ!」。今村博信所長は折を見て部下をこう鼓舞するが、自らのもやもやは晴れない。石川氏はこう打ち明けた。
「いつ再稼働が決まってもいいように、考えられる必要な安全対策はどんどん取り入れています。ただ、その『いつ』が見えない…」
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なぜ、福島第1原発はあれほどの惨事を引き起こしたのか。
平成23年3月11日午後2時46分、マグニチュード9・0の大地震が東日本を襲った。この直後、福島第1原発で稼働中の3基の原子炉は制御棒の自動制御が働き緊急停止。外部からの電源はすべて途絶えたが、タービン建屋地下に設置された非常用ディーゼル発電機が動きだし、冷却ポンプも動き始めた。ここまでは「想定通り」だった。
ところが、約50分後、押し寄せた津波によりディーゼル発電機が浸水停止。原子炉は臨界が止まってもしばらく大量の崩壊熱を発生し続ける。冷却のすべを失った原子炉は急激な温度上昇を続け、核燃料を覆うジルコニウムが熔解(ようかい)。これが水と反応して水素を発生させ、建屋内に充満した。そして大爆発-。大量の放射性物質が外部にまき散らされた。
「農業用の小型ポンプと、それを動かす電源さえあれば、福島の事故は防げた。技術者としてそう確信しています」
九電原子力コミュニケーション本部環境広報グループの篠原雅道グループ長はこう断じる。
では、玄海、川内両原発で同じ事故が起こりえるのか。
事故の最大の原因は地震とそれに伴う津波だが、まずこの第1条件が大きく違う。130キロ沖の日本海溝に太平洋プレートが潜り込む東北から北関東にかけての太平洋沿岸は古くから、大地震と大津波に見舞われてきた地帯だ。明治29年と昭和8年にも三陸沖大津波で多くの死傷者を出している。
東電は「想定以上の津波」と説明したが、これは言い訳にすぎない。現に同規模の津波に襲われた東北電力の女川原発(宮城県女川町)は歴史の教訓を生かして海抜14・8メートルに立地したことで、国際原子力機関(IAEA)調査団を「驚くほど損傷は少なかった」と驚嘆させるほど被害は軽微で、被災者の避難所にもなった。福島第1原発1~4号機建設の際、高台をわざわざ海抜10メートルまで削った東電との違いはあまりに大きい。
「大きな声では言えないが、想定すべき津波対策を怠り、日本の原子力政策を頓挫させた東電の罪は重い」。電気事業連合会関係者もこう眉をひそめる。
ところが、九電の玄海、川内両原発は前提条件がまるで違う。まず両原発がある九州西部沖には大地震、大津波を発生させるプレート境界は存在せず、両原発周辺に大きな断層もない。しかも玄海原発は巨大な岩盤の上にある。
九電は両原発建設前と、平成19年7月の新潟県中越沖地震後、原発周辺の断層に関する綿密な地質調査を実施。過去の文献も検証し「九州西岸では過去1千年、大きな津波は起きていない」との結論を得ている。
調査で導かれた津波の最大の高さは玄海で2・1メートル、川内で3・7メートル。玄海原発は海抜11メートル、川内原発13メートルに立地し、津波に襲われる可能性はほぼ皆無だ。しかも玄海原発は海沿いに20メートルの岸壁がそびえ、天然の防潮壁となっている。
死者最悪32万人-。内閣府の有識者検討会が8月29日に公表した南海トラフ地震の被害想定は衝撃を与えた。だが、川内の津波予想は高さ3メートル、玄海については言及さえしていない。
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もう一つ。福島第1原発と、玄海、川内両原発は原子炉の構造がまるで異なる。
福島第1のような「沸騰水型軽水炉」(BWR)は原子炉圧力容器内で水を沸騰させ、蒸気タービンを回し発電する。蒸気は海水で冷やされ水に戻り、再び流れ込む。単純な構造だが、タービンなどは放射性物質に汚染された水に直接触れる。
これに比べ、玄海、川内の「加圧水型軽水炉」(PWR)はより複雑な構造だ。核燃料に触れて高温になった水(1次冷却水)を使って別系統の水(2次冷却水)を蒸気にし、発電に使う。元々は原子力潜水艦用に開発された技術で汚染区域が狭いことが特徴。現在は世界で主流となっている。
安全面での利点も多い。
まず、BWRは原子炉を冷却するために高温高圧の原子炉圧力容器に直接注水しなければならないが、容器内の圧力が高まると注水が困難となる。
ところが、PWRは圧力容器に直接注水する必要はなく、減圧処理に時間を費やすこともない。圧力の低い2次冷却水を循環してさえいれば、炉心を冷やすことができるからだ。
加えてPWRの原子炉格納容器はBWRより10倍近く大きい。このため容器内の圧力や水素濃度が高まりにくく、高まるには時間も要する。水素爆発の危険性も低い。
このように玄海、川内両原発では、地震・津波で甚大な被害を受ける可能性がほとんどないうえ、全電源喪失、格納容器への注水失敗、水素爆発、メルトダウン-という福島第1原発のような「負の連鎖」は起こることはまずあり得ない。そういう事情を一切考慮せず「原発=危険=反対」と考えるのはあまりに浅はかではないか。
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/47514.html
以前、美浜発電所に隣接している丹生集落でスプレッドをしていましたら地元の人が「立派な防波壁ができたので津波がきても安心だ、もし避難勧告が出たら自分なら裏山の高い所まで登るのは大変なので発電所の内に避難するよ」と言い切っていました。
美浜原発まで数百メートルの所で生活し、橋を渡れば発電所内です。
40年以上安心して暮らしています。(画像)
http://image.search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&p=%E4%B8%B9%E7%94%9F%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A6%8B%E3%81%9F%E7%BE%8E%E6%B5%9C%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80#mode%3Ddetail%26index%3D10%26st%3D357
http://image.search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&p=%E4%B8%B9%E7%94%9F%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A6%8B%E3%81%9F%E7%BE%8E%E6%B5%9C%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80#mode%3Ddetail%26index%3D10%26st%3D357
貴重な情報ありがとうです。
写真でもお解りのとおり、風光明媚なビーチでは多くの人が原発のすぐ近くで海水浴を楽しんでいますし、原発入り口の橋のたもとのゲートまで行くことができます。
私は配達など仕事の関係で、高浜、大飯、美浜などの原発施設内に入ったことがあります。
単純に考えてみてください。
マスコミの偏向報道が正しいのか?それとも、毎日、原発施設内で懸命に作業している人の安全意識が正しいのか?
原発関係者は洗脳されてロボットのごとく作業に従事しているのか。
そうではないはずです、日本国民が、幸福に生活ができるように祈りながら作業をしているのです。
もしもの時には原発敷地内に避難すると語った方はこうも言っていました。
「原発の耐用年数が法律で定められ、廃炉になったとしてもそれから百年位の間は稼働している時と条件は同じです。」
燃料が燃え尽きるまではリスクは変わりません、それも理解の上で発電所誘致に賛同してきたのです。
電力恩恵者とは覚悟が違います。
そして、近くで漁をしてきた魚を食べながら元気に暮らしています。
広島、長崎の人々が証人なら、原発近くで生活している人々も証人であるはずです。
多くの国民が「正見」となるべきです。
多くの国民が「正見」となるべきです。
まったく、おっしゃるとおりです。