世界最大産油国サウジの原油生産能力を10機あまりの無人機が半減させた
これは衝撃的なニュースではないでしょうか?
ほとんど原油生産に依存し、中東の大国であるサウジ経済の50%を10機あまりの無人攻撃機で瞬時に破壊したのですから、非核兵器の戦略的、あるいは戦術的効果の再考察を、軍事関係者に迫る結果になったかも知れません。
昨日テレビ画像に写ったものは、「ドローン」というより、有翼の無人操縦航空機(戦闘機)が編隊で、油田、原油生産或いは貯蔵施設を攻撃しているような映像のようでしたが、今日検索してもその画像は見つかりません。
ただ、今朝の文化放送のレギュラーである上念司氏、その解説で「公開された残骸から、イラン革命防衛隊コッズ部隊・Quds Forceと言われている、ゴドス軍 が使用する巡航ミサイルに近い」と発信しました。
また、イラン革命防衛隊の支援を受けたイエメンの反政府軍勢力による犯行声明があったことも報道済です。
ここで、サウジ対イラン、或いは、スンニー派対シーア派の対立構図がはっきりしてきました。
これは、ともすれば中東での事件だけに、「テロ」のイメージが日本人には刷り込まれやすいのですが、明らかに戦争です。
軍事の門外漢ですが、日本も含めた先進諸国は、ハイテクの破壊効率と的中撃墜能力の高い、自動化された兵器に依存しがちな風潮にあって、結局はかなりオーソドックスな兵器が、正規軍でない戦闘集団によって、大国の産業生産力をわずか10機かそこらの飛行物で50%が瞬時に破壊できたという教訓は、軍事関係者には大きいはずです。
飛行物体、あるいはロケットは、第二次大戦中に英国はドイツ軍のV2ロケットの集中的な攻撃を受けた歴史があります。
結局、兵器は開発から生産、運用、効果のあらゆる側面でハイテク化が進んでいても、基本は破壊であり殺傷ですから、戦後70年を経過しても、基本的には変わっていない事を教えてくれているような気がします。
となると、経済力の貧困な国の戦力や軍事力は、とかく見過ごされ易い風潮がありますが、戦争と破壊、侵略ということにフォーカスすれば、その様な相手といえども、決して侮れないという教訓になりそうな気がします。